都内で暮らす30代夫婦の平均年収や貯蓄額、生活費はいくら?【2024年版】
MONEYPLUS / 2024年11月12日 7時30分
都内で暮らす30代夫婦の平均年収や貯蓄額、生活費はいくら?【2024年版】
東京都の平均初婚年齢は、夫が32.3歳、妻が30.7歳と、男女とも30代(「人口動態統計、年次推移(東京都全体)」2022年)。30代は社会人として経験をかさね、結婚する人も増えてくる年代といえます。
国税調査によれば30代後半では半数以上が結婚をして配偶者がいます(「2020年国勢調査人口等基本集計結果概要」より)。ちょうど、夫婦のくらしをつくっていく時期なのではないでしょうか。
家計も、夫婦の価値観を第一に考えたいものですが、平均値を知っておくことも大切です。都内で暮らす30代夫婦の平均年収や貯蓄額、生活費を見ていきましょう。
東京都30代夫婦、世帯年収の平均は714万~823万2000円
都内で暮らす、世帯主が30~34歳の世帯収入のうち、1カ月あたりの勤め先からの収入は、世帯主が約44万3000円、配偶者は約11万円、その他が4万2000円で、合計59万5000円(総務省「2019年全国家計構造調査」より )。世帯年収にすると、714万円です。
世帯主が30~34歳の1カ月の収入(東京)
画像:「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果」より筆者作成
妻の収入が132万円であれば、所得税がかかる106万円の壁や、社会保険で夫の扶養からはずれる130万円の壁は超えますが、夫の所得税で配偶者特別控除が最大の38万円控除できる150万円の壁は超えません。夫婦共働きの場合、世帯手取り収入に影響する「年収の壁」は意識せざるを得ないでしょう。
世帯主が35~39歳の世帯では、同様に世帯主が約47万5000円、配偶者は約14万5000円、その他が6万6000円で、合計68万6000円。年収にして823万2000円です。
世帯主が35~39歳の1カ月の収入(東京)
画像:「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果」より筆者作成
その他収入には、夫婦の収入以外のものが含まれています。たとえば、保有している不動産からの家賃収入、副業収入のほか、社会保障給付も含まれます。病気やケガをしたときの高額療養費制度など、条件に当てはまる人が申請すれば支給されるお金でも、逆に言えば申請しなければもらえません。情報収集はしっかりしておきたいですね。
住宅ローンを借りている世帯は世帯年収が高い
さて、30代と言えば住宅を購入する世帯が多い年代です。国土交通省の調べによれば、初めて住宅を取得したのは、すべての住宅において最も多いのは30代でした。
世帯主の年齢(一次取得)
画像:「2022年度住宅市場動向調査報告書」 より
実際に住宅を購入するには、ほとんどの場合に住宅ローンを組むことになります。長期の返済計画を立てることになるので、安定した十分な収入が見込めることが条件です。東京都の「都民のくらしむき」 調査からも、そのような傾向が読み取れます。
40歳未満の世帯でローン返済がある世帯主の平均年齢は35.9歳。世帯年収の平均は、約871万2000円でした。
ローン返済世帯(40歳未満)の収入
画像:「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(年報)2023年より筆者作成
一方、ローン返済のない世帯では、世帯主の平均年齢は32.6歳。世帯年収の平均は、約674万4000円でした。
ローン返済のない世帯(40歳未満)の収入
画像:「都民のくらしむき」東京都生計分析調査報告(年報)2023年より筆者作成
ローン返済がある世帯とない世帯では、年収に約200万円の差がありますが、その要因は世帯主の収入だけではありません。配偶者の収入の違いにも注目です。年収の壁が取りざたされていますが、壁を超えないよう働き方を調整するより、しっかり稼いだほうが長い目で見るとメリットが大きいのではないでしょうか。
また、その他の収入にも違いがあります。年収が高い世帯ほど、財産収入や社会保障給付を受取っている実態が現れているようです。
30代世帯の平均貯蓄額は526万円
では、30代の平均貯蓄額はいくらでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査) 2023年」によれば、平均貯蓄額は、約601万円です。
30代の平均貯蓄額
画像:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]2023年より筆者作成
ただし、この平均もまた単純な合計金額をデータ数で割った数値です。より実態に近いと言われる中央値では、150万円です。
さらに年収別に見てみると、ローン返済世帯での平均年収が含まれる、年収750万~1000万円の世帯では、平均値は804万円、中央値で400万円です。貯蓄もしっかりできていることがわかります。
生活費は1カ月平均36万8000円
貯蓄をするには浪費は禁物です。東京都30代世帯の平均生活費を見てみましょう。総務省の「2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果」によれば、都内で暮らす30代夫婦の平均生活費は月36万8000円です。
東京都勤労世帯の生活費(世帯主30~39歳)
画像:「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果」より筆者作成
30代の世帯収入の平均は約64万7000円ですから、差し引くと27万9000円です。そこから税金や社会保険料などの支出が差し引かれますので、差額がそのまま貯蓄になるわけではありません。しかし、20万円程度は貯蓄にまわせるとよいでしょう。
ローン返済のある世帯は毎月の返済がありますが、それでも月あたり約20万円、貯蓄を増やしています。ローン返済のない世帯は、月あたり約24万円の貯蓄の増加です。
貯蓄は短期のものから長期のものまで目的によりわけるといいでしょう。短期の貯蓄は、来年の旅行のため、数年後の引越し、マイホームの頭金も考えられます。長期の貯蓄は、子どもの教育費や自身の老後資金などでしょう。
短期の貯蓄は、目標金額も明確なので逆算しやすく貯めやすいと思います。一方、長期の貯蓄は資金を使うところがイメージしにくく、モチベーションが保ちにくいきらいがあります。そのため、長期の資金づくりには積立タイプの金融商品がおススメです。
なかでも、2024年から開始した新NISAは、少額からでも始めやすく、投資による利益が非課税なのでおトクです。コツコツと長期の資金づくりをするにはうってつけです。
30代は仕事もプライベートも、ライフステージが新しくなるタイミングです。家計をしっかりコントロールして、充実した暮らしを実現しましょう。
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(タケイ啓子)
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