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驚異の復活劇! 超人気のシエンタは一度販売終了していた!? 【スゴい遍歴のクルマたち】

MōTA / 2020年8月30日 18時30分

トヨタ 初代シエンタ

今でこそコンパクトミニバン市場で絶大なる支持を受けている超人気のシエンタ。だが、実は市場から姿を消した時期があったのだ。今回は驚くべき遍歴の持ち主、シエンタの歴史を振り返ろう!

トヨタ 初代シエンタ

ミニバン全盛の時代にデビューも結果は……

初代ノア/ヴォクシーは2001年にデビュー, ミニバンの王様との異名を持つアルファードは2002年に誕生

初代ノア/ヴォクシーは2001年にデビュー, ミニバンの王様との異名を持つアルファードは2002年に誕生

シエンタのデビューは2003年のこと。当時、2001年にデビューした初代ノア/ヴォクシーが超ヒット作となり、さらに2002年にアルファードが誕生。

それだけに留まらず、日産からは2代目エルグランド、ホンダは2代目ステップワゴンといった超人気車種が新世代に切り替るなど、ミニバンブームが巻き起こっていた最中であった。

初代シエンタは2002〜2010、2011〜2015年に販売されていた

そこに全長4m弱とコンパクトサイズのシエンタを投入することで、トヨタのミニバンはフルラインアップ化を完了したコトとなったのだ。

打倒モビリオ! 徹底研究でライバルを圧倒

シエンタより先にデビューしたモビリオだが、後に登場したシエンタは3サイズはほぼ同じと完全にライバル視されていた。覚えている人も多いだろうが、当時のトヨタはヒットするクルマが他社から登場すると、ストリームに対するウィッシュ、エルグランドに対抗するアルファードと言うように、ほぼ必ずライバル車を投入していた時期であった。

もっと言えば、シエンタのデビューにはホンダ モビリオという存在が大きく影響を受けたとも。モビリオは全長4m弱のコンパクトサイズでありながら、初代フィットから採用しているセンタータンクレイアウト(ボディのほぼ真ん中に薄型のガソリンタンクを設置)有効活用し、3列目に大人が余裕で座れるといった超魅力的なパッケージングで登場。それに刺激されたのが初代シエンタなのだ。

そのデキは二番煎じと言えないほどの完成度で、目標としていたモビリオを販売終了にまで追い込むほどであった。

というのも、ライバルとなるモビリオを徹底的に分析し、当時世界最薄とまで呼ばれた燃料タンクを採用し超低床設計し、広い車内を実現。

シエンタは片手で折りためるうえ、2列目下に収納するダイブダウン方式を採用。これにより超簡単にシートアレンジができるなど、使い勝手はモビリオを圧倒していたのだ。

さらにユーザーの声を調査し、3列目を大人は乗るには少し狭いと言った割り切った装備とした。当時の調査によれば、このクラスの購入層は3列目を緊急用として捉えている人が多く、常時使う人が少ないということに目をつけ、3列目のシートを超簡素化したのだ。

後継車が大コケ! 異例の復活劇スタート

とここまで初代シエンタの概要をご紹介したが、その後2008年にダイハツ ブーン/トヨタ パッソをベースとした、実質後継者となるブーンルミナス/パッソセッテがデビューし、初代シエンタは2010年に販売を終了した。

だが、後継車はスライドドアではなく、ヒンジドアを採用ししたことで使い勝手に不満の声が多く販売不振に。そこで白羽の矢がたったのは、消えたはずのシエンタだった。安全装備は追加されたものの、姿そのまんまに9ヶ月の時を経て見事市場に復活したのだ。一度廃止されたモデルが再び登場するのは異例中の異例である。

そんなシエンタは2015年にフルモデルチェンジ。その後の快進撃はご存知の通りで、今や年間11万台を売り上げる人気車種となったのだ。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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