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学生バイトの年収の壁が123万円や150万円に? 扶養控除をおさらい

MONEYPLUS / 2025年2月7日 11時30分

学生バイトの年収の壁が123万円や150万円に? 扶養控除をおさらい

学生バイトの年収の壁が123万円や150万円に? 扶養控除をおさらい

2024年は「103万円の壁」が大きな話題になりました。今回は、政府与党の2025年度税制改正案の内容をもとに、高校生や大学生、大学院生などの子どもの働き方について、親子で把握しておきたい内容をまとめました。


所得税の課税の壁が123万円に引きあがる!

2025年の改正案が確定すれば、学生バイトは所得税や住民税が課税される年収の壁が引きあがります。所得税や住民税は、年収から基礎控除と給与所得控除などの控除を引いて、残った金額に課税される仕組みとなっています。所得税の場合、これまでは基礎控除48万円と給与所得控除55万円を合計した「年収103万円」を超えると課税されることが多かったのですが、改正により基礎控除と給与所得控除が10万円ずつ引きあがるため、「年収123万円」が所得税の新たな課税の壁になります。また、住民税は、基礎控除(43万円)に変わりはありませんが、給与所得控除が55万円から65万円と、10万円引き上がります。住民税がかかり始める年収の基準額は自治体により異なりますが、改正後はおおむね年収110万円まで非課税となります。

さらに学生バイトの場合、一定の要件を満たせば「勤労学生控除」(所得税は27万円、住民税は26万円の控除)が適用できます。適用する場合は、所得税の壁は年収150万円まで、住民税は年収136万円前後まで引きあがります。まとめると次の表の通りです。

ただし、所得税と住民税の課税の壁は、もし超えてしまっても、超えた分の収入額に対してのみ税金が課されるだけですので、働き損にはなりません。改正後も、住民税が発生する年収まで稼ぐ子もいるでしょうが、そこを気にして就労調整をする必要はないと思います。住民税が発生するようなら、支払い忘れがないように気をつけることだけ覚えておきましょう。

要注意の扶養控除の壁とは?

学生バイトが最も注意すべき年収の壁は、「扶養控除」によるものです。扶養控除とは、対象の扶養親族がいるときに税金の負担が減らせる制度です。これまでは、子どもが年収103万円を少しでも超えて働くと、子どもを扶養している親は扶養控除を一切受けられなくなるため、世帯全体で見た時に「働き損」を発生させてしまうことが課題となっていました。

例えば、特定扶養親族である大学生の子どもがたくさん働いたことで親が63万円の扶養控除を受けられなくなった場合、親の所得税率が20%であれば、約12.6万円(63万円×20%)も支払う所得税が増えることとなります。加えて、住民税(一律10%)の負担も約4.5万円(45万円×10%)増えます。年収が高くなると所得税率も高くなるので、親の年収が高い家庭では特に影響が大きくなります。

2025年以降は123万円または150万円~188万円に!

2025年からは、基礎控除と給与所得控除がそれぞれ10万円ずつ引きあがったことで、扶養控除が適用されるボーダーラインが年収123万円まで引きあがります。さらに、「特定親族特別控除(仮称)」が新設されることで、大学生年代の子どもは年収150万円までは親が63万円の控除が受けられます。年収150万円を超えた場合も、年収188万円までは段階的に控除額が減る形となるので、親の手取り額への影響は緩和されます。

注意が必要なのは、特定扶養親族になるのは、「控除対象扶養親族のうち、19歳以上23歳未満の人」という点です。23歳以上の大学生や大学院生などは、新設される特定親族特別控除の対象外となります。ボーダーラインは年収123万円となるので、該当する家庭は覚えておきましょう。

社会保険加入の130万円の壁は残っている

今回の改正後も、学生バイトが気にしなくてはいけない壁が残っています。社会保険に関する「130万円の壁」です。学生バイトは、正社員の4分の3以上働いている等の条件を満たさない限り、社会保険へ加入義務はありません。しかし、給与年収が年間130万円を超えるくらい働くと、親の勤務先の健康保険の扶養から外れてしまうため注意が必要です。(扶養家族の詳細条件は健康保険組合によっても異なるので確認しておくことをおすすめします。)扶養を外れると、国民健康保険やアルバイト先の健康保険に加入して健康保険料を支払う必要が出てきます。

つまり、年収130万円を少し超えるくらいの年収ですと、収入は増えたのに健康保険料の支払いが発生するので手取り額が減る「働き損」が起こります。そのため、130万円の壁には引き続き注意しておきましょう。なお、親が自営業者などで国民健康保険に加入している場合は、子どもの年収に関わらず健康保険料の支払いがもともと発生しているため、あまり気にする必要はありません。

親の勤務先の家族手当の有無も要チェック!

ほかにも、勤務先によっては、子どもを扶養していることで、「家族手当」や「扶養手当」などの支給があることがあります。この場合、子どもの年収要件が定められているのが一般的ですのでご注意ください。

このような手当の年収要件は、103万円や130万円などが多いです。子どもの年収が要件から外れると、月1万円や月2万円もらえていた手当が一気に0円になってしまうことがあります。家計の痛手を避けるためにも、現在手当をもらっている親は、子どもがアルバイトを始める際には、必ず会社に手当の支給要件を確認しておきましょう。

今回の改正により、働き方を調整する必要が減ることが期待できますね。学生の本分は勉強なので、あまり働き過ぎても問題が出てくるかもしれません。とはいえ、生活費や学費、留学費用やサークル活動費など、勉強やさまざまな経験を積むためにもお金が必要になる学生も少なくないことでしょう。改正内容をしっかり親子で確認した上で、働き方を考えていってください。

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(張替愛)

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