元プライベートバンカーが教える、不動産を相続したときの「すぐ売れない&分割で価値低下」への対処法

MONEYzine / 2019年8月14日 12時0分

 まだ先と思っていても、いつか向き合うことになる「相続」。元プライベートバンカーの世古口俊介さんが、不動産を相続するときにありがちな「困った状況」を解説。それを回避するための対策も紹介します。

■元プライベートバンカーが教える、相続のキホン

 はじめまして。株式会社ウェルスパートナー代表取締役の世古口です。「相続」をテーマに連載を始めることになりました。最初に、少しだけ自己紹介をしたいと思います。

 私は、大学卒業後に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に入社し、プライベート・バンキング本部で富裕層向けの証券営業に従事し、その後も、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て、クレディ・スイス銀行(現クレディ・スイス証券)でプライベートバンカーとして仕事をしてきました。

 2016年にウェルスパートナーを設立し、現在も富裕層や事業オーナー向けに資産配分と資産運用設計の最適化コンサルティングを提案しています。この連載では、私のプライベートバンカーとしての経験、顧客から寄せられた相談を踏まえて、相続について知っておきたい基本的な事柄を説明します。

■「富裕層」ってそもそもどんな人?

 一般的には、プライベートバンキングサービスは「保有資産10億円以上」の方向けに提供されるものですが、そうした富裕層は日本にどのくらい存在するのでしょうか。「相続」を身近な問題としてとらえるために、そのあたりから説明していきたいと思います。

 野村総合研究所は、2018年12月に発表した富裕層に関する調査結果の中で、2017年の日本における富裕層は126.7万世帯、その純金融資産総額は299兆円と推計しています。この「純金融資産総額」の中身は、預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いたもの。その金額をもとに総世帯を以下5つの階層に分類しています。

出典:野村総合研究所
国税庁「国税庁統計年報書」、総務省「全国消費実態調査」、厚生労働省「人口動態調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」、東証「TOPIX」および「NRI生活者1万人アンケート調査(金融編)」、「NRI富裕層アンケート調査」などから野村総合研究所(NRI)が推計。

 上の図にもあるとおり、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」は118.3万世帯、そして純金融資産保有額が5億円以上の「超富裕層」は8.4万世帯となっています。

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