スバル XVがマイチェン! ヤリスクロスやキックスに対抗する秘策は? そしてスバルが抱える課題とは
MōTA / 2020年9月5日 8時20分
スバルのコンパクトクロスオーバーSUV「XV」が、2017年のデビューから3年を経てマイナーチェンジを実施した。発売は2020年10月8日。コンパクトSUV市場に「トヨタ ヤリスクロス」や「日産 キックス」など魅力的なライバル車が相次いで投入される中、スバルが打った手とは。
ライバルが急増する中、元祖コンパクトSUV「XV」がマイチェン
スバル XVは、ハッチバックモデルの3代目インプレッサをベースにSUV風のクロスオーバースタイルとした「インプレッサXV」から数えて、現行型で3代目。今流行りのコンパクトSUVカテゴリーの草分け的存在だ。カラフルなボディカラーや、ホイールアーチなどに施される“クラッディング”(黒い樹脂製パーツ加飾)、専用のゴツいホイールなど、シックな装いのベース車とは大違いの強い個性で根強い支持を集めている。もちろん、スバル独自の先進運転支援システム「アイサイト」も備わるのも魅力的だ。
専用ボディで強い個性と実用性を兼ね備えたライバルの登場
しかしここへきて、トヨタのヤリスクロスや日産のキックスなど、コンパクトSUV市場に強力なライバルモデルが相次いで登場した。
5ドアハッチバックのインプレッサを派生させたXVとは異なり、ライバルはそれぞれ完全にオリジナルの個性的なボディを持つ。SUVに求められる室内や荷室空間の実用性も確保されるなど、商品力も高い。
こうした強力なライバルに対し、デビューから3年を経過したXVは、今回の大規模なマイナーチェンジで迎え撃つことになった。
メッキ加飾でグンと華やかな雰囲気になった新型XV
XVのマイナーチェンジでは、外観の随所にメッキ加飾を加え、艶消しブラックでコーディネイトされていた従来型からイメージを一新。ボディカラーには新色「プラズマイエロー・パール」を採用し、インテリアのカラーコーディネイトも変更した。さらに足回りの改良に加え、SI-DRIVEと協調するアダプティブ変速制御「e-Active Shift Control」(e-BOXER搭載車)や、安全装備「フロントビューモニター」などが新たに搭載されている。
“技術者集団SUBARU”が生み出す電動パワートレインへの期待感
新型レヴォーグで話題の新アイサイトや大型ディスプレイなどは採用されず
新型XVのパワートレインは、1.6リッター水平対向エンジン車と、2リッター水平対向+モーターのマイルドハイブリッド「e-BOXER」の2タイプ。共にリニアトロニック(CVT)と組み合わされる。駆動方式はAWD(四輪駆動)のみの設定。価格は「1.6i EyeSight」220万円から「Advance」(e-BOXER)298万1000円までとなっている[共に消費税込]。新型レヴォーグで採用された新世代アイサイトや高度先進運転支援技術「アイサイトX」の搭載は、残念ながら今回の新型XVには実施されなかった。同様に、新型レヴォーグで注目を集めた縦型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイも採用はなし。マイナーチェンジではそこまで大規模な変更が出来なかったようだ。
市場拡大の今、XVにもそろそろ専用ボディとフルハイブリッドを
スバルではXV以外にも、より室内空間が広く荷室も十分に確保されたSUV「フォレスター」がラインナップされていて、コンパクトクロスオーバーSUVのXVとのすみ分けが図られている。ただし急成長中のコンパクトSUV市場でのライバルとの戦いを考えると、専用ボディのオリジナルモデル投入にも期待したいところ。さらにライバル車のヤリスクロスやキックスが搭載するストロングハイブリッドも、XVには設定がない。エコな電動パワートレインの投入は、今のスバル全体が抱える大きな課題のひとつとも言える。
急がれる電動パワートレインへの対応
中島飛行機に端を発し、シンメトリカルAWDやアイサイトなど、技術屋集団という印象のあるスバルだが、こと“電動化”という点ではいささか遅れを取っている点は否めない。これまでステラEVをはじめ幾度となく電動化には挑みつつも、ストロングハイブリッドやピュアEVの市販化には至っていないというのが現実だ。トヨタの技術協力を得つつ、北米ではPHVがラインナップされているのに対し、今回のマイナーチェンジで国内導入は見送られた。ともあれ、世界の潮流として「電動化待ったなし」という状況のなか、スバルなら私たちをワクワクさせるエコカーを作ってくれることに期待したい。
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