新型フェアレディZに続け! 日産がスカイラインを改良し続ける理由とは?
MōTA / 2020年9月16日 7時50分
フェアレディZのフルモデルチェンジで注目を集める日産は、伝統的なスポーツセダン「スカイライン」を2020年9月14日に一部改良した。2019年に大規模なマイナーチェンジを実施したばかりだが、更なる仕様向上が実施される。主な変更点をお伝えするとともに、Zと並ぶ日産の代表的ブランドであるスカイラインの今後について占う。
最強のスポーツセダン「400R」がもっとスポーティで特別なモデルに進化
400Rに専用内外装色を設定
今回の一部仕様向上では、スカイライン史上最強の405馬力を誇る「400R」に改良の手が加えられている。
ドアウエストモールディングにブラックの加飾を追加。400R専用の新色「スレートグレー」がボディカラーに追加設定され、内装でもホワイトの専用インテリアが設定された。
2019年のマイナーチェンジで追加された400Rは、スカイラインの販売の5割以上を占めるV6 3リッターツインターボモデルの中でも、半分以上を占める人気を集めた。しかも、50代後半が中心とされる高級セダン市場で、400Rは40代以下のユーザーが3割を占めるという。今回の改良は、日産の想定以上に支持を集めた400Rのキャラクターや特別感をさらに強調するものとなった。
このほかにも、もうひとつの新色「ディープオーシャンブルー」追加や、内装色「グレー」の設定(400R・GT除く)など、ユーザーの選択肢を広げる改良となった。
60年以上日産を代表してきたスカイライン
スポーツセダンのパイオニア
その後、レースで無敵の強さを見せ、スカイラインの名を世界にとどろかせた通称ハコスカこと3代目(C10型:1968-1972)。さらに、スカイラインGT-Rの復活と圧倒的な速さを誇った8代目(R32型:1989-1993/GT-R:1989-1994)など、スカイラインは常に速さを武器に戦い、すべての世代のスカイラインが、私たち車好きの記憶にしっかりと残っている。
“プレミアム”へ路線変更
つまり、11代目であるV35型(2001~2006)以降は、R34型までのように、速さだけを求めたモデルではなくなった。さらに言えば、ある程度の大きさが求められる北米にあわせボディは大型化し、デザインもどことなく日本車離れした趣になってしまった。
伝統のブランド「Z」と「スカイライン」が日産を変える!
2019年のビッグマイナーチェンジで「日本のスカイライン」が帰ってきた
現行型V37スカイラインは、2014年のデビュー当初インフィニティ(日産の海外向け高級ブランド)のロゴをつけ、スカイラインとは名ばかりの存在になっていた。そのことから「スカイラインは日本市場を見ていない」という、日産ファン、スカイラインファンには、もどかしく寂しい時が流れ続けた。
しかし2019年のマイナーチェンジでは、日本専用のエクステリア(もちろん日産ロゴ入りだ)や伝統の丸目4灯リアコンビランプの復活、日本だけのプロパイロット2.0搭載など、フルモデルチェンジ並みの改良を加えた。発表当時、日産の星野副社長は『スカイラインは“技術の日産”の象徴』『日本で最も長い歴史を持つブランド』であると宣言。V37型をインフィニティQ50(海外名)から、日本のスカイラインへと軌道修正を図ったのだ。これにはスカイラインファンも大いに反応を示した。
中でもコアなファンからは、史上最強の400Rの登場が、丸テールとともにスカイラインブランド復活の象徴として映ったことだろう。そのことがスカイラインの販売構成にも表れている。
伝統的ブランドに対する想いの強さから、次期モデルの登場にも期待が高まる
9月16日、スカイラインと並ぶ伝統的な日産のスポーツカーブランド「フェアレディZ」の新型プロトタイプが発表される。長らくモデルチェンジがなかったZをこうして重要視するのは、ブランドへの敬意の表れに他ならない。こうした姿勢は、単にZの販売だけではなく、日産ファンを生み出しブランド価値を高めていく土壌となるだろう。
ここ最近「日本市場をみてなかった」スカイラインは、2019年ひと足お先に生まれ変わった。今回のスカイライン改良は決して大きな規模ではないが、やはり日産のスカイラインに対する敬意とともに、スカイラインファンへの感謝が込められているように思えてならない。これまでのような寂しい状況にはせず、引き続き継続的な改良を続けていただくとともに、日本のための次期スカイライン登場にも大いに期待したい。
もちろん、スカイラインがいつまで継続されるのかはわからない。だが、スカイラインと肩を並べる盟友フェアレディZがフルモデルチェンジするなら、新型スカイラインの登場を期待せずにはいられないのである。
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