売り切れRAV4 PHVに何が起きた!? 次世代エコカーの花形「プラグインハイブリッド」が抱える課題とは
MōTA / 2020年7月22日 9時30分
2020年6月8日に発売を開始するも、1か月足らずで受注を一時停止してしまったトヨタ RAV4 PHV。年度内の生産分が予約で一杯になってしまったためだ。どこがネックになったのか、理由を探ってみた。 >>
次世代のエコカーとして注目されるRAV4 PHV
トヨタ RAV4 PHVは、RAV4シリーズの最上級モデルで、PHVとはプラグインハイブリッド車であることを指している。通常のRAV4 ハイブリッドに対し、フロントモーターとインバーターを高出力化。ここに大容量・高出力な新型リチウムイオンバッテリーを組み合わせた。主にエンジンで充電するハイブリッド車とは違い、大容量のバッテリーに外部から充電することが出来るので、満充電時には95km(WLTCモード)のEV(電気自動車)走行が可能となっている。こうした環境性能の高さから、RAV4 PHVは次世代のエコカーとして非常に注目が集まっていた。
要となる大容量リチウムイオン電池の生産能力に課題があった
実は今回、新開発のプラグインハイブリッドシステム“THSII Plug-In”に積まれる大容量リチウムイオン電池に課題があった。生産能力に限界があったのだ。RAV4 PHV発表時にトヨタが発信したプレスリリースには月販目標台数300台と、極めて低めに設定されていたことからも推察出来る。トヨタのRAV4 PHV公式サイトを見てみると『RAV4 PHVは現在、ご注文を一時停止させていただいております』とTOPページに表示されている。そこには『大変多くのお客様にご好評いただき、現在新規搭載のバッテリーの生産能力を大幅に上回るご注文をいただいております』と、注文一時停止の理由が記されていた。
経産省のクリーンエネルギー自動車(CEV)補助金も受注中止に影響
ただし通常の大人気モデルの場合、半年待ちや1年待ちといった状態を目にすることもある。購入者は待たせてしまうが、注文を一時停止にしてしまうのは珍しい。これには、プラグインハイブリッド車の補助金制度が絡んでいた。RAV4 PHVは経済産業省の「クリーンエネルギー自動車(CEV)導入事業費補助金」事業の対象となっており、2020年度は22万円の補助金が交付されるのだ。
RAV4シリーズの最上級モデルであるRAV4 PHVは、大容量バッテリーなどコストがかさむこともあって、価格は469万円~539万円。RAV4ハイブリッド(約389万円~約351万円:4WDモデル)に比べれば、随分と高価なクルマだ。その差額を埋める補助金の存在はありがたい。
2021年度の補助金制度はまだ明らかにされていない
ところがこの補助金制度は年度ごとに制定され、来年2021年度の詳細はまだ明らかになっていない。仮に1年待ちとなった場合、販売店でも最終的な支払額が算出できず、正式な注文書が交わせない!という状況になるのだ。ちなみに前出のRAV4 PHV公式サイトでも当初2020年6月の時点では、販売再開時期について『今後の生産および来年度の税制状況等を踏まえ、改めてご案内申し上げます』との記載があった。しかし理由は不明ながら『来年度の税制状況』の記載は2020年7月現在、表記からなくなっている。
RAV4 PHVの受注再開は早くとも2021年春以降か
リチウムイオン電池の圧倒的な生産能力の低さに加え、年度ごとに変わる補助金制度が絡んでいたRAV4 PHVの受注中止問題。再開時期はいつだろう。根本的には、月販300台という生産能力を拡大するのが重要だ。バッテリーを製造するトヨタとパナソニックの合弁会社、プライム プラネット エナジー&ソリューションズが操業を始めたのは2020年4月1日のこと。公式な発表はないが、生産量を増やす算段をしている真っ最中であるはずだ。とはいえ数か月で生産キャパシティが拡大することは考えにくい。
前出のRAV4 PHV公式サイトでも『ご注文再開につきましては、今後の生産状況等を踏まえ、改めてご案内申し上げます』と記すに留まっている。
来年度の補助金の詳細が明らかになる時期も想定すると、年内のRAV4 PHV注文再開は厳しく、早くとも2021年春以降となるだろう、というのが現在の予想だ。
[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/島村 栄二・トヨタ自動車]
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ高級SUV「ハリアー」なぜ人気? スタイリッシュデザイン×高級内装採用! 2年刷新無くも売れている… 312万円から価格も魅力か
くるまのニュース / 2024年6月21日 7時10分
-
トヨタ新型「RAV4」そろそろ登場!? もっと無骨に“大変身”&新パワートレイン搭載も? デビュー6年目の「超人気SUV」次期型どうなるのか
くるまのニュース / 2024年6月20日 13時10分
-
トヨタ「プリウス」 スポーツカー顔負けの「最強HV」がスゴい!
くるまのニュース / 2024年6月19日 17時10分
-
プロジェクトは実証段階、トヨタ『ハイラックス』の燃料電池車…最新プロトタイプ発表
レスポンス / 2024年6月11日 9時30分
-
トヨタ新型「コンフォート+」発表! 約700万円の斬新「サメ顔モデル」! 4.3m級の「コンパクトSUV」波に登場
くるまのニュース / 2024年6月8日 11時10分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2湿気が多いこれからの季節に役立ちそう…警視庁が紹介する「跡が残らないヘアゴムの結び方」
まいどなニュース / 2024年6月30日 20時30分
-
3忙しい現代人が“おにぎり”で野菜不足を解消する方法。野菜たっぷりおにぎりレシピ3選
日刊SPA! / 2024年6月30日 15時53分
-
41年切った「大阪・関西万博」現地で感じた温度差 街中では賛否両論の声、産業界の受け止め方
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 14時0分
-
5トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
くるまのニュース / 2024年7月1日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください