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超ワイドディスプレイの時代は終わり!? 次期Sクラスの内装の進化っぷりがエグい【未来モビリティ総研】

MōTA / 2020年7月20日 11時30分

メルセデス・ベンツ 次期Sクラス

毎回あっと驚くような外見やインパネを採用するメルセデス・ベンツ。旗艦車種のSクラスが間も無く新型に切り替わるが、その車内の進化具合がとにかくスゴいのだ。一体どんな車内になるのか? そして問題点を考えていく。

メルセデス・ベンツ 次期Sクラス

進化版ハイ、メルセデスが未来すぎる!

2013年にデビューした現行Sクラスは、ガソリンとディーゼルモデルをラインアップ, メーターはフル液晶タイプを採用し、ナビやオーディオなどの情報を表示するメインディスプレイは超ワイドディスプレイを搭載。メルセデス・ベンツの全てのモデルに超ワイドディスプレイを採用してるが、今後は……

2013年にデビューした現行Sクラスは、ガソリンとディーゼルモデルをラインアップ, メーターはフル液晶タイプを採用し、ナビやオーディオなどの情報を表示するメインディスプレイは超ワイドディスプレイを搭載。メルセデス・ベンツの全てのモデルに超ワイドディスプレイを採用してるが、今後は……

9月に発表される予定の次期メルセデス・ベンツ Sクラスのインテリアが公開された。世界のラグジュアリーカーのベンチマークとして君臨し続けているSクラスは、メルセデスのデザインや最新テクノロジーのショーケースでもある。それだけにメルセデス・ベンツの方向性を考えるうえでも、今回公開された情報はとても興味深い。

間も無く登場の新型Sクラスのメインディスプレイは正方形に変更される。これまでエアコン操作は物理ボタンでも操作できたが、新型はモニター内に集約

最も注目すべきは、新世代のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)だ。「ハイ、メルセデス!」と声をかけるだけでAIが言葉を認識し、インタラクティブかつ直感的に様々な機能やサービスを使用できるMBUXは、2018年の登場からわずか2年で飛躍的な進化を遂げている。

テスラはご存知のとおり、モニターに全てを集約している。モデル3に至ってはサイドミラーの調節もモニターを介しての操作となる。残っている物理ボタンはウィンカーやワイパーレバー、さらにハザードボタン程度

近年、自動車のインパネは、年々増えるさまざまな機能により増加した操作ボタンやスイッチ類を整理するために、タッチディスプレイを採用してすっきりしたデザインを実現する方向にある。その最たるものがテスラの各モデルだ。

次なるモニターはまさかの正方形!

メルセデス・ベンツは今回、同社取締役会メンバーでCASEの開発を統括するザシャ・カーン氏が率いるソフトウェア開発チームと、チーフデザイナーのゴードン・ワグナー氏が率いるデザインチームが、広範囲にわたる共同作業により生み出した。

新型Sクラスに残る物理ボタンはハザードボタンなど必要最低限に留めらる

My MBUXにおける最大の特徴は、センターコンソールに備わるOLEDの大型タッチディスプレイだ。12.8インチのこのディスプレイは、横1888×縦1728ピクセルと正方形に近い。ナビゲーションやさまざまな機能の表示はとても美しくて見やすく、瞬時に操作できるよう設計されている。

メーターデザインは4種類から任意に変更可能で、写真はスポーティモード

ドライバー正面の3Dドライバーディスプレイ(これも新しい!)を含めて表示できるデザインテーマは、ディスクリート(控えめ)、スポーティ、エクスクルーシブ、クラシックの4種類で、さらにナビゲーションとアシスタンス、サービスから選択してパーソナライズ可能だ。

シンプルすぎ? ボタンはたった27コだけ

現行Sクラス, 新型Sクラスに採用される予定の新たなディスプレイ

現行Sクラス, 新型Sクラスに採用される予定の新たなディスプレイ

センターディスプレイの下部には、オーディオのボリュームコントロールやドライビングモードの切り替えスイッチ、ハザードボタンなど、必要最小限の物理スイッチが備わるが、従来モデルに対して物理スイッチは27個も少ない。

実際インパネ周辺は、現行Sクラスと比較して大幅にシンプルなデザインとなっている。さまざまな操作は、タッチとスワイプ、音声、手によるジェスチャー、そして視線制御により可能となっている。

車内にはメーターとセンターディプレイ、さらにリヤシートに2つのディスプレイを搭載する(グレード別設定となる見込み),それぞれ独立したコンテンツを移すことが可能で、その設定もそれぞれのミニターから操作できる

車内にはメーターとセンターディプレイ、さらにリヤシートに2つのディスプレイを搭載する(グレード別設定となる見込み),それぞれ独立したコンテンツを移すことが可能で、その設定もそれぞれのミニターから操作できる

ハザードボタンの右側には、指紋センサーが備わる。ドライバーは指紋認証の他に音声認証、顔認証、そしてPINコードによって認証され、パーソナルセッティングを呼び出すことができる。

ここまで来ると、ほとんど最新のPCかスマートフォンのようだ。後席左右のディスプレイとコンテンツをシェアする事も可能だ。

凄まじくデカいHUDは驚異の77インチ!

これまでにヘッドアップディスプレイは、「100m先を左折」というように、カーナビの延長といったイメージであった。ところが、新型sクラスのHUDはAR技術を駆使して、実際の空間に重ねて表示する

そしてMy MBUXのもうひとつのハイライトが、新しいヘッドアップディスプレイである。「AR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)」と呼ばれるAR(拡張現実)技術を用いたこのHUDは、水平方向に10度、垂直方向に5度の範囲で、前方10mの位置に表示される。これは車両前方10mの位置に77インチのモニターを置いた状態とほぼ同じと考えて良い。

130万画素の高解像度でカラー表示されるこのHUDは、運転支援システムとナビゲーションに関するさまざまなAR表示を実現。例えば曲がる交差点が近づくと、ナビゲーションの指示を実際の空間に重ねて表示する。これは五叉路やラウンドアバウトのような複雑な道でも間違いが減りそうである。

世のおじさんはこの進化に付いていける? のか

この他にも新しい機能や技術が盛りだくさんMy MBUX。とても洗練されていて、ハイテク感も抜群と、まさにメルセデス・ベンツのデザイン・フィロソフィである「センシュアル・ピューリティ(官能的な純粋さ)」を体現した、ラグジュアリーカーに相応しい仕上がりだが、ひとつ気になることがある。

それは、ヨーロッパや北米、日本などでは平均年齢が60歳を軽く上回ると言われているSクラスの顧客に、これほど先進的で複雑化したインフォテインメントシステムを使いこなせる人が、果たしてどれだけいるのか、という点だ。

多くの顧客は、長年メルセデス・ベンツを乗り継いできた上客と考えられ、メルセデスも「今やメインマーケットは中国のヤングエグゼクティブだから問題無い」とは言えないハズである。センターディスプレイの下部に備わる数少ない物理スイッチが、年配のドライバーに向けた数少ない優しさなのだろうか。その辺りを確かめるためにも、早く実際に体験してみたいところである。

【筆者:竹花 寿実】

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