特に印象的だったのはS30、Z32、Z33など! 昨年50周年を迎えた日産「フェアレディZ」
MōTA / 2020年7月24日 8時42分
はっと目を見張るような流麗なフォルムのスポーツカー。屈強なボディでどこにでも行けそうなSUV。それともオシャレで可愛らしいコンパクトなモデル。最新モデルから懐かしの名車まで。燃費や車格、維持費など現実問題は一旦置いておいて、誰しも1度は自分の憧れのクルマを思い描いたことでしょう。そしてそれを自慢したいなんてことも…。 今回は昨年50周年を迎えた日産「フェアレディZ」の中から、今でも印象的なモデル「S30」「Z32」「Z33」を振返っていきます。あなたの好きなクルマは何ですか? 昔から憧れていた1台はありますか?
初代フェアレディZ(S30)1969~1978年
1969年より5世代に渡って進化を遂げてきた日産 フェアレディZ。50年の歴史の中で様々なモデルが登場しましたが、やはり印象的なモデルの1台目は、初代(S30)ではないでしょうか? このクルマが登場したことで、日産の北米躍進の足掛かりとなったと言っても過言ではありません。当時、北米日産の社長だった片山 豊氏が「アメリカで日産のブランドイメージを上げるためにはスポーツカーが必要」、「性能が良くて安価なスポーツカーはヒット商品となる」と本社に直訴して生まれたモデルであることは、皆さんもご存じのはず。ロングノーズ・ショートデッキの流麗なスタイル、パワフルな直列6気筒エンジンと4輪ストラットサスを採用したモノコックボディによってポルシェ 911やジャガー Eタイプに匹敵するパフォーマンス。そしてスターティングプライス3500ドルはライバルに対して圧倒的なバリュー価格で、売れない理由はありませんでした。
日本では2LのL20搭載のベースモデルに加え、スカイラインGT-Rと同じS20を搭載した「432」、北米仕様と同じ2.4LのL24搭載と専用の外観(グランドノーズ&オーバーフェンダー採用)の「240Z-G」なども用意。更にスポーツカーでありながらATモデル(3速)や全長を延長(+310mm)した4人乗りモデル(2by2)などラインアップされました。
世界総生産販売台数約55万台(その中で日本は約8万台)と、当時のスポーツカーとしては驚異的な記録。それは日本車が「安くて壊れない」に加えて「高性能」であることを世界が認めたことでもあります。
4代目フェアレディZ(Z32)1989~2000年
印象的なモデル2台目は、1989年(平成元年)に登場した4代目(Z32)です。エクステリアはこれまでのロングノーズ・ショートデッキの古典的スポーツカースタイルから現在のスポーツカーにも繋がるワイド&ローでショートノーズのスタイルを採用。
2シーター、2by2が用意されるのは歴代モデルと共通ですが、単純に全長を伸ばすのではなくホイールベースが異なる2つのシャシーを開発。初代~3代目は2シーターに対して2by2はどこかデザインに無理やり感がありましたが、Z32はどちらもカッコ良いですよね!
エンジンはV6-3Lでツインターボ(VG30DETT)と自然吸気(VG30DE)の2タイプ。どちらも短いノーズの中に収めるためほぼ専用設計と言えます。ツインターボは北米向け300PSに対して、日本向けは運輸省(現在の国交省)の行政指導により280PSに抑えられたのは有名な話。
シャシーはZ32専用設計で、4輪マルチリンクサスにスーパーハイキャスと当時の最先端の機構を採用。当時日産の「901活動(1990年代までに技術の世界一を目指す車作りを目標とした運動)」も相まって、大柄なボディながら優れたハンドリングを実現。しかし、走りの味付けはバリバリのスポーツ方向ではなくグランツーリスモ的な性格でした。また、92年にはフルオープンモデル「コンバーチブル」が追加されています。
5代目フェアレディZ(Z33)2002~2008年
印象に残る3台目は、2002年に登場した5代目(Z33)。バブル崩壊以降、業績不振に苦しんでいた日産は1999年にルノーと資本提携を結びます。大規模なリストラも行いましたが、当時のカルロス・ゴーン氏をはじめとする経営陣はZとGT-Rをともに「日産の大事な財産」だと判断。復活のイメージリーダーとして開発が進められました。上級移行したZ32の反省もあり原点回帰が行なわれ、エクステリアはどこか初代を彷彿とさせるスタイリングを採用。プラットフォーム、サスペンション、パワートレインなどはスカイライン(V35)と共用となり、俗に言うFMプラットフォームシリーズの一員に。そのため、歴代モデルに設定されていた2by2はスカイラインクーペに託し、2シーターのみの設定となりました。
ちなみにZの伝統であるTバールーフは廃止されましたが、Z32でラインナップされていたオープン「ロードスター」をクーペから遅れること1年後に追加しています。
初期モデルはスポーツ性に特化していましたが、開発責任者(当時)湯川 伸次郎氏の「Zは毎年改良していく」の言葉通り、フットワーク系のみならず、パワートレインにもシッカリと手が入り、バランスのいいスポーツモデルへと成長。
エンジンはV6-3.5Lの自然吸気(VQ35DE)を搭載。途中で出力アップ(280→294PS)やレブリミットアップ(6600→7000rpm)も実施されました。更に2007年の改良では新設計のVQ35HR(313PS、レブリミット7500rpm)に刷新されています。
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