エヌビディア決算で注目度アップ!次に来る生成AI銘柄は?
MONEYPLUS / 2024年11月23日 7時30分
エヌビディア決算で注目度アップ!次に来る生成AI銘柄は?
今年2024年は生成AIという言葉が投資家の重要な関心ごととなりました。
AI関連の代表的な銘柄としてエヌビディアが挙げられます。1999年に画像処理チップ(GPU)を発明。高画像のゲーム機のみならずAIなど高度なコンピューティング用途にも技術ブレークスルーによって需要を増して確固たる地位を確立。時価総額で世界最大の企業に成長しています。またエヌビディアの決算は米市場の決算のなかでも最も注目される決算となってきています。
AIの時代が本格化
今週20日に発表されたエヌビディアの2025年度第3四半決算は増収、営業増益。1株利益(EPS・希薄化後)0.78ドル(前年同期は0.37ドル)も市場予想を上回る結果に。第4四半期の売上高見通しは約375億ドルを見込むとされ、市場予想の上限には届かなかったことで時間外では売られたものの下げ幅を縮小。複数のアナリストが目標株価を引き上げたことで21日の米市場では株式分割後の高値を更新する場面もありました。
かなり高い期待感が伺えますし、エヌビディアの最新の次世代チップ「ブラックウェル」についてNVIDIAの創設者兼CEOであるJensen Huang氏は「常軌を逸した」需要があると述べています。加えて同氏は「AIの時代は本格化しており、NVIDIAコンピューティングへの世界的な移行が進んでいます」と述べており、これからもAIは投資で外せないワードとなりそうです。
そこで今回は生成AIとは?生成AIの現状と成長分野など「今からでも遅くない生成AI」について投資家が注目すべきポイントについて解説します。
広がる生成AIの用途
生成AI(Generative AI)は、テキスト、画像、音声、動画などを生成するAI技術の総称であり、近年のAI分野で最も注目される革新技術の一つです。この技術は既にさまざまな業界で採用が進んでいます。すでにChatGPIなどを使われている方は、進化の速度に驚いている方も多いと思います。まだまだ急速なペースで成長すると予想されています。
市場調査会社のMarketsandMarkets社によると、生成AI市場は、2024年から2030年にかけて約37%のCAGR (年平均成長率)で成長し、2030年には1,367億米ドル規模に達すると予測されています。
ChatGPTやMidJourneyといったツールの成功は、この分野が一般消費者向けのユースケースでも受け入れられつつあることを示しています。
生成AIは既にマーケティング、広告、動画編集などのコンテンツ制作、コード自動生成ツールによる開発効率化でのプログラミング支援、チャットボットや自動応答システムの高度化といった顧客対応、アート、デザイン、ゲーム開発、作詞作曲などでの応用というクリエイティブ分野などで活用されています。企業の効率化を支援する分野でも生成AIの需要が高まっているということはご存知の方も多いのでは。
導入が進む分野
生成AIの進化に伴ってさらに今後成長が期待される分野はたくさんあります。まずは医療分野です。医療における生成AIの応用は、特に診断や治療計画の支援で注目されています。AIが患者の症例データを分析し、カスタマイズされた診療ガイドラインを生成する技術は、医療の質を大きく向上させる可能性があります。例えば医療画像解析ではMRIやCTスキャン画像の解析による診断支援、化合物の組み合わせや臨床試験データの分析など新薬開発、患者とのコミュニケーションを自動化することなどが期待されます。
金融業界では、生成AIがデータ分析やリスク管理、投資戦略の構築に活用されています。アルゴリズムトレーディング(複雑な市場データの解析と意思決定の自動化)のほか、財務報告書や市場分析の自動作成などレポート生成、顧客ごとに最適化された投資提案も可能となります。
また生成AIは、教育のパーソナライズ化を進める重要な技術として期待されています。特定の学習者ニーズに合わせた教材の自動生成や、ネイティブスピーカー並みの発音や文法の指導なども可能で、既に上場企業のなかでは新入社員の教育の最初の部分はAIに任せ、実際に対面などが必要な教育のみ対人での研修をするといったケースも取り入れられています。
ChatGPTを提供するオープンAIと、子どもが安全にハイテクメディアを使えるための支援に取り組むNPO(非営利組織)のコモン・センス・メディアは、今週20日にAIとプロンプト作成を分かりやすく説明する、幼稚園から高校までの教師向けの無料トレーニングコースを開始したと発表しました。教育用途におけるチャットボットの使用法を解説するとのことです。
日米の生成AI関連銘柄
生成AI関連銘柄ですが、生成AIを支える基盤技術に関連する企業としてエヌビディアがあげられるほか、Microsoftが出資するオープンAI、Google AIとのチャットで文章やリストを作成することなどが可能なGeminiを提供するGoogle、そしてMicrosoftが王道の関連銘柄といえるでしょう。
またスタートアップには高い成長ポテンシャルがあります。特に、独自のAIモデルやニッチ市場での専門性を持つ企業が注目です。例えば動画生成AIではHedraやCaptionsなど、大手で生成AIを開発してきたエンジニアが集まり起業するなど新興スタートアップ企業が次々と参入しています。
日本でもブレインパッド(3655)、FRONTEO(2158)などAIの先駆け的銘柄のほか、ふるさと納税の代行業務など、地方創生を支援するサービスにAIを持ち込んだサイネックス(2376)、生成AIボットの開発や導入から活用までをワンストップで提供するL is B(145A)などたくさんの関連銘柄があります。ソフトバンクグループ(9984)もAI事業に注力すると孫社長が言及しています。
生成AI分野の投資には規制リスクや技術競争の激化、市場過熱リスクなどもあるでしょう。投資の際には、個別銘柄だけでなく、ETFなどで幅広いポートフォリオを組むことを検討してみてください。また、成長性だけでなく、収益性や競争優位性、規制対応力を持つ企業に注目することが成功の鍵となります。
投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
(三井 智映子)
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