病気、介護、子育て…備えるとしたらどんな保険がいい?
MONEYPLUS / 2024年10月25日 7時30分
病気、介護、子育て…備えるとしたらどんな保険がいい?
保険の役割は、「リスクヘッジ」です。
人生の中でトラブルがあったとき、経済的に困らないようにするのが保険です。リスクによって必要な保険が変わってきますし、そもそも保険でカバーした方がよいのか、違う方法がよいのかも変わってきます。
いくつかの状況を想定しながら、保険で備えた方がよいのか? 備えるとしたらどんな保険がよいのかを解説していきましょう。
20代前半
20代前半、新入社員。「社会人になって責任があるのだから、保険に入らないと!」といって保険に勧誘された話を度々聞きますが、「責任」と「保険」は、関係がありません。あるのは「リスク」と「保険」です。「リスク」を考えると、20歳前半の独身で扶養家族がいなければ、もしものことがあっても経済的に困る人はいません。ですので、死亡保険は必要ありません。
30代の子育て家族
30代で結婚して子どもがいます。もしも死亡したら、残された家族は経済的に困ることは想像できるでしょう。
公的な保障として遺族年金がありますが、それだけではとても足りません。子どもの教育費や生活費などを合わせると約2000万円近くはかかるといわれています。2000万円というのは大きなリスクになるので、生命保険で備えることが必要です。
病気やケガのリスク
病気やケガで入院、手術をすることは、リスクになります。しかし、公的医療保険があるので、一般的に自己負担は3割です。さらに高額な治療費がかかった場合には、高額療養費制度があります。収入によって医療費の限度額が決まっています。
年収370万円〜770万円の人は、月額9万円前後しかかかりません。自己負担額は、それほど多くはないので貯蓄でも対応できる金額です。確かにリスクではありますが、経済的には小さなリスクです。生命保険で備えるよりも「貯蓄」で備えた方が合理的です。ある程度の貯蓄があれば、保険は必要ないでしょう。
要介護のリスク
要介護のときには、介護のお金がかかります。これもリスクです。要介護に認定されると、公的介護保険が受けられます。原則1割負担でさまざまな介護サービスを受けることができます。自己負担はそれほどかからない場合が多いです。とはいっても介護期間は長期化することがあるので、備えはある程度必要です。
生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」によると、月々の介護費用は平均8.3万円、介護期間は平均5年1カ月ということで、平均で500万円以上の自己負担がある計算です。
介護のリスク(費用)は、基本的には老後資金とか余裕資金として備えるのが、いちばんよい方法です。しかし、余裕資金がない場合には、介護保険で備えるのもひとつの方法です。
老後資金のリスク
老後資金が足りないと、老後生活では大きなリスクになります。老後は、年金暮らしになる方が多いですが、年金で足りない分を老後資金で補います。その老後資金が少ないと生活が厳しくなります。
生命保険は、保障の機能と貯蓄の機能の両方を持っている商品もありますが、貯蓄だけを考えるとiDeCoや新NISAの方が効率はよいでしょう。老後資金の備えは、iDeCo、新NISAの方をお勧めします。三番手として保険を考えるといいと思います。
働けないときのリスク
病気やケガで働けなくなるのも、大きなリスクです。一命を取り留めたものの、もし働けない状態が続くとなれば、かなり困った状態になります。この場合、死亡保険金では対応できませんし、入院していないと医療保険も対応してくれません。そんなときに役立つのが「就業不能保険」です。
会社員や公務員は、健康保険から傷病手当金を受け取ることができます。傷病手当金は標準報酬月額の2/3です。働けなくてもすぐには、困らないようになっていますが、住宅ローンなどを抱えていて、キツキツの家計だと、収入が減るのは大きなリスクになります。そんなときのために就業不能保険で備えるといいでしょう。
注意すべきなのは、自営業者やフリーランスの人で、傷病手当金がありません。フリーランスの人にとって、就業不能保険はぜひ備えておきたい保険です。
フリーランスのリスク
フリーランスの人は、国民年金だけですし、傷病手当金がないので、社会保障としては手薄いのが現状です。会社員よりリスクが大きいため、小規模企業共済や国民年金基金、iDeCo、新NISA、民間の保険などを駆使しながら補う必要があります。
それぞれのリスクに対応する保険を選ぶ
このように人それぞれでリスクは変わりますし、ライフステージによっても変化していきます。その都度リスクに合わせて保険に入る必要があるため、ライフステージが変わるときには保険の見直しが必要です。
人生の中のリスクを考えて、それにあった保険を選べば、自分にピッタリで効率のいい保険に入ることができます。
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