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好調な時こそ欲を出さずに!株式市場の「3つの坂」で投資家が取るべき行動と戦略

MONEYPLUS / 2025年1月18日 7時30分

好調な時こそ欲を出さずに!株式市場の「3つの坂」で投資家が取るべき行動と戦略

好調な時こそ欲を出さずに!株式市場の「3つの坂」で投資家が取るべき行動と戦略

株式投資で直面する「3つの坂」をご存知ですか?

「上り坂」「下り坂」、そして「まさか」のことです。それぞれの坂において異なる状況とリスクが存在し、それに応じた戦略を立てることが重要です。

1月20日にはいよいよトランプ新大統領が就任しますし、FOMC、次元金融政策決定会合と日米の中金イベントも控えています。株式市場でも値動きが激しくなることが予想されます。

そこで今回は、「3つの坂」に直面した際の考え方についてお伝えします。


上り坂:市場が好調な局面

上り坂は「上昇トレンド」とも言います。特徴としては株式市場が上昇しており、株式を保有している投資家の資産が順調に増える時期です。投資の成果が見えやすく、成功体験が積み重なるタイミングである一方で自己能力を過大評価しがちで過信しやすい環境でもあります。そのため戦略としてまずは冷静さを保つこと、上り坂が「いつまでも続かない」ことを意識することで下落の局面が来た時に迅速に対処することが可能となります。

利益が増えてくると、もっとたくさんの利益を得たいと言う気持ちになり、ポジションを増やす行動を取る投資家も増えてきます。たくさんの人が「このまま上昇していくのでは?」という気持ちになった時ほど、その上昇トレンドの1番上の高値となることも多いです。

そんな時には無計画なポジション拡大を避けることが必要です。利益確定の目標を設定しておき、過度に欲を出さずに、上昇相場でも利益を部分的に確定させ、ポートフォリオの安定性を保つことが必要でしょう。

それでもポジションを増やしたい場合は、その日のうち利益を確定できるような短期間の取引にするべきです。日本市場が空いていないロンドンタイムやアメリカの市場が空いている時間に大きなニュースが出たり、株価変動があったりしても大丈夫なポジションにしておいた方が良いでしょう。

そして、次の局面に備えることも意識しておきましょう。上昇局面で得た資金の一部を現金化し、次の下落に備える資金として蓄えておくと、株式を保有している人間にとってリスクと言える「下り坂」が、買いのチャンスになります。

下り坂:市場が下落する局面

株式市場が下落し、資産が減少する時期です。株式を保有している投資家にとって心理的につらい局面ですが、改善の余地があると言えますし、備えておけばピンチがチャンスにもなります。

戦略としてはまずリスク管理の徹底が必要です。投資額を縮小し、1銘柄あたりの投入資金を減らしておくこと、分散投資を徹底してリスクを分散する。これを日ごろから心がけておくと、下り坂のタイミングも、資産の損失が限定的で済みますし、下落を我慢することもできるでしょう。

一時的な休止を検討してみるのも良いと思います。下落局面が続く場合(損失が続く場合)トレードを一時休止し、市場の回復を待つのも1つの策です。急落によって、通常の精神状態ではない時に、焦って売買をすると失敗をしてしまう可能性が高まります。この間にトレード手法や売買ルールを見直すのもよいでしょう。

そして下落時は長期投資家にとって買いのチャンスでもあります。無理のない範囲で資金を準備し、優良銘柄の買い増しを検討してみるのも良いでしょう。

「上り坂」と「下り坂」を利益に変える場合は、トレンドが転換する際になるべく早く優位性のある方に買いや売りのポジションを取ると利益が伸びるわけですが、保有する株式の利益が増えてきた際に、トレンドが転換しそうな場合は早めに利益を確定してしまうのも資産を防衛する上でとても大切です。

経験が増えてきたら、上昇トレンドが下落トレンドに転換する際に信用取引で売ったり、日本株の場合は日経平均のインバース(日経平均が下落した場合に利益が出る商品)型のETFなども活用して、下落の動き自体を利益に取っていけると資産がより早く増えていくことにつながります。

まさか:予期せぬ事態の局面

株式市場の大暴落や、予期せぬ銘柄の下方修正など、想定外の事態が発生する「まさか!」の局面です。2024年には「令和のブラックマンデー」と言われる大暴落がありましたが。数年に1度あった暴落が、最近は2、3年に1度と、暴落の頻度が高まっているように感じます。予期せぬ事態では、精神的・資金的な大ダメージを受ける可能性がありますので、戦略としては「まさか」を前提に計画を立てることが必要です。最悪のケースを想定したシナリオを事前に作成しておき、ポートフォリオ全体のリスクを見直し、損失許容範囲を設定しておきましょう。その為にはご自身の資金量や経験値などによりリスク(損失)の許容度がどのくらいなのかを把握する必要があります。前回のリスク許容度の記事も参考にしていただけますと幸いです。

一般的に予期せぬ事態に備える対策として重要とされるのが、分散投資です。例えば一部を現金や債券、金など低リスク資産で保有しておいたり、地域分散(日本だけでなく、アメリカや新興国などの資産を入れる)、銘柄分散(1つの銘柄に資金を入れすぎたり、セクターが偏らないように注意する)、時間分散(買うタイミングをずらすなど)を意識してポートフォリオを組んでおくと良いでしょう。

加えて資金管理を徹底しておくことが肝要です。特に上昇が続いてくるなど市場全体が強気に傾いているときは、レバレッジを控え、自分の許容できる範囲内で投資を行うことを心がけましょう。必要資金を確保し、生活に支障をきたさないようにすることは最低条件です。また予期せぬ事態が起きてしまった時は、感情に流されないことを留意しておきましょう。大暴落時に慌てて損切りをせず、冷静な判断を心掛けることや市場回復の可能性を考慮して、保有銘柄の売却タイミングを見極めることが大切です。

今回のポイントをまとめると…

•上り坂では「冷静さ」を保ち、「利益確定」と「次の準備」を忘れない。
•下り坂では「リスク管理」と「一時休止」、そして「買い増しの準備」を行う。
•まさかに備えて「リスク分散」と「資金管理」を徹底し、最悪の事態を想定した計画を持つ。

これらの戦略を意識することで、どの局面でも柔軟に対応できる体勢を整えられます。投資は不確実性が伴うものですが、事前準備と計画でリスクを抑えることが可能です。この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]

(三井 智映子)

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