“ハリアーらしさ”とは何!? 開発チームが語る新型ハリアーの哲学を探る
MōTA / 2020年6月8日 14時50分
トヨタの新型ハリアーの正式発売日6月17日まであと10日を切りました。トヨタでも事前情報を流す公式サイトが更新されて、開発陣がハリアーに込めた想いを語るページが追加。タイトルは「Philosophy of HARRIER」。新型に込められた“ハリアーの哲学”について紹介します。 >>
新型の開発は“ハリアー”という孤高の存在を突き詰めること
2020年6月に更新されたトヨタの新型ハリアー 公式ティザー(事前告知)サイトでは、新たに開発チームの想いを記したページが追加されていました。冒頭では『開発チームが目指したのは、SUVというカテゴリーすら超えた、抗いがたい魅力を湛えた存在。』とあります。トヨタのハリアーは1997年12月にデビューし、都市型プレミアムSUVのマーケットを開拓した立役者です。その立ち位置は代々受け継がれ、4代目もぶれない「ハリアーらしさ」が感じられます。
開発チームによれば『それは孤高の存在であり続けるために「ハリアー」を突き詰めるという挑戦でもある。』(トヨタ自動車・新型ハリアー特設ティザーサイトより)とあり、“らしさ”の継承が欠かせなかったようです。
ハリアーはRAV4の薄味版ではない
先日MOTAで公開した新型ハリアープロトタイプの試乗レポートの中で筆者の今井 優杏さんは、現行型RAV4開発責任者であり、現在はRAV4、そしてハリアーが属するトヨタ自動車のミッドサイズ・ビークルカンパニー MSZデザイン領域 統括部長に就任されている佐伯 禎一さんにハリアーの狙いを聞いています。RAV4は見た目こそ全く違うものの、実は新型ハリアーとエンジンやプラットフォームを共有した兄弟車。デザインの見た目は変えることが出来ても、“乗り味”はどう違いを持たせられるか、気になるところです。
そこで佐伯さんも『ハリアーは(本格志向のSUVゆえ四駆推しで濃い味付けのRAV4とは異なり)都会派SUVというはっきりとした性格を与えたかった。』と明言しています。しかも『RAV4の薄味版じゃなくてね、スープが底まで澄み切った美味しい塩ラーメンにしたかったんです。』と実にわかりやすい表現。
今井 優杏さんも実際にテストした第一印象を『スッキリ淡麗。その一言に尽きる。』と語っていて、意図通りな仕上がりになっていることがわかります。
デザインの突破口は“断面変化”というモチーフの発見から
新型ハリアーのデザインはどうでしょう。ティザーサイトではデザインチームのメッセージも紹介されていて、ハリアーらしさを進化させるための造形アイデアに苦慮した様子が記されています。
トヨタのデザイン部で新型ハリアーのプロジェクトチーフデザイナーを務めた渡辺 義人さんは、この悩ましいプロジェクトがあるきっかけから一気に進展したと語っています。
様々なデザイン試行錯誤を重ねる中、あるデザイナーが『おおらかな立体の断面が大胆に変化していき、やがて鋭利な折れ面になるという斬新な』“断面変化”というモチーフに着目。そこが突破口になったというのです。
デザインの実現のため設計や生産部門も全面協力
先のプロトタイプ試乗会で初めて公開された新型ハリアーは、なるほどボディサイドからリアにかけてのダイナミックで大胆なフォルムの変化が目をひきます。従来モデルとは明らかに違うダイナミックさがありながら、全体のフォルムとしてはまごうかたなきハリアーの姿がそこにありました。
その実現のため設計や生産部門も全面協力。『スポーツカーにも負けない豊かな張り出しを持ったリヤフェンダーや、シャープなラインは、限界ギリギリまで何度も鉄板のプレス成形の試行錯誤を重ねた結果』だと渡辺さんは語っています。
早く公道で観てみたい、乗ってみたい!
いかがでしたか。新型ハリアーのこだわりの強さは“見た目”からして伝わってきましたが、こうしたメッセージを聞くとなおのこと興味が湧いてきます。いちにちも速く新型ハリアーの実車が街中を走り、その端麗な乗り味が公道で確かめられるのが待ち遠しいところです。
[筆者:MOTA編集部/撮影:茂呂 幸正]
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