ダイハツ vs. スズキ! 日本の独自規格「軽自動車」を牽引する2大メーカーを比べてみた
MōTA / 2020年10月5日 7時50分
狭い日本での使い勝手も良く、庶民の足として今や新車販売の4割以上を占める軽自動車。そんな日本の独自規格である軽自動車の2大メーカー「ダイハツ」と「スズキ」は、長きに渡り軽のトップシェアを争うライバル関係にある。国内生産累計台数3000万台を達成したダイハツと、かつて34年間軽自動車No.1の座に君臨し続けたスズキ、両者の歴史と特徴について振り返る。
国内最古参自動車メーカーのダイハツ
ダイハツは2020年9月生産分の実績をもって、国内生産累計台数が3000万台を達成したと発表。他社へのOEM供給車両を除く国内生産車両での数字であるため、改めてダイハツというメーカーの歴史を感じさせる。ダイハツは1907年(明治40年)、エンジン製造メーカー「発動機製造株式会社」として創業を開始。1931年(昭和5年)には、500ccエンジンを搭載した三輪自動車「ダイハツ号」を発売し、2020年で113年を迎える日本最古参のメーカーだ。
トヨタ傘下となりつつ日本のコンパクトカーを支える
戦後となる1951年(昭和26年)にダイハツ工業株式会社に変更。1967年にトヨタと業務提携を結び、1998年からはトヨタの連結子会社となっており、小型SUVのライズはトヨタ ライズとして、コンパクトトールワゴンのトールは、トヨタ ルーミー、スバル ジャスティとしてOEM供給されている。
2006年度~2019年度の14年間、軽自動車販売シェアランキング1位を獲得。全国軽自動車協会連合会が発表した2020年1月から8月の軽自動車届け出台数は33万2492台でトップを維持するなど、日本のコンパクトカーを代表するメーカーだ。
永遠のライバル“スズキ”という存在
ダイハツを語る上で外せないのが、永遠のライバルであるスズキの存在だろう。スズキのスタートは、1920年(大正9年)に創業した鈴木式織機株式会社。織機からという点では、トヨタと同じスタートということになる。また、自動車の製造では、4輪ではなく2輪からスタートしており、これはホンダとルーツは同じで、発祥も静岡県という共通点を持つ。
34年間軽自動車販売台数トップ! インドでの販売も好調
同社初の4輪自動車は、1995年に登場した軽自動車のスズライトで、その後もキャリイ(1961年)やジムニー(1970年)、アルト(1979年)など、現在でも販売されている軽自動車を生み出す。1973年から2006年までの34年間トップを守り、「軽自動車といえばスズキ」というイメージを定着させた。また、2007年以降はダイハツに軽自動車No.1の座を譲るものの、スイフトをはじめとした小型乗用車の販売も好調に推移している。
2017年には国内四輪車の累計販売台数2500万台を達成、また、インドでインドで四輪車累計生産2000万台を達成するなど、国内のみならず、世界で活躍するコンパクトカーメーカーだ。
メーカーの切磋琢磨はユーザーに取ってプラス
先にも触れたように、2020年1月から8月の軽自動車届け出台数ではダイハツが軽自動車でトップの座を死守しているものの、ダイハツとスズキの差は1303台しかない。さらに、単一車種で言えば、ホンダ N-BOXが依然としてトップ(2020年1月~8月の累計販売台数:13万2190台)となっており、軽自動車トップの座をかけた争いは激化している。軽自動車やコンパクトカーは、限られたスペースをいかに活用できるかが肝であり、日本人が得意とする創意工夫が活かされるジャンルだ。ダイハツやスズキ、ホンダが切磋琢磨することで、さらに魅力的なコンパクトカーや軽自動車が生まれることを期待したい。
ダイハツ工業株式会社 | スズキ株式会社 | |
---|---|---|
創業 | 発動機製造株式会社 (1907年) | 鈴木式織機株式会社 (1920年) |
初めて発売した市販車 | ダイハツ号(1931年) | スズライト(1955年) |
2019年度軽自動車販売台数 | 588,362台 | 554,444台 |
2019年度軽自動車国内シェア | 32.2% | 30.0% |
2019年登録車販売台数 | 43,609台 | 122,028台 |
2019年登録車国内シェア | 1.3% | 3.7% |
※出展:一般社団法人 日本自動車販売協会連合会、一般社団法人 全国軽自動車協会連合会、およびダイハツ、スズキコーポレートサイトより
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