“ぶつからないクルマ?”が劇的進化! 新型レヴォーグ搭載の新世代アイサイト&アイサイトX徹底解説・前編
MōTA / 2020年8月25日 10時0分
スバルが他社に先駆け普及を進め先進運転支援システム「アイサイト」。その後競合各社も同様の技術を導入し始める中、スバルはさらに進化した新世代アイサイトと、その上位版「アイサイトX」で巻き返しを図る! 2020年10月発売の新型レヴォーグに搭載される新技術をいち早くテスト。驚くべき進化の様子をモータージャーナリスト嶋田 智之がレポートする!
“ぶつからないクルマ?”が10年の時を経て大幅バージョンアップ
他社に先駆け搭載したスバルの先進運転支援技術EyeSight(アイサイト)
2008年にレガシィに搭載し、2010年からの “ぶつからないクルマ?”というちょっとばかり衝撃的なキャッチで先進運転支援システムというものの存在を広く知らしめたスバルの功績は、とても大きい。中には“ぶつからないクルマ?”のクエスチョンマークを忘れて語られたこともないではなかったけど、ドライバーのミスやエラーをクルマの側でカバーしてくれようとする仕組みが存在することを、お茶の間のお母さんでさえ知ることになったのだから。
全国各地で開催された体験会で、障害物として置かれたマットに近づくにつれてドキドキしながらブレーキをガマンしたことを覚えている人も少なくないだろう。
以来、スバルのアイサイトは細かな改良やバージョンアップを繰り返しながら、日本のこうした仕組みの代表格的な存在として認識されてきた。
他社技術も急伸し、いつしか横並び状態となりつつあったが
しかし、もちろん他社だってボケ〜ッと眺めていたわけじゃない。日産のプロパイロット、トヨタのセーフティセンス、ホンダのHonda SENSING(ホンダ センシング)、マツダのi-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)などなど、それぞれ考え方は様々だし出来ることも様々だが、先進運転支援システムを実装してきた。
スバルのアドバンテージ、という印象が次第に薄れてきていたのも確かだった。
だが、スバルはここでまた頭ひとつ飛び抜けた存在となった。新型レヴォーグのそれは、ポーン! と一足飛びに進化しているのだ。
コア技術「アイサイト」が新世代仕様へ大幅な進化を遂げた
まずは全車に標準で備わる新世代アイサイトからご紹介しよう。新世代アイサイトでは、広角化して大幅に性能を挙げた新しいステレオカメラ、前に向かって2つ、後ろに向かって2つの車体四隅のレーダー、反応速度の高い電動ブレーキブースターを備える。
また、右折時の対向車、右左折時の歩行者、目の前を横断しようとする自転車などに対しても、「プリクラッシュブレーキ」が作動するようになった。
さらにプリクラッシュブレーキだけでは衝突が回避できそうにない場合には、システムがステアリング制御を行い避けようとする「プリクラッシュステアリングアシスト」、前側方からの車両の接近をレーダーで感知して警報やブレーキ制御を行い回避を試みる「前側方プリクラッシュブレーキ」、後側方にいるクルマの見逃して車線変更しようとしたときに警報やステアリング制御で車線から逸脱しないようにする「エマージェンシーレーンキープアシスト」も備わった。そしてこの新世代アイサイトの上位モデルとも言うべき高度運転支援システム「アイサイトX」は、さらに充実した驚きにあふれていたのだった!
(続く)
[筆者:嶋田 智之/撮影:小林 岳夫・SUBARU]
新型レヴォーグの主要スペック
新型レヴォーグ STI Sport EXの主要スペック
スバル 新型レヴォーグ STI Sport EX | |
---|---|
グレード名 | STI Sport EX |
全長×全幅×全高 | 4755mm×1795mm×1500mm |
ホイールベース | 2670mm |
駆動方式 | AWD |
車両重量 | 1580kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 水平対向 4気筒 1.8L 直噴ターボ(DIT) |
総排気量 | 1795cc |
エンジン最高出力 | 130kW(177PS)/5200~5600rpm |
エンジン最大トルク | 300Nm(30.6kg・m)/1600~3600rpm |
トランスミッション | リニアトロニックCVT |
使用燃料 | レギュラー |
燃料消費率(JC08モード燃費) | 16.5km/L |
燃料消費率(WLTCモード燃費) | 13.6km/L |
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