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住宅ローン、銀行口座、資産運用の見直し…金利が上がった時に私たちがするべき5つのこと

MONEYPLUS / 2025年1月24日 11時30分

住宅ローン、銀行口座、資産運用の見直し…金利が上がった時に私たちがするべき5つのこと

住宅ローン、銀行口座、資産運用の見直し…金利が上がった時に私たちがするべき5つのこと

日銀は2024年12月の利上げを見送りましたが、2025年は政策金利0.75%を視野に入れているといわれています。しかし、金利が上がった時に、自分の生活にどう影響を受けるかわからない人も多いと思います。今回は金利が上がった時にやっておくべきことをいくつかお伝えします。


金利が上がった時にやっておいた方がいいこと

金利が上がると、ローンの返済額が増えたり、借入れコストが高くなったりしますが、一方で預金や投資の利回りが改善することもあります。金利上昇時にやっておくべきことをいくつか解説します。

①住宅ローンの見直し
住宅ローンには契約時に金利が固定されるタイプと金利局面に応じて変動するタイプの2種類があります。固定金利タイプは金利が上がっても影響はありませんが、変動金利タイプは金利が上がると変動金利も上がります。変動金利の住宅ローンを利用している場合は、金利が上がる前に固定金利に切り替えることを検討することをお勧めします。

また他の銀行の低金利プランに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性がありますので、ご自身の現在の金利を調べた上で、より低い金利で借り換えができるかをチェックするといいでしょう。

②負債を減らす
クレジットカードやカードローンなどの高金利の借金も、早めに返済しておくことをお勧めします。金利上昇によって返済負担が増える可能性があるからです。余裕資金があれば、繰り上げ返済を行うことも効果的です。

③貯蓄先口座の見直し
金利が上昇することで、普通・定期預金や個人向け国債の金利も上昇します。事実、三大メガバンクの普通預金の金利が0.02%と低金利時代に比べて20倍上がっています。ネットバンクであれば0.2%以上の金利がつく(銀行によって金利をつけるための条件があるので、契約時には確認をしてください)銀行も出てきています。また個人向け国債(変動10年)の金利も約0.7%(2024年12月現在)と上昇しているので、安定的に増やす運用の一つとして検討するといいでしょう。

④資産運用の見直し
金利上昇時は既存の債券価格が下落します。短期債券や変動金利型の債券に切り替えることでリスクを軽減することができます。分散投資を行い、株式や金など他の資産にも資金を分けておくと、リスクヘッジにもなります。

⑤生活費の見直しと家計管理
金利が上がると物価やサービス価格にも影響が出る可能性があります。無駄な支出を削減するために家計を見直しましょう。ライフプランを作成された方は、前提の金利が大きくずれる可能性があるので、ライフプランの修正をすることも大切です。また、住宅ローンの見直しや借り換えのタイミングを逃さないように、定期的に金利動向をチェックする習慣をつけることが大切です。

金利の変化による恩恵を最大限受けるために

ここまで金利が上がった時にやるべきことについて解説しましたが、自分で金利の動きを予想できると、先手を打って対策ができます。金利を予想することはプロでも難しいですが、今までの日本の金利の流れについて知ることで、次にどう動くのかのヒントになるかもしれません。そこで今までどのように金利が変化していったのかについてお伝えしたいと思います。

日本の金利について

日本はバブル崩壊以降、景気回復の兆しが見えず、デフレ圧力が強まりました。そのため1999年に日銀は初めてゼロ金利政策を導入し、実質的に金利を0%にしました。2000年にはゼロ金利は解除されましたが、景気が悪化し、2001年には再びゼロ金利に戻りました。それ以降も日銀は量的緩和政策を続けていましたが、決定的な出来事が起こります。

リーマンショックです。2008年のリーマンショックにより世界経済が大混乱に陥り、日銀は再びゼロ金利政策を導入しました。そして安倍政権の経済政策「アベノミクス」が始動し、日銀の黒田東彦総裁が「異次元の金融緩和」を掲げました。これにより日本は2016年にマイナス金利政策を導入し、金融機関が日銀に預ける一部の預金に対してマイナス金利(-0.1%)を適用しました。このように日本は長い間ゼロ金利、マイナス金利と金利を下げることを続けていました。

ところが、2024年の3月に約17年ぶりの利上げを実施し、7月には政策金利を0.25%上げました。これまで日銀は、2%の物価上昇を目指してきました。毎年2%の物価上昇が続けば、景気も良くなり、給料も上がり、経済状況が安定することが見込めると考えていたからです。2022年4月以降、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、2%を継続的に超えており、物価上昇に加え、賃金引上げの動きも出てきています。そのことを受けて、日銀は、マイナス金利を解除しました。

2024年3月のマイナス金利解除によって、日本の政策金利はマイナス0.1%から0.1%に引上げられ、7月末には、政策金利を0.1%から0.25%に引上げることを発表しました。そして2025年も金利を引き上げるであろうといわれています。

金利を上げるもう一つの要因に、過度な円安への対処があげられます。国や欧州の利上げが進む中、日本だけが低金利を維持すると、日米金利差が拡大し、円安が進みやすくなります。急激な円安は輸入物価を押し上げ、家計への負担を増大させる可能性があります。日銀は金利を引き上げることで円安の進行を抑制し、為替市場の安定を図ろうとしているのです。

メリット・デメリットを理解して行動することが大切

ニュースで金利上昇といわれても、具体的に自分の生活にどのように影響が出るかがわからないとピンとこないと思います。しかし、金利の上下は皆様の生活に密接に関わっています。

金利が上がるとメリットもあればデメリットもあります。デメリットは早めに対応しつつ、金利の恩恵を最大限に受けるために、ご自身の資産運用・生活費・ライフプランを見直してみてはいかがでしょうか。

(松本 耕太郎)

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