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開業届を出すと扶養から外れる? 個人事業主として働く場合に気をつけたいこと

MONEYPLUS / 2025年2月5日 11時30分

開業届を出すと扶養から外れる? 個人事業主として働く場合に気をつけたいこと

開業届を出すと扶養から外れる? 個人事業主として働く場合に気をつけたいこと

働き方が多様化する中、子どもとの時間を大切にしながら、やりがいのある仕事に挑戦したいと考える方が増えてきています。その中で、パートから在宅で働くことを検討する方も多いのではないでしょうか。

個人事業主として在宅ワークを始めるのであれば、「開業届」を提出する必要があります。しかし、扶養内で働いていた状態から、在宅ワークを始めていこうと考えている場合は注意が必要です。

この記事では、個人事業主の場合の扶養条件が開業届の提出とどのように関係しているのか、また後悔しない開業方法について解説します。


扶養内で開業届を提出すると損する可能性がある

2人の未就学児を育てているAさんは、子どもとの時間をもっと取りながら仕事をしていきたいと考え、扶養内パートを辞めて在宅ワークを始めました。業務委託が中心の個人事業主になるため、開業届の提出が必要だと知り、提出しましたが、夫の社会保険の扶養から外れてしまったのです。

在宅ワークを始めたばかりで売上があまり無い状態にも関わらず、年間約27万円の社会保険料(国民健康保険料と国民年金保険料)を自分で納めることになり、家計への負担が増加しました。パートの時と同様、売上130万円までは扶養内で社会保険料の負担は無いと思っていたため、「こんなはずじゃなかったのに…」と在宅ワークを始めたことを後悔しているAさん。

実は、在宅ワークを始めたことで扶養を外れたのではなく、「開業届を提出」したことで扶養から外れてしまったのです。

なぜ開業届を提出したことで扶養から外れてしまったのか

一般的に、配偶者の社会保険の扶養に入る目安は「年収130万円以下」となっています。ですが、Aさんのような個人事業主が配偶者の扶養に入る場合、年収130万円以下の基準を「売上」で見るのか「所得」で見るのかという基準が各健康保険組合によって異なります。また、個人事業主の場合は収入要件だけでなく、開業届提出の有無も扶養に入れるかどうかの基準に加わってくるのです。

Aさんの場合、夫が加入する健康保険組合では、年収の基準の前に「開業届提出の有無」の基準があり「開業届を提出していると社会保険の扶養に入ることができない」という条件になっていました。そのため、売上が少ない状態でも開業届が提出されている時点で扶養から外れることになったのです。

開業届は、提出することで事業を興したと正式に認められる書類です。「事業を興しているのであれば、自立できているので扶養に入る必要はありませんよね」と判断する健康保険組合もあるため、売上に関係なく扶養に入れない場合があります。

扶養を維持するために開業届は出さなくてもよいのか

扶養から外れてしまうのであれば、開業届は提出しない方が良いのではないかと考えるかもしれません。ですが、個人事業主として仕事をするのであれば、開業届の提出はしなければならない義務です。ただし、提出しないことによる罰則などはなく、開業届の提出がなくても確定申告を行うことができます。

罰則がないのであれば、扶養を外れる方が社会保険料の負担が増えて手取りが減って損してしまうので、開業届を提出するメリットがないと感じてしまうかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、開業届を提出すると青色申告が可能になります。青色申告には大きな節税効果があり、次のようなメリットがあります。

【青色申告のメリット】
①所得から最大65万円を差し引くことができる
②赤字を3年間繰り越すことができる
③家族の給与を必要経費に入れることができる
④少額減価償却資産の特例を受けることができる

所得金額によっては、①を活用すると所得税を抑えることができるので、開業届を出さずに白色申告する方が損する可能性があります。また、事業を始めたばかりで赤字の状況でも、②を活用すれば将来の節税に繋げることができます。たとえ社会保険の扶養から外れたとしても、将来的に事業を拡大していく予定であれば、開業届を提出して青色申告した方がメリットは大きい場合もあるのです。

扶養内で在宅ワークを始めるのであれば事前計画が大事

扶養内で在宅ワークを始めていきたいと考えているのであれば、開業届を提出する前に、配偶者の健康保険組合へ社会保険の扶養基準がどのようになっているのか確認することが大事です。開業届を提出した時点で扶養の対象外となる場合、開業届を提出することで社会保険料の支払いを自分で行う必要が出てくるため、家計の手取りに影響がでてきます。

開業届を提出した時点で扶養から外れるのであれば、どのような家計状況になるのかライフプランを作成してみるとよいでしょう。

  • 社会保険料をいくら負担することになるのか
  • どのくらいの売上が必要になるのか
  • 社会保険料の負担を補う家計の余裕があるのか

など、家計全体のバランスを見ながらライフプランを作成すると、在宅ワークで必要な売上目標を決めることができます。何も知らずに開業届を提出して、いきなり扶養から外れてしまうと社会保険料の負担が大きくなりますが、事前に把握して計画を立てられていると焦らなくてよくなります。

扶養を維持した状態で在宅ワークを始めていきたいと考えているのであれば、「開業するんじゃなかった…」と後悔してしまう前に、社会保険の扶養条件を確認してから開業準備を進めていきましょう。

(栗山美希)

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