【ざわ‥ざわ‥】謎の穴ぼこが多数!? どうしてこうなった! 心がざわざわするダッシュボード5選
MōTA / 2020年5月15日 17時0分
インパネ、正確にはダッシュボードと呼ばれる運転席・助手席前のゾーン。今見てみるとちょっと、いやだいぶ“変な”のもあったりして・・・。ちょっと心がざわざわする、個性的なダッシュボード(インパネ)を大特集! >>
クルマの長い歴史の中で数限りない試行錯誤を繰り返してきた、ダッシュボード(インパネ)のデザイン
インパネはインストルメントパネルを略したもので、本来の意味はメーターパネル周辺(計器盤)を指しますが、日本ではダッシュボードと同義語で用いられることが多いです。
さて、クルマを操作する上でも重要な部位であるダッシュボード(インパネ)は、長いクルマの歴史の中で視認性・操作性の向上への試行錯誤を繰り返してきました。そこで今回は、幾星霜とあるダッシュボードの中から「どうしてそうなった!?」というダッシュボード5選をお送りします。
その1:「スバル アルシオーネ」の近未来感がハンパない!
リトラクタブル・ヘッドライト、長いテール、鋭角的なデザインを持つウェッジシェイプボディが特徴で、フロントにはスバル伝統のフラットエンジンを搭載していました。FFのほかAWDを用意していたのもスバル流です。
見ているだけでワクワクしちゃう、夢の“コックピット”感
まず目を引くのはステアリングのL字型スポーク。左側にはスポークがないため、指をかける突起を設けています。ステアリングコラムから左右に生えた長いアームの先には、スイッチを集中配置。右は主に灯火類、左はワイパーという概念は通常のクルマと同じですが、一般的にセンターコンソール付近に置く空調の操作も、左側スイッチ群に設けていました。このように、サテライトスイッチに空調スイッチを置くのは珍しくなく、同年代の「マツダ コスモ/ルーチェ」「いすゞ ピアッツァ」などでも見られました。
ガングリップタイプのATシフトノブ、物理的配置のスイッチを極力減らそうと言う現代には夢のような「大量のスイッチ」なども「コクピット」感を掻き立てます。見ているだけでワクワクしちゃう!?
その2:レクチャーなしでは運転不可能? サテライトスイッチの極み「シトロエン GSA」
シトロエンのダッシュボードは奇抜なものが多く、この特集も同社だけで埋められるのですが、悩んだ結果「GSA」を選ぶことに。
実は理詰め! 操作の理想を追及し過ぎた独創デザイン
PRNサテライトはパッと見では何がなんだかわからず、レクチャーやマニュアルがないとかなり難儀します。でも、操作ロジックは非常によくできており、操作の理想を追求して生まれた結果こうなった、というのが実に理詰めなシトロエンらしいところです。
その3:奇抜だけれど使い勝手はなかなか良好の「フィアット ムルティプラ」
ムルティプラはイタリアを代表する巨大メーカー・フィアットが出した売れ線狙いのミニバンだっただけに、当時は大いに驚きました。
▲実際のインパネはTOP画像をご覧あれ▲
このダッシュボード、今改めて見てもギョッとするデザインです。
タコ・スピード・燃料・水温をコンパクトにまとめたメーターの下には空調ダイヤル、その横には吹き出し口を、下の方には左からシフトノブ、オーディオと灰皿、ドリンクホルダーを設置。本来メーターがあった場所と助手席前には大きめの収納スペースまであります。
変わったデザインだけれど、操作方法はごく一般的。全体的な使い勝手もなかなか良好です。せっかくのドリンクホルダーがちょっと遠いとか、メーターがもう少し大きいといいなとか、窓が大きすぎて全部降りきらないとか、気になるところも多かったですが(笑)、それもご愛嬌に感じさせちゃう魅力があるクルマでした。
その4:中には「意味のない穴」も!? 穴だらけダッシュボードの「ランチア ベータ ベルリーナ」
ランチア ベータといえばミッドシップのスポーツカー「モンテカルロ」が思い浮かびますが、ベータ本来の姿は、1972年デビューのセダン(イタリア語でベルリーナ)でした。セダンなのにファストバック(のちに3boxスタイルのベータ・トレヴィも追加)という以外、奇異なところがない落ち着きある上質なサルーンでした。
エンスーの間で伝説となった奇抜過ぎるインパネはモデル途中から採用
シンプルな垂直面に穴を無数に穿ち、そこにメーターのみならずインジケーター・各種スイッチをすべて入れるという、これまたすごいデザインになったのです。そのため、ダッシュボードは穴だらけでした。蓮の穴の写真が苦手な人には、背中がちょっとムズムズするかも……。
ちなみに予備スイッチの位置を確保する意味合いもあって、穴の中には「意味のない穴」までありました。イタリアン・モダン極まれり!
その5:タッチパネルにブラウン管! 時代の先端を行こうとした「アストンマーティン ラゴンダ」
そのデジタルメーターをいち早く用いたのが、1976年発表、1978年に発売を開始した「アストンマーティン ラゴンダ」(2代目)です。
超高級サルーンとして誕生したラゴンダは、リトラクタブル・ヘッドライトを埋め込んだ極端に低いボンネットのみならず、高級4ドア車らしからぬ1300mmしかない全高、カクカクのスタイルという、それまでのアストンマーティンとはまったく違う未来的なクルマでした。
40年も早かった! 斬新過ぎるダッシュボードに未来を感じる
つまり以前のTVモニターと同じ、アレです。ドライバー正面の3つの画面に、各種情報が映し出されるのですが、ウインカーやシフトインジケーターまですべて画面内表示なので、モニターが壊れたらいろいろと厄介なことに……。しかも新車の段階から「不安定」だったと言われていました。そのためか、1987年には早くも蛍光管式のLEDに置き換わっています。
なおタッチパネル式のスイッチも、メーターがブラウン管になった時に一般的なスイッチへと変更。時代の先端を行くアイデアでしたが、当時の技術が追いついていなかったのでした。残念!
[筆者:遠藤 イヅル]
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