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手続きを忘れると総受給額が減る可能性も…拡充された児童手当、すぐに受給額が上がるのはどんな家庭?

MONEYPLUS / 2024年11月27日 7時30分

手続きを忘れると総受給額が減る可能性も…拡充された児童手当、すぐに受給額が上がるのはどんな家庭?

手続きを忘れると総受給額が減る可能性も…拡充された児童手当、すぐに受給額が上がるのはどんな家庭?

児童手当は、2024年の10月分から支給対象や支給額が拡充され、総受給額が増えることになりました。

これまで児童手当を受け取っていた家庭は、特に手続きをしなくても自動的に改正内容が反映されます。大半の家庭ではすぐに受給額が増えるわけではありませんが、一部の家庭では最短で12月から増額になった児童手当が振り込まれます。

ただし、一部の家庭は自主的に手続きを行わないと受給できないため注意が必要です。そこでこの記事では、児童手当の主な改正点と合わせて、すぐに受給額が上がる家庭や、手続きが必要な家庭についてご紹介します。


児童手当の主な改正点は?

児童手当は1972年から始まった制度です。何度か内容が見直されていますが、2024年10月分からは、次のような内容に変わりました。子育て世帯にとって、児童手当は大切な収入源のひとつです。どのような点が変わったのか、しっかり把握しておきましょう。

<児童手当の主な変更点>
・支給対象となる時期が、中学生年代までから高校生年代(※)まで延長
※18歳に達する日以降の最初の3月31日まで
・第3子の支給額が月3万円に大幅アップ
(以前は3歳~小学生の時期が月1.5万円、ほかの時期は月1万円)
・所得制限が撤廃され、国内居住の子どもは全員対象
・支給回数が年3回から年6回(偶数月に支給)に増加
・人数のカウント対象となる児童を高校生年代までから22歳の年度末まで拡大

<2024年10月分以降の児童手当の支給額>

対象:国内に居住する児童を養育している父母等
資料:こども家庭庁「児童手当制度の概要」をもとに執筆者作成

上記の通り改良されたので、今回の改正で損をする家庭は基本的にはありません。受給対象が高校生年代まで伸びたことで、児童手当の受給総額は、第1子・第2子が234万円前後、第3子以降は最大で648万円前後※まで増えます。養育費や教育費の全額をカバーするのは難しいでしょうが、特に第3子以降ならば、かなり軽減できると期待できます(※4月生まれのほうが3月生まれに比べて11カ月多く受給できるため、受給総額は生まれ月によって異なります)。

高校生年代の人は新しく受給開始に!

現在子どもが高校生年代の家庭は、児童手当の受給が始まります。受け取るためには「認定請求」の手続きが必要なので忘れずに行いましょう。子どもが高校生ではない場合や、別居している場合でも、経済的支援をしていれば対象になります。

手続き方法は、自治体から届く手紙や、ホームページなどで確認できます。手続きの期限は「令和7年3月31日まで」となっていて、申請が遅れてしまうと総受給額が減ってしまう可能性があるため、忘れないうちにすぐ行いましょう。

なお、2026年からは高校生年代の扶養控除が現行よりも縮小される予定のため、収入金額が2025年と同じ場合、手取り収入は減ってしまいます。つまり、児童手当の金額分がまるごと収入アップになるわけではないので、注意が必要なのです。また、扶養控除の縮小により所得額が変わるため、自分が利用している所得制限のある支援制度の要件について、ひと通り再チェックしておくと良いでしょう。

子どもが3人以上いる人は受給額アップ!

子どもが3人以上いる家庭では、3人目以降の子どもの児童手当の金額が月3万円に増えます。基本的には手続き不要で、自動的に振り込まれる金額が変わります。ただし、大学生年代の子どもを含めると第3子以降の手当額が増額になる人は、「監護相当・生計費の負担についての確認書」などの提出が必要です。

なお、カウント対象となるのは「親等が経済的な負担をしている22歳を迎える年度末までの子ども」です。23歳以上の子どもは人数に含められない点に注意が必要です。

児童手当の増額をきっかけに、3人目や4人目の出産を考えるご家庭もあるのではないでしょうか。第3子以降は最大で総額648万円前後の児童手当がもらえるようになりましたが、上記の通り、人数にカウントできるのは大学生年代までです。児童手当を当てにするなら、上の子が大学生年代を終えると下の子の児童手当の金額が減ることを忘れないでおきましょう。

所得制限の撤廃で高収入家庭にゆとりが生まれる

これまで所得制限により児童手当が月5,000円だった家庭や、もらえなかった家庭が、一般の家庭と同じく月1万円~月3万円を受け取れるようになります。所得上限限度額を超えていたため児童手当の支給が停止されていた家庭は、手続きが必要なのでご注意ください。市区町村からの手紙やホームページの案内を確認し、期限(令和7年3月31日)までに忘れずに手続きしましょう。

元々所得制限の対象だった年収900万円前後以上の家庭でも、子どもの数が多い家庭や、片働きの家庭、仕事のために住宅価格が高いエリアに住んでいる家庭、私立への進学を希望している家庭などは、家計にゆとりがあるとは限りません。児童手当の支給によって、子どもが希望している習い事を新しく始めたり、私立学校への進学を考えたりする余裕が生まれやすくなるでしょう。

児童手当を使って大学資金等へ備えておこう

今回の改正により、子育てにお金をかけやすい状況が整ってきました。児童手当を賢く活用するためには、高校を卒業してからの大学や専門学校などの教育費に備えることがおすすめです。受け取った児童手当は、生活費とは別の口座に分けておくと良いでしょう。また、子どもがまだ小さいなら、貯蓄型の保険やNISA制度を使って資産運用するのもひとつの手です。

その他にも、政府は、「出産育児一時金の引き上げ(50万円)」や「育児休業給付の給付率引上げ(実質10割まで)」、「育児時短就業給付(賃金額の10%)の創設」など、多くの支援制度の拡充を進めています。今後も制度の改定や新設は続くことが予想されますから、支援を受け損なわないよう、アンテナを高くして情報をしっかりキャッチしていきましょう。

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(張替愛)

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