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自動運転社会でも自動車保険は必要? 自動車保険の将来とは【未来モビリティ総研】

MōTA / 2020年5月25日 11時30分

名古屋走りが原因? 愛知県が2017年の死亡事故ワースト1位 ※画像はイメージです(衝突実験に使ったスバル インプレッサ)

万一の事故に備えて自動車保険への加入は必要不可欠だ、というのが今の常識。ところが完全自動運転が当たり前になる将来、自動車保険は本当に必要なのか? クルマに関する将来はよく目にするが、果たして……。今回は、自動運転社会での自動車保険の必要性を考える。

衝突事故でエアバッグが展開した例

クルマは“所有”から“使う”時代へ

10分単位などの短時間から利用ができるカーシェアのニーズが年々高まってきている。昨今のコロナウィルスの影響で利用者が大幅に減ってきているという側面もあるが……

自動車業界が「100年に一度の大きな変革期」にあると、近年良く言われるものだ。人口減少や少子高齢化、そして人々の価値観の変化に伴い、人々の自動車に対するニーズは当然変化している。

自動車はこれまで「所有」することを基本としていたが、「使う」ことをメインとするニーズが着実に高まってきているのだ。

さらに言えば、今後、自動運転が現実のものとなった場合、運転そのものに対する認識も大きく変わってくるのは自明の理。そうした中で自動車保険もまた大きな変革を求められるようになっている。

自賠責保険だけでは危険! 今さら聞けない任意保険の意味とは?▼

自動車の大変革期の今、保険も大きく変わる!

この日、オンラインで開催された「Mobility Transfomation 2020」<主催:(株)スマートドライブ>では、そうした時代に取り組む損保ジャパンの例が紹介された。テーマは「MaaS時代における保険の新たな価値について」

人々の価値観の変化に伴い、自動車産業マーケットが大きな変革期を迎えるなか、自動車保険はこのままでいいのだろうか? 前例に捉われずにチャレンジし、「移動」の進化に合わせて「保険」を進化させ、あらゆる人々に新たな体験価値を提供していくべき。そう話すのは、損害保険ジャパン(株)リテール商品業務部 Next Retail Project 課長代理の安藤聡昭氏だ。

損保ジャパンは業界初のサービスを積極的に開発

そこで安藤氏が語ったのは、「自動車保険は今、“少子高齢化の進展”“デジタル技術の急激な進化”“自然災害の増加”の3つに取り囲まれた状況下にあり、求められるスタイルは大きく変化。発生した被害に応じるだけの従来型の保険会社ではダメで、ユーザーの安心・安全を先取りしてスピーディに対応していくことこそ、これからの保険会社が生き残れる術と考えている」ということだ。そのために損保ジャパンは業界に先駆けた数々のサービスを提供してきたという。

エコ運転で保険料が割引! ドラレコ連動の自動車保険って?

専用ドライブレコーダーは運転中の映像記録はもちろん、走行距離・時間やヒヤリハットが起きた場所など、さまざまな運転データを常に記録。車間距離が一定以下になると、衝突の危険を感知して注意喚起する車間アラート機能も

その一つが2015年3月に同社が業界に先駆けてスタートさせたのが専用ドライブレコーダーで安全運転を支援するテレマティクスサービス「スマイリングロード」だ。

運転のクセなどを見える化した運転診断レポーツを毎月更新。自分の運転を客観的に把握し、安全運転に繋げるという試みも好評

法人向けではあるが、導入した結果として事故件数が約20%減少。さらにスマホと連動させて得られた運転診断結果によっては最大20%の保険料が得られるサービスも始めた。

同社は売上全体の60%が自動車保険事業が占めるが、国内有数の介護ヘルスケア事業を展開するという側面も持つ。いち早くこうしたプランが導入できたのも、ここで培った安心・安全に対する意識が社内全体に行き届いていたからと安藤氏は見る。

安全運転で保険割引が当たり前の時代? トヨタの保険サービスとは▼

LINEを活用したサービスは気軽さが人気の秘訣

その場で気軽に加入できるLINEほけんや、事故の際のやりとりをLINEで手軽に行えるサービスも

また、同社は「LINE」を使った保険金請求や、いつでも簡単に必要な分だけ入れる「LINEほけん」もスタートさせている。

これはシェアリングの普及や潜在的なマイカー需要への意識に対応したもので、同時にデジタル技術の急激な進化によって生み出されたものでもある。損保ジャパンが行ったユーザーヒアリングでは、合理的な移動手段を選択するつもりで手放したものの、大半のユーザーは「マイカーを持てるなら持ちたい」という意識を根強く抱えているとの結果が出た。この保険はまさにそうしたユーザーに対してきめ細かく対応した結果、生み出されたとも言える。

スマホで簡単加入の保険が大流行! クルマだけでなく、自転車保険も▼

JALと住友商事が出資した CES2020

自動車の革命は保険にも影響大! サービスの根本が大変革する

世界各国のメーカーがこぞって開発を進めている超小型モビリティは、1〜2人乗りの自動車。短距離移動の利用に期待されている, クルマだけでなく、アメリカや韓国、日本メーカーまでもが空飛ぶタクシーの開発に本腰

世界各国のメーカーがこぞって開発を進めている超小型モビリティは、1〜2人乗りの自動車。短距離移動の利用に期待されている, クルマだけでなく、アメリカや韓国、日本メーカーまでもが空飛ぶタクシーの開発に本腰

そして、保険会社にとって避けて通れないのが、技術革新『CASE』であり、移動革命「MaaS」だ。

この2つの大変革がモビリティに影響を与えるのは間違いなく、保険会社がこれにスピーディに応じることは欠かせない。たとえば、クルマが「所有」することから「使用」することに需要が移りつつあることは紛れもない事実であって、その中には個人間シェアリングも当然含まれる。

それに加え、完全自動運転が実現した際には、保険会社としてもさらに柔軟な対応が求められてくるだろう。

最近よく聞くCASEって一体なに? その意味を簡単に解説▼

空飛ぶタクシーが現実味を帯びてきた! その実態とは?▼

当面は自動運転社会でも保険は必須!

完全自動運転が叶えば、人為的な水が原因の事故が大幅に減ると期待されているが、果たして……

よくCASE絡みで自動車保険の話をすると、「自動運転車が普及すれば、事故はなくなるから保険すら不要になる」と言われるが、確かに全部の車両が自動運転化されれば事故は大幅に減るだろう。保険の必要性は減るかも知れない。

現時点では高速道路のみ手放し運転が可能だが、歩行者や自転車などもいる一般道ではまだ。完全自動運転社会の実現はかなり先の話になりそうだ

しかし、現状を見る限りそれは遠い未来の話とも言える。自動車専用道路での完全自動運転車の実現は早い段階で登場するかも知れないが、それにしても少なくとも5年以上はかかるだろう。一般道についてはさらに先のことになり、個人的には今もなお時期を見通せる状況にはないと思っている。

手放し運転が話題のスカイラインハイブリッド。その実力はいかに?▼

自動運転カーの修理代は超高額! 将来的にも保険は必要

自動運転カーが登場しても、街中のクルマが全て自動運転になるワケでは当然ない。しばらくは既存のクルマと自動運転カーが共存することになるのだ。となると、事故が0になる日はまだまだ先の話

とはいえ、その準備をしておくことは大切だ。完全自動運転車と部分的な自動運転車、さらには一般車が共存する世界もしばらく続くこともあるわけで、となれば完全自動運転車に乗っていたとしても何らかのトラブルに巻き込まれる可能性は十分ある。

現在のクルマでも衝突被害軽減ブレーキやACCなどに対応すべく、かなりの数のセンサーが装備されている。今後登場する自動運転カーはより一層センサーが増えるため、修理代もかさむというワケだ

別の見方をすれば、、完全自動運転車はある意味ロボットのような先進技術満載の車両となるわけで、それが事故に遭えば修理代もかさみ、そのリスクを鑑みれば保険料の引き上げも必要になってくるかもしれない。

いずれにしても、完全自動運転車に乗っていても、万一に備えて何らかの保険でカバーする必要はなくならないのだ。その意味でも損保ジャパンのように柔軟な考えの下で自動車保険を開発すべき時代に入ったと言ってもいいだろう。

自動運転が実現すれば社会はどうなる? 気になる未来はコチラ▼

【筆者:会田 肇/写真:MOTA編集部・スマートドライブ】

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