発売前のホンダeに乗れる! 車を売らないカーシェアに自動車メーカーが注力する理由とは
MōTA / 2020年9月25日 7時50分
発売前のホンダeを割安で借りることができるホンダのカーシェアサービス「EveryGo(エブリ・ゴー)」が話題となっているが、ホンダ以外の自動車メーカーも続々とカーシェアに参入。本来“車を売る”ことが目的であるはずの車メーカーが、なぜ“車を貸す”ことにも力を入れているのか?自動車メーカーを含む各社が展開するカーシェアの料金と、自動車メーカーが参入する目的について見ていこう。
入会金や距離料金無料! 200円/15分でホンダeに乗れる!
未来的で愛らしい見た目と、モニターだらけの車内などが話題の電気自動車Honda e(ホンダ イー)。いよいよ2020年10月30日から販売が開始されるが、実際には発表直後の9月7日には受注予定分を完売してしまった。公式のアナウンスによると次回再開は未定で、購入したいと思っても予約することすらできない。そんな、「乗ってみたい!」と興味がある方にとっては残念な状態のホンダeだが、なんと、9月初頭からホンダの会員制カーシェアサービス「EveryGo」に登場。会員登録と予約さえすれば、誰でもホンダeに乗ることができてしまうのだ。
ホンダ EveryGo:ホンダe特別料金
・入会金:無料
・月会費:無料
・料金(消費税込み):15分200円
・距離料金:無料
※8時間/6時間利用料金・ナイトパックの設定は無い
自動車メーカーのカーシェアはやや割安
低料金で最新の電気自動車に乗れるというだけでかなり魅力的だが、さらにEveryGoの利用料金には充電代(電気料)が含まれているため、車内にある専用の充電カードを使えば無料で充電できてしまう。。普通に考えると、「採算が取れないのでは?」と思えてしまうが、そこにこそ、自動車メーカー各社がカーシェアに参入する理由が含まれている。そこでまずは、国内主要メーカーが実施するカーシェアの料金と、その他サービスの料金を比較してみよう。
自動車メーカーのカーシェアサービス
■トヨタ:TOYOTA SHARE
・入会金:無料
・月会費:無料※キャンペーン中のため無料(2020年9月現在)
・料金(消費税込み):15分150円~/6時間3080円~
・距離料金:6時間を超える場合は11円~16円/km
■日産:e-シェアモビ
・入会金:無料
・月会費:1000円(月額無料プランもあり)
・料金(消費税込み):15分200円~/6時間3500円~
・距離料金:無料
■ホンダ:EveryGo
・入会金:無料
・月会費:無料
・料金(消費税込み):8時間3780円~(ホンダeは別プラン)
・距離料金:17円/1km(ホンダeは無料)
■ダイハツ:ダイハツ カーシェア
・入会金:無料
・月会費:無料
・料金(消費税込み):1時間700円~(15分/175円~)/6時間3600円~
・距離料金:6時間を超える場合は15円/km
その他カーシェアサービス
■タイムズカーシェア
・入会金:1,650円(会員カード発行料)
・月会費:880円(個人プラン)
・料金(消費税込み):15分220円~/6時間4290円~
・距離料金:6時間を超える場合は16円/km
■オリックスカーシェア
・入会金:1,050円(ICカード発行手数料)
・月会費:無料(個人Bプラン)
・料金(消費税込み):15分310円~/6時間5550円~
・距離料金16円/km
上記の料金を見ると、自動車メーカーが行っているカーシェアは、入会金と月会費が無料であることに加え、利用料も割安であることが分かる。
もちろん、専業業者に比べ、ステーションと呼ばれる駐車場所や扱っている車種が少ない。また、自動車メーカーのカーシェアのステーションは、ディーラーなどの系列店舗に設置されていることも多く、利便性という面ではやや不利。
だが、自動車メーカーのカーシェアは、最新の車種を取り扱っていることが多く、近くにステーションがあるのなら、最新の車をお得に利用できるというメリットもある。
自動車メーカーにとってメリットが大きいカーシェア
CASEによる自動車産業そのものの転換
本来、車を売ることが目的であるはずの自動車メーカーがカーシェアに力を入れている理由は、“CASE”が大きく関係する。
CASEとは、Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の4つの頭文字をつなげた言葉。もとは2016年に行われたパリモーターショーでメルセデス・ベンツ(ダイムラー)が発信した社会変化・技術変化を表す言葉である。
そのCASEがいかに重要であるかは、「トヨタはモビリティカンパニーを目指す」としたトヨタ自動車の豊田章男社長の言葉にもある通り、これからのCASE時代を生き抜くためには、“売る”から“貸す”というビジネスモデルの転換が必須となるだろう。
購入前に思う存分お試しができる
これまで新車の購入を検討するとき、ディーラーに出向いて試乗するというのが当たり前だった。しかし、一般的な試乗では営業マンが同乗することが多く、限られた時間で決められたコースを走ることしかできなかった。また、ディーラーに行って試乗すると、しつこく営業されるのではないかと不安に思う方も多いだろう。しかし、カーシェアなら借りている時間は車を自由に使える。いつも行くスーパーへ買い物に行ったり通勤に使ったりと、実際の使用環境で購入予定の車を試すことができるのだ。そして、家族や友人たちとの旅行や、車を所有していない人が必要な時にだけ使うという場合でも、車の買い替えや新たな購入の動機づけにもなるだろう。
このように、カーシェアは自動車メーカーにとって、あまり利益は望めなくても、重要なプロモーション施策の1つとして十分メリットのあるサービスなのである。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
距離で支払うマイカーリース「エンキロ」が、輸入中古車リースの提供を開始
PR TIMES / 2024年11月1日 16時15分
-
充電150回、1万7000km:『ホンダe』長距離レポート…試乗記ランキング 10月
レスポンス / 2024年11月1日 12時30分
-
「使い勝手が良すぎる」「軽貨物始めたい」ホンダの軽商用EV『N-VAN e:』ついに発売、SNSでの反響は
レスポンス / 2024年10月31日 20時15分
-
ヤリス/ノート/フィットに透けるメーカー事情 3車に見た「トヨタ/日産/ホンダ」強みと弱み
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 8時40分
-
ホンダ新型「スゴイ軽バン」発表! 最大「100万円以上」オトクに買える!? 超静音モデルの「N-VAN e:」に試乗して分かった“エンジン超え”の走りとは?
くるまのニュース / 2024年10月29日 8時25分
ランキング
-
1「運転する夫に『間違えてばっかり!』と怒鳴ったら、路肩に急停止。怖くて大ゲンカしましたが、私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「お前が運転しろ」「料理してる時に言われたらどうする」の声も
くるまのニュース / 2024年11月26日 12時10分
-
2ダイソーで販売「グミ」に回収命令……「深くお詫び」 使用不認可の着色料を使用、5万7000袋を回収
ねとらぼ / 2024年11月26日 18時1分
-
3風邪の初期症状の正しい理解と市販薬の使い方を知る…「ひき始めに服用する」わずか4%
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分
-
4究極に美味しい「たらこスパゲティ」の作り方。コツは1つだけ:11月に読みたい記事
女子SPA! / 2024年11月26日 8時44分
-
5「50代でモテている男性」3つの特徴。見た目が渋くてカッコいい「イケオジ」じゃなくてOK
日刊SPA! / 2024年11月26日 15時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください