「シティ」に「CR-X」、「ビート」まで! あの頃憧れたホンダの名車3選
MōTA / 2020年7月18日 8時50分
はっと目を見張るような流麗なフォルムのスポーツカー。屈強なボディでどこにでも行けそうなSUV。それともオシャレで可愛らしいコンパクトなモデル。最新モデルから懐かしの名車まで。燃費や車格、維持費など現実問題は一旦置いておいて、誰しも1度は自分の憧れのクルマを思い描いたことでしょう。そしてそれを自慢したいなんてことも…。 今回はそんな、今だからこそ乗ってみたい懐かしのホンダの名車3選をお届けします。あなたの好きなクルマは何ですか? 昔から憧れていた1台はありますか?
初代シティ(1981-1986年)
それまでホンダのエントリーモデルの役割を果たしていたシビックが2代目にフルモデルチェンジを果たしたことで実質的なクラスアップとなったため、そのポジションを担うために開発されたのが初代シティです。当時の若者に向けて、平均27歳という若い開発メンバーの手によって1981年に生み出された初代シティは、コンパクトなボディサイズの中で大人4人が無理なく座れる室内空間を実現するために「トールボーイ」と呼ばれる背の高いスタイルを採用していました。
3ドアハッチバックのボディタイプのみの展開でしたが、商用仕様の「プロ」も用意されたほか、1982年には過給機付きモデルの「ターボ」やハイルーフ仕様の「マンハッタンルーフ」を追加。さらに翌年にはブリスターフェンダーを備えてインタークーラーを追加した「ターボII」を、84年にはピニンファリーナが手掛けたオープンモデルの「カブリオレ」が追加されています。
ブリスターフェンダーを備えたターボIIはそのスタイルから「ブルドッグ」の愛称でも知られ、シティターボIIのワンメイクレースの「シティブルドッグレース」では横転上等なレース展開が人気を博していたのは当時を知る人であれば懐かしい思い出ではないでしょうか。
初代CR-X(1983年~1987年)
ワンランク上の乗り心地を実現し、3代目にモデルチェンジした通称「ワンダーシビック」をベースに開発されたのが1983年10月に登場したスポーティな3ドアハッチバッククーペの「バラードスポーツCR-X」です。エンジンは軽量コンパクトな12バルブ・クロスフローエンジンを搭載。これにより1.5iでは110馬力の高出力を、1.3では20.0km/Lの低燃費を実現していました。
またサスペンシ ョンは、フロントに操縦性、回頭性にすぐれたトーションバー・ストラット式サスペンションを、リアには路面追従性、高速安定性にすぐれたトレーリングリンク式ビームサスペンションを採用。
さらに、空力特性にすぐれた個性的で新鮮なスタイリングや、新素材を採用した軽量・高剛性のモノコックボディ、高効率ロックアップ機構付ホンダマチック3速フルオート、当時世界初となる電動アウタースライドサンルーフ、量産乗用車世界初のルーフ・ラム圧ベンチレーションなど、最新のメカニズムを搭載していました。
軽自動車並みに短いホイールベースを採用する2ドアハッチバックボディは乗車定員こそ4名とされていましたが、キャッチフレーズである「デュエットクルーザー」が示したように、事実上は2名乗車が前提。実際後席は、短距離の移動なら一応は使えるくらいの「1マイルシート」という名称が与えられていたほどです。
ビート(1991年-1996年)
1991年5月に登場した「ビート」。当時、軽スポーツカーで競合車種であったマツダ AZ-1、スズキ カプチーノの頭文字を合わせて「平成ABCトリオ」なんて呼ばれたりもします。ビートはこのトリオの中でダントツで多い3万3892台が1996年までに生産されました。
そんなビート、当時は所謂“スポーツカー”とは呼ばれず、「2シーターミッドシップオープンカー」と呼ばれていました。
当時、運輸省(現在の国土交通省)がクルマの急速な高性能化に目を光らせていたこともあり、小さくて安価な車種には「スポーツカー」という表現を使いにくい雰囲気があった為です。また、1990年には「NSX」が発売されており、軽自動車のビートは「街乗り」に焦点が当てられていたこともその理由の一つとされています。
見た目は可愛らしさもあるビートですが、軽自動車に初採用されたミッドシップレイアウトの直列3気筒SOHCのエンジンは、軽自動車の自主規制上限の64PSを8100rpmという高回転で発揮するいかにもホンダらしいエンジンでした。トランスミッションはもちろんATの設定などなく、吹き上がりは鋭く、5速MTを駆使する感じがファンを魅了しました。
2017年には、ホンダから「ビートをより長く楽しんでいただきたい」という想いのもと、ビートの一部純正部品の生産が再開されました。
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