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相次ぐ自然災害やインフレの影響で火災保険料が値上げ…節約するには補償を下げるしかない?

MONEYPLUS / 2024年11月21日 11時30分

相次ぐ自然災害やインフレの影響で火災保険料が値上げ…節約するには補償を下げるしかない?

相次ぐ自然災害やインフレの影響で火災保険料が値上げ…節約するには補償を下げるしかない?

相次ぐ自然災害の頻発で火災保険の保険料率がアップしています。日用品の物価高に追い打ちをかける家計に厳しい値上げです。災害があると大きな損害額となる火災保険は安易に補償金額を下げるのは避けたいところ。

改定により多くの場合は値上げとなりますが、見直しをすることで保険料削減になる場合もあります。改定の背景や見直しのメリット、そして実際に保険料を削減できた事例を紹介します。


火災保険料改定の背景

損害保険の保険料率は、事故が発生した場合に支払われる保険金に充てられる「純保険料率」、保険会社が保険事業を行うために必要な経費に充てられる「付加保険料率」の合計で成り立っています。

ふたつの保険料率のうち「純保険料率」は、損害保険料率算出機構が算出する参考純率をもとに、保険会社独自の補償内容などを加味して作成されます。そのため、保険会社ごとに保険料は若干変わりますが、参考純率が上昇傾向にあれば、保険会社の保険料率も当然アップすることになります。

損害保険料率算出機構は2023年6月に参考純率の改定届出を金融庁長官に行い、6月28日に改定を公表しています。

改定の概要は、以下の2点です。

  1. 住宅総合保険の参考純率について、全国平均で13.0%引き上げる
  2. 水災に関する料率を地域のリスクに応じて5区分に細分化する

改定の背景は、損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」に以下のように明記されています。

  1. 自然災害などによる保険金支払いの増加とリスク環境を踏まえた対応
  2. 水災料率における契約者間の保険料負担の公平化など

画像:損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」より抜粋

上表で示したような大きな災害が頻発していることに加えて、修理費にかかる資材費、労務費等の高騰が影響していますので、保険料のアップはやむを得ないと思われます。

保険料率以外の改定

保険料率以外にはどのような改定があるのでしょうか。損害保険では、自動車保険ですでに行われているように細分化の流れが進んでいます。運転するひとの免許の色、年齢、所有している車の種類などで、保険料が変わる仕組みです。火災保険でもすでに導入されており、建物の構造、所在地、築年数などで保険料が変わります。

今回の改定で、改定前は全国一律だった水災保険料が地域によってリスク区分が設けられました。水災保険料率は、リスクが高い地域と小さい地域で最大1.5倍の差をつけている所もあります。

また、築年数料率も、さらに細分化が図られ、今まで築25年以上は一律だった区分が1年ごとに保険料率が変わるように改定された保険会社があります。基本保険料率は上がっても、このような細分化の関係で、保険料が安くなる可能性もあります。具体的な事例を見てみましょう。

築年数料率改定で安くなった保険料例

今回の改定で保険料が安くなった1例を紹介しましょう。

今まで住宅金融公庫の特約火災保険に加入されていたAさん。2024年12月1日に特約火災保険が満了になるので、満期以降の火災保険を考えなければ、と火災保険の見積りを2024年9月に依頼されました(融資はすでに完済しています)。Aさんの自宅は、1997年11月新築。2024年9月現在築26年の木造2階建て住宅です。

今まで建物のみの火災保険だったので、地震保険も付帯し、フルカバーの火災保険に加入の意向です。

2024年10月から保険料率アップになる改定があるので、9月中に前倒しで火災保険に加入してしまった方が保険料を抑えられるのではと考え、本来の満了日12月1日始期と改定前の9月1日始期の5年長期契約で比較してみました。

画像:筆者作成

11月に大幅な料率改定があるので、9月に前倒しの契約をした方が断然お得と思っていましたが、家財保険料は若干高くなったものの、改定後の12月からの保険料の方が安くなりました。年間12,320円、5年で61,600円と見過ごせない額です。

なぜこのような結果になったかというと、築年数別料率の改定が大きくかかわっています。

Aさんのお住まいは12月1日現在築27年。改定前の築年数別料率は25年以上ですと、25年でも49年でも同じ料率です。ところが、改定後の場合25年から49年まで1年ごとに緩やかに保険料率が上がっていく仕組みですから、25年に近い料率は今までより安くなったというわけです。反対に築49年に近くなってくると今までより高くなってしまうと考えられます。

また、Aさんの場合、新築の月が11月です。12月1日時点では築27年ですが、10月1日始期で計算をすると、築26年の築年数別料率になりますから、若干ですがさらに安くなります。

結果Aさんは、10月1日始期で新しく火災保険に加入されることになりました。12月1日始期で加入するより、年間1,030円、5年で5,150円安くすることができました。

満期前でも見直しの見積りは有効

前項の例はほんの1例ですが、火災保険の見直しは節約に一役買うかもしれません。見積を取ってみる価値はあるでしょう。

特に、築年数が25年から35年程度の住宅、自宅の水災リスクが少ないと思われる方は見直しの効果があるかもしれません。

水災リスクに関しては洪水ハザードマップなどを参考にするのもひとつの方法ですが、保険会社が考える水災は河川の氾濫による洪水だけでありません。集中豪雨などで下水道の処理が追いつかず、水があふれてしまう内水氾濫や、土砂災害なども含めて考えられており、リスク区分がハザードマップと一致しないこともあります。損害保険を担当している代理店などに見積りをお願いしてみるといいでしょう。

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(寺田 紀代子)

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