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【国産派vs外車派】トヨタ カムリとフォルクスワーゲンパサートセダンをくらべてみた|外車のススメ Vol.18

MōTA / 2020年6月2日 17時47分

ガイシャのススメ

あえて選ぶ外車のススメ。この企画では「国産車、じゃなくて輸入車」をテーマに、様々なカテゴリーの車種を比較検討します。第18回のテーマは、大人の深みを感じさせる、落ち着きのあるセダン対決。国産ミドルクラスセダンとして貴重な存在となった「カムリ」と、フォルクスワーゲンの旗艦を務める「パサートセダン」をご紹介します。

ガイシャのススメ

今や貴重な存在? 若々しい印象も併せ持つ国産ミドルクラスセダン「トヨタ カムリ」

トヨタ カムリ

かつてはクルマ販売の中心だったセダンは、「当たり前」の存在でした。販売店ごとにモデルの名前や仕様を変えて用意していた時代には、数え切れないほどの車種がありました。

現在では、ミニバンとSUVに押され、各メーカーとも年々ラインナップからセダンを削っており、悲しいことに存在感がますます薄くなっています。

セダンの再復活! 新型カムリ登場

そんな最中の2017年。トヨタは、「セダンの復権」を託して、新型カムリを発表しました。

10代目となる新しいカムリは、全面刷新によってロー・ワイドなフォルム、大胆なデザイン処理、そして優れた足回りなどを獲得。北米カムリのスポーティバージョン「SE」「XSE」と同じ外観を持つ、WSの追加も話題になりました。

フレッシュなイメージも功を奏し、発売以来好調な販売台数を記録。ターゲットの年齢層よりも若い世代が買っているという、嬉しい誤算も起きました。

マークII

なお、現在のトヨタのセダンは、カローラ(およびカローラアクシオ)、アリオン/プレミオ、カムリ、クラウン、センチュリーで構成されています。もはやマークII、マークXなどのトヨタを代表するセダンが消滅した今、カムリはミドルクラス級セダンとして貴重な存在になりました。

シャープなデザインが特徴のフラッグシップ「フォルクスワーゲン パサート」

フォルクスワーゲン パサート(写真はワゴンモデルのパサートヴァリアント)

フォルクスワーゲン パサートは、1973年に初代がデビュー。それまで空冷エンジンをリアに積んでいたVWから一転、水冷エンジン+FF車時代の幕開けを飾った車種のひとつでした。

現在のモデルは2015年に登場の8代目。一時期「フェートン(日本未導入)」に旗艦の座を譲ったこともありますが、基本的には一貫して、フォルクスワーゲンのフラッグシップを努めてきました。

トヨタ カムリ, フォルクスワーゲン パサート

トヨタ カムリ, フォルクスワーゲン パサート

現行型カムリの全長は4.9mを超えており、かつてのクラウン以上のサイズになりました。それと同じく、パサートもモデルチェンジのたびにボディサイズを大型化。現在全長4.8m近い巨躯に成長しました。

品があり、長期で乗れるプレミアムカー

外装は、飽きのこないVWらしい端正でシャープなもの。デザイン処理に余計な要素がなく、ストイックな雰囲気も漂います。きらびやかなのに派手さを抑えた装飾も、いたずらに華美にならない品の良さがあります。インテリアの質感もさらに向上し、プレミアムカーらしさを獲得しました。

カムリはハイブリッド、パサートはディーゼルで勝負

カムリ, パサート

カムリ, パサート

メイン市場の北米にはV6エンジンも用意するカムリですが、日本では2.5リッターハイブリッド1本のみ。

そしてパサートは2018年に待望のディーゼルエンジンを搭載した「TDI」を追加しており、ハイブリッドに強いトヨタvsディーゼルで定評のあるフォルクスワーゲンという、縮図のようなラインナップになりました。

ユーザーには手を出しやすい金額設定になっているカムリ

カムリはベーシックモデルの「X」「G」「G レザーパッケージ」「WS」「WS レザーパッケージ」の5グレードを展開。

価格は345万円から445万円までで、量販モデル「G」は、372万円で、スポーティグレード「WS」の販売も好調です。

もはや国産車の価格は絶対的な数値で見ると安くありませんが、装備・クルマの出来・車格を考えると、カムリシリーズは全体的に買い求めやすい価格設定になっています。

輸入Dセグメント車ではお手頃なパサート

一方パサートは、2020年6月現在、装備違いで2種のディーゼルモデル「TDIエレガンスライン」「TDIハイライン」を、専用の内外装を持つスポーティグレード「2.0TSI R-Line」の3モデルを設定。

TSI R-Lineのみが、2リッターTSIガソリンエンジンを搭載します。

価格はそれぞれ441万円、512万円、523万円です。

いわゆるDセグメントセダンでは、BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスのボトムラインが500万円前後からのスタートなので、パサートも輸入Dセグメント車として賢い選択のひとつです。

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装備品の差があるため、単純比較はできませんが、本革シートの有無で見ると、カムリの「G レザーパッケージ」が433万円、「WS レザーパッケージ」は445万円で、それに相当するパサート「TDIハイライン」は512万円となり、価格差が70〜80万円ほどあります。

しかし旗艦として必要十分以上の装備を持つ「TDIエレガンスライン」なら、互角の価格帯になります。

フォルクスワーゲン 新型パサートヴァリアント ”TDI ハイライン”[クリーンディーゼル]

トヨタ カムリ、じゃなくて伝統の欧州セダン「パサート」という選択

セダンの良さは、道具というより「伴侶」のような存在になることです。

さらにメリットとして、低重心による安定した走り、乗り心地の良さ、運転のしやすさ、トランクルームを別としたことで生まれる車室の一体感や静粛性など、数多くあります。

そしてセダンは、ワゴンやミニバンほどの積載性はなく、アクティブな行動、という印象も少ないかわりに、落ち着いた佇まいやオトナの雰囲気を与えてくれます。

高級モデルに属するカムリとパサートも、知性を感じさせる佇まいを有しており、セダンが持つメリット・魅力を存分に感じられます。

安全性能や燃費の良さも、双方ともに十分に兼ね備えています。ミニバン・SUV全盛のこの時期にセダンを選ぶという「審美眼」も感じられます。

旅行のお供にオススメな1台

パサートの場合はセダンに加え、ワゴンのヴァリアントというもうひとつの選択肢もあります

そのため、もしこの2台を比べた場合、二車択一はとても難しいチョイス。でもあえて国産車のカムリではなく、パサートをオススメしたいと思います。

もしアナタが、旅好きで長距離ドライブを好むなら、パサートは最高の旅の伴侶になるからです。欧州のセダンは圧倒的なロングツーリング性能を誇ります。欧州車で長距離を走ったことがあるユーザーならわかると思いますが、1日に500km以上走っても、疲れにくいのです。

素晴らしい直進安定性、コーナーでも怖くないハンドリング、体に痛みを与えないシートなどが、それをもたらします。

じわじわと感じるパサートの良さとは

パサートも8世代に渡って、長距離走行が当たり前の欧州で足を磨き込んで来ていますので、遠くに行くための「疲れない性能」は、もはやお家芸です。

もちろん国産車でも疲れにくいクルマはたくさんありますが、本場欧州のクルマには、その分野で一日の長があります。そんなパサートという相棒に乗って、今まで以上の長距離ドライブに出かけてみてはいかがでしょうか。

高速道路で18km/Lほど走るパサートTDIなら、満タン無給油で900km以上先の「まだ見ぬ先の日本」へ連れて行ってくれるはずです。

パサートは派手な外観も、飛びぬけるような性能もありません。でも、落ち着きのあるデザイン、オールマイティに優れた走りなど、総合的なポイントが高いのです。

所有しているうちに、じわじわと「あ、このクルマ、いいな」って感じていくタイプのクルマで、ずっと味が消えないので、飽きずに乗れると思います。

[筆者:遠藤 イヅル]

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