「フェラーリ vs ランボルギーニ」いま新車で買うならどっち!?[外車のススメ]
MōTA / 2020年7月21日 16時30分
永遠のライバルとも言えるフェラーリとランボルギーニのクルマ。もし買えるとすれば、あなたならどっち!? 前回はフェラーリ vs ランボルギーニの歴史の始まりについて触れましましたが、今回は現代に至る、夢のようなスーパーカーの歴史についてご紹介していきましょう。 >>
512BB vs カウンタック、好きだったのはどっち!?
洗練された豪華で実用的なGTが多かった1960年代のランボルギーニでしたが、その後、ランボルギーニもミッドシップの「スーパーカー」の発売を開始。1966年の「ミウラ」、1971年の「カウンタック」はあまりにも有名です。一方のフェラーリも高品位・高性能なGTを次々と輩出。日本で巻き起こったスーパーカーブームにおいて、「365GT4/BB」とカウンタックの頂上決戦では「365BBはカウンタックよりも最高時速が2km/h速い」ことが話題になるなど、多くの子どもたちを虜にしました。馬力とか速度とかのスペックを、みんなで頑張って覚えたこと、どのスーパーカーが好きかを言い合ったことなどを思い出しますよね。
今買える両社の新車ラインナップには、800psのGTにド級のSUVなども
意外なほどワイドなラインナップを有する現代のフェラーリ
1970年代のフェラーリは、V6の「ディーノ」を別とすれば、V8・ミッドシップ、V12・ミッドシップ、そしてV12をフロントに載せたFRのGTおよび4人乗り(2+2)GTというラインナップを1990年代まで用意していました。現在では、V12ミッドシップスポーツカーがなくなるなど変化があるものの、基本的にその流れを継続しています。
2020年7月現在、V8・ミッドシップモデルは「F8トリブート」「F8スパイダー」、「488 PISTA」「488 PISTAスパイダー」、プラグインハイブリッド車の「SF90ストラダーレ」、V8・FRオープンの「ポルトフィーノ」、V8・FRクーペの「ローマ」、V8・FR4人乗りの「GTCルッソT」があり、V12ではフラッグシップで800ps(!)というド級のエンジンを積む「812スーパーファスト」「812GTS」、V12で4人乗りの「GTCルッソ」を擁しています。このように、意外なほど幅広いラインナップとなっているのが現代のフェラーリの特徴と言えそうです。
SUVまであるランボルギーニは少数精鋭で戦う!
ランボルギーニはのちに倒産、親会社が次々と変わるなど波乱が続きましたが、20世紀末にVWグループのアウディ傘下となって経営が安定。1970〜80年代に作られていたV8搭載の「ベビー・ランボ」の復活となる「ガヤルド」はアウディのパーツを多用するなど、量産車メーカー傘下にある利点を最大限に活用。近年ではスーパーSUVの「ウルス」も発売して大きな話題となりました。ラインナップはフェラーリよりもグッと少なく、V10をミッドに積むベビー・ランボ「ウラカン」、カウンタック・ディアブロ・ムルシエラゴの流れを汲むV12・ミッドシップの「アヴェンタドール」、そして650psを生み出す4.5リッター V8ツインターボを積むSUV、ウルス、さらに先日発表されるや即完売してしまった(!)V12ハイブリッド「シアンロードスター」の4車種となっています。
新車販売は好調! 中古車市場は高値安定
新車販売は両社ともに好調です。2019年では、フェラーリが初の1万台オーバーで過去最高、ランボルギーニも前年比43%アップの約8200台を記録。SUV人気の中でウルスが台数を大きく伸ばしており、そのうちの半数以上を占めています。日本では年間数百台のフェラーリとランボルギーニが新車で売れているので、中古車市場でも台数は多く、MOTAの中古車検索でも約800台が登録されています。新型コロナの流行でキニナル中古車価格の変動ですが、フェラーリをはじめとしたエキゾチック・スーパーカーに大きな動きはなく、高値安定の状態が続いています。投機目的になりそうな超高額の希少モデルも同じです。
ライバルでありながらその性格が大きく異なるフェラーリとランボルギーニ
レースにこだわった元レーシングドライバーが設立し、レーシングカーから発展したフェラーリと、かたや工業製品製造会社の社長が、快適なGTを作りたくて作ったランボルギーニという2社は、ライバルでありながらその性格が大きく異なっていました。現在も、伝統を大事にするフェラーリと柔軟なランボルギーニ、職人肌が作る芸術品的なフェラーリとドライな工業製品の印象もあるランボルギーニ……などのイメージが残ります。
両社のクルマとも高額車なので、中古車とはいえそうそうすぐに買えないですが、もし買うのでしたら、性能・デザインのほかに、フェラーリとランボルギーニのクルマの生い立ちの違いから来る性質も、選択のファクターにしてみてはいかがでしょうか。
[筆者:遠藤 イヅル]
※初出時、ランボルギーニ ウラカンスパイダーの車名を誤って表記しておりました。お詫びして訂正いたします(MOTA編集部注)
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