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コロナでディーラーに異変!? 変わりつつある販売現場を直撃【未来モビリティ総研】

MōTA / 2020年6月22日 11時30分

ダイハツ 新型タント

未だ世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルス。自動車業界も大打撃を受けているが、新車ディーラーでは新たな動きがあるという。と、今回はコロナ禍で変化した新車販売の今をお届け! 結論から言うと、かなりの衝撃です。

2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー

新車市場は未だ厳しい!

5月のゴールデンウィーク明けにもをお伝えしたが、今回はいわばその続報。4月の新車販売結果は、1968年の統計以来、東日本大震災やリーマンショックに次ぐ3番目の低い水準であった。しかし直近5月のデータを見るとさらに悪化の一途をたどっており、販売現場は未だ厳しい状況下にある。

2020年5月の登録車販売台数は前年同月の21万2636台から41%減の12万3781台。軽自動車は11万4782台から55.9%減の5万623台と軒並みキツイ状態。ちなみに新車販売のブランド別トップ3は、登録車ではトヨタの7万7877台、ホンダの1万6626台、日産の1万2181台の順。軽自動車は、スズキの1万9838台、ダイハツの1万8462台、ホンダの1万6125台の順という状況だ

実際、首都圏、関西地区、中国四国地方で新車販売を行なっているディーラーマン3名に聞くと、緊急事態宣言が解除されてもなお4月よりも現在の方がキツイと嘆くほど。

ところが、コロナ禍によって、不特定多数の人と接触する公共交通機関よりもマイカーの方が安全! という意見が増え、購入を考えるひとが増え始めたなど、嬉しい面もある。販売現場としては、リモート商談という新たな取り組みによって、嬉しい変化も起きているとの声も。

書き入れ時の連休も閑古鳥……現役ディーラーマンの悲痛な声とは?▼

リモート商談は女性が大喜び! 納得のワケとは?

お店に出向く必要がないため、隙間時間に商談を申し込む人も増えてきた

リモート商談とは、自宅とショールームをスマホやPCなどで繋ぎ、自宅にいながら商談ができるというものだ。

わずかながら、新車販売を経験した筆者・木村からすると「それで販売なんてできるの?」とも思ったが、最前線で働くディーラーマンたちは前向きに捉えていると前述の営業マンは話す。この新時代の商談スタイルが女性、とくに子育て世代にバカ受けなんだとか。

新車を購入した経験のある人なら共感できると思うが、クルマを購入するまでには販売店へ何度も通い、しかも何時間も滞在して商談するなど、超がつくほど時間がかかる。クルマを買うお父さんは楽しくても、お子さんをはじめとする家族はその時間が何より苦痛だったりするのだ。それもリモート商談ならば、わざわざお店まで出向かなくても済むというワケ。

クルマを会社にしちゃうのもアリ? 今大注目のオフィスカーはコレ▼

指名買いが急増! 納得のワケとは?

加えて、リモート商談ならば話が脱線することが少なく、「スムースに話を進められる」というディーラーマンにとって嬉しい面も。嘘だろ? と思うかもしれないが、これまで2時間以上、あるいは数日かかっていた商談も半分に短縮できたスタッフもいるというほど。

マツダ MAZDA3, マツダ CX-5とこの2台のようにカテゴリーすら決まっていない状態での来店も多かった

マツダ MAZDA3, マツダ CX-5とこの2台のようにカテゴリーすら決まっていない状態での来店も多かった

人にもよるが、これまでショールームに来るお客さんは「どんなクルマがここの会社にあるのか?」「そもそも自分はどんなクルマが欲しいのか?」といった知識をほとんど持たずに来店する人が大半であった。

コロナ騒動後は「CX-8が欲しい!」というような指名買いが増えてきている

ところが、コロナ騒動の真っ只中である今は、ネットやSNSを通じて知識を蓄えてから「このクルマが欲しい」と指名買いが増え、結果として商談時間が以前より短くなっているという。

もちろん、最終的に契約書などの必要書類を揃えるために来店は避けられないが、この未曾有のウィルスによって来店の回数を減らせることは両者にとって嬉しいことだ。

リモート商談は課題も! 国が変われば解決か?

いくらリモート商談ができると言っても、問題点もまだ多くある。一つは、実車を見て確認したいという声に応えられない。もう一つは契約に必要な契約書などの書類をオンライン化でできない点だ。

尋常じゃない量の書類! 納車までに必要な書類はコチラ▼

2018年3月にデビューしたエクリプスクロスは、発売直前にリモートショールームを開催。リアルタイムでの解説や見たい箇所を見せてくれるといったサービスで、忙しいサラリーマンなどから好評だったという。今こそこれをやるべきだ!!

前者は、せっかく大金をはたいて買うのだから、ボディーカラーの確認や実際に見て触って確認したい! という声が多いのは納得できる。前述のディーラーマンいわく、自動車メーカーのHPなどで360度カメラで写した車内のイメージなどがもっと掲載できていれば……と話すほど、この声は多いようだ。

インターネットのレビューや口コミなどを参考にするのも手だが、洋服や家電のように、自分に合うものを探すツールがクルマに関しては少ないようにも思う。自分にぴったりのクルマに出会える“手がかり”になるようなコンテンツを我々自動車メディアを中心に作っていくべきだと痛感した次第だ。

このようにコロナ禍によって自動車販売の仕方、商談方法に大きな変化が生まれてきている。もちろん、新車を手に入れるまでに膨大な書類が必要で、まだまだ全てをオンラインに! というのは難しいが、これを機に国もそんな煩雑な書類をやめることを考えてもいいのではないか。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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