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あれ? MX-30って電気自動車じゃなかったの!? マツダの戦略変更のワケとは

MōTA / 2020年9月2日 7時0分

マツダ MX-30

昨年の東京モーターショーでワールドプレミアされたマツダ MX-30。発表当初、ピュアEV専用車としてデビューすると言われていたが、突如マイルドハイブリッドモデルや他のパワートレインも登場するという。果たしてその理由とは?

マツダ MX-30 「e-SKYACTIV G」マイルドハイブリッドモデル[参考出品:国内仕様車/プロトタイプ] 同じコンパクトSUVという成り立ちながら、ファミリーなど後席を多用するユーザーに向けた仕立てのCX-30に対し、MX-30は2+2のパーソナルモビリティという立ち位置ですみ分けがされています。

デビューまさかのマイルドハイブリッドから

プラットフォームは昨年デビューし、今やマツダを代表するSUVとまで言われているCX-30と同じで3サイズもほぼ一緒。最大の違いはRX-8以来採用してこなかった観音開きドアを採用し、クーペルックのデザインとしたことだ

アレ? と思った人も多いハズ。そう、マツダが次に世に出すMX-30は当初、電気自動車専用車として昨年の東京モーターショーでデビューしたモデルであった。

これまでと大きく異なるのがコルク材を内装に使用している点。ご存知の方も多いだろうが、マツダはもともとコルクを作っていた会社で、いわばマツダのルーツとも言える素材なのだ

ところが、去る7月に発表されたリリースによると日本市場で1番初めにデビューするのは電気自動車ではなく、ガソリンエンジンに小さなモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様とのこと。目玉となる電気自動車は2020年度中に、しかもリース販売のみとしたのだ。

豊富な選択肢が逆にイイ! ライフスタイルによって選べる

「航続距離は長い方がイイ」というのがEVの常識。日産 リーフだって大容量のバッテリーを積んだグレードを追加したほどだが、近距離移動が多い人は小さなバッテリーでも問題ない。ホンダeやMX-30のEVモデルはそこに狙いを定めているのだ

これにはいくつかの理由があると言われている。MX-30の電気自動車モデルは、35.5kWhと比較的小さなバッテリーを積む。フル充電でも200km程度しか走行することができないタイプ。ホンダから先日デビューしたホンダeと同じく、長距離移動に向かないシティーコミューター的な内容だ。

世界初の量産型レンジエクステンダー付きEVとしてデビューしたBMW i3。発電用にガソリンエンジンを搭載し、ガソリンさえあれば電欠を防げるため、大いに話題を集めたモデルだ

ご存知の通り電気自動車の近々の課題は航続距離であり、あえて小さなバッテリーとしたのは、その後に隠し球となるロータリーエンジンを組み合わせたレンジエクステンダー付きEVも登場することになっているからで、ユーザーに選択肢を与えたということ。

初めから車重も重く、高価な電池を搭載したEVをデビューさせるより、ユーザーにいくつかの選択肢を与えたほうがイイという判断のようだ。

さらに、マイルドハイブリッドモデルも加えることで「EVはまだいらない」「このデザインの内燃機関がほしい」などといった声に答えたカタチだ。

MX-30にもさらなる秘策があるかも

CX-3, CX-8

CX-3, CX-8

ちなみにマツダは当初の予定から、後にラインアップを変更するという荒技は得意中の得意。

デビュー当時にディーゼル専用車として登場したCX-3ものちにガソリンモデルを、CX-8も同じ作戦で戦ってきている。それだけに、MX-30もマイルドハイブリッドやEV、さらにはレンジエクステンダー付きEVが出ると発表されているが、さらなる隠し球が用意されている可能性も大いにある。今後のMX-30の動きに注目だ!

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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