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「一風堂」「町田商店」「山岡家」ラーメン銘柄、御三家は株価も業績も一人勝ち状態 頭一つ抜けているのは?

MONEYPLUS / 2024年11月28日 7時50分

「一風堂」「町田商店」「山岡家」ラーメン銘柄、御三家は株価も業績も一人勝ち状態 頭一つ抜けているのは?

「一風堂」「町田商店」「山岡家」ラーメン銘柄、御三家は株価も業績も一人勝ち状態 頭一つ抜けているのは?

めっきり寒くなってきて、外出先でも温かいものを食べたくなります。まっさきに思いつくのは、ラーメンですが、相変わらずインバウンド客で混み合っており、なかなかありつくことができません。これからさらに繁忙期に入るとなると、人気のラーメンにありつくためには、長時間、行列に並ぶ覚悟が必要です。

そうなると、ふたたびラーメン銘柄の動向が気になってきます。この連載では、ラーメン御三家として力の源HD(3561)、ギフトHD(9279)、丸千代山岡家(3399)を過去2回、2023年8月と12月に取り上げています。そこからほぼ1年たちましたので、3社のその後をチェックしてみましょう。

株価が大躍進したラーメン株、御三家に伸び代はまだあるのか?(2023年8月掲載)

秋まで株価が大躍進のラーメン株、御三家の順位に変動。業績は好調なのに株価が下げ止まらない原因とは?(2023年12月掲載)


1年前に伸びしろがあると判断した「丸千代山岡家」の株価は?

まず、前回8月時点で紹介した株価比較チャートはこちら。

画像:TradingViewより

丸千代山岡家が1年間で280%の騰落率と高く、力の源は失速気味、ギフトHDはやや持ち直しつつあるといった感じです。株価の割安さを表すPERは、この時点で丸千代山岡家は16.7倍、力の源は19.3倍、ギフトHDは26.1倍。いちばん株価が上昇している丸千代山岡家がもっとも割安だったため、ここからさらに伸びしろがあるのは丸千代山岡家ではないかと述べています。

1年後の現在の株価比較チャートはこちら。

画像:TradingViewより

見事、予想が当たりました! これはわたしの勘が当たったわけではなく、株を買うときにPERが有効な指標となることが証明されたといえます。

それにしても丸千代山岡家のひとり勝ちとも言えるこの状況。ここまで差がついているとは、街角ウォッチだけでは感じることはできません。実際、業績にもなにか変化があるのでしょうか?

業績も一人勝ち状態

直近の決算を見てみましょう。

まずいちばん低迷している力の源HDから。

画像:力の源ホールディングス「2025年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

11月13日に発表された2025年3月期第2四半期決算は、①売上高は16,611(百万円)、②前年比11.6%、③営業利益1,247(百万円)、④前年比-7.7%と前年比で減益となっています。通期は、前年比で8.2%のプラス予想ですが、達成できるかどうか懸念されます。

足を引っ張っているのは、海外店舗で、前年比で36.4%減となっています。当社は、海外店舗数144店舗と、まあまあのボリュームがあります。インフレによる原材料価格の高騰、賃金・家賃のコスト上昇に価格転嫁が追いつけてないとのこと。

次に前回のチェックポイントから、ほとんど株価が変わっていないギフトHDを見てみます。

画像:ギフトホールディングス「2024年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

9月13日に発表された2024年10月期第3四半期決算は、①売上高は20,592(百万円)、②前年比23.8%、③営業利益2,065(百万円)、④前年比29.2%とこちらは売り上げ利益とも二桁の伸びです。ただし、前期の5-7月期と、今期の5-7月期を比べると、売り上げは+19.3%ですが、営業利益は-9.9%と減益になっています。

最後に株価の騰落率では一人勝ちとなっている丸千代山岡を確認しましょう。

画像:丸千代山岡家「2025年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結)

9月13日に発表された2025年11月期第2四半期決算は、①売上高は15,633(百万円)、②前年比34.6%、③営業利益1,529(百万円)、④前年比221%と、3社の中では抜群の成長率。同時に営業利益の通期予想を2,279(百万円)から3,050(百万円)と大幅上方修正したことも、株価上昇の追い風になったのでしょう。

このように業績の伸びにもグラデーションがついており、ラーメン屋さんだったらどこでもいいという感じではなくなっているようです。

その証拠が各社の月次売上に現れています。

画像:力の源ホールディングス「2024年10月 月次業績動向(国内店舗・海外直営店舗)

まず株価がもっとも低迷している力の源は、8-9月の既存店の客数が、すべて前年割れ。明らかに、前年と比べて客離れが起きています。

画像:ギフトホールディングス「2024 年 10 月期 10 月度 直営店売上速報についてのお知らせ

ギフトHDは、8、9月は前年に対してなんとか微増でしたが、10月は97.6%と前年割れです。

画像:丸千代山岡家「2025 年1月期 10 月度売上高速報及び概況等について

ところが、勝者、丸千代山岡家においては、3ヶ月とも前年より増えています。当社は7月に値上げしているにもかかわらず、引き続きお客さんに愛されていることになります。

今後の3社の株価予想は?

となると、ここからの株価予想ですが、現時点での当期予想PERは、力の源は13.5倍、ギフトHDは35.1倍、丸千代山岡家は19.7倍。足元の業績が落ちている力の源は、PERが低いですが、それは成長性の低さと比例していると考えて投資対象としては除外、ギフトHDは、客数が減少していることからやはりPER35倍は割高に感じます。残る丸千代山岡家の19.7倍は、当社の成長率を鑑みるとまだまだ割安に感じます。

画像:TradingViewより

株価は、ここ2年で8倍ほど上昇しているので、さすがにこれ以上は、と思うかもしれませんが、株価は、上場来高値を抜けてきています。株価は、高値を超えるとさらに上がりやすい特性を持つので、まだここから!を期待しています。

ラーメンに限らず、2022年から2023年の前半は、値上げが受け入れられやすい海外での売り上げ比率の高い企業が堅調でしたが、2024年は、人件費の上昇が、価格引き上げに追いつけず苦しんでおり、株価も低調です。もちろん、海外へ販路を広げるのは、長いスパンでみると必要なことですが、短期的には、海外展開が裏目に出ることもあります。そういった景気の波を感じる力も、個別株投資には必要ですね。

※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

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(藤川 里絵)

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