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【写真で解説】新型ヤリスとVW ポロを比較してみた

MōTA / 2020年10月8日 19時10分

新型ヤリス vs VW ポロ

2020年2月に、ヴィッツの後継モデルとして登場したトヨタ 新型ヤリス。コンパクトカーならではの軽快なハンドリングという強みを活かしつつ、上質な乗り心地と最新の安全・安心技術を兼ね備え、瞬く間に人気車種となった。今回はそんな新型ヤリスを輸入車のライバルとなるフォルクスワーゲン ポロと比較する。

新型ヤリス vs VW ポロ

トヨタの本気が凝縮されたグローバルコンパクトカー

新型ヤリスはコンパクトカー向けのTNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォーム GA-Bを初採用し、軽量かつ高剛性、低重心なボディを実現。

ボディサイズは、全長が3940mm、全幅は1695mm、全高は1500mmに収まる。全長は4m以下で最小回転半径も4.8~5.1mなので小回り性能も良好だ。全高は1550mm以下だから、立体駐車場を利用しやすい。

外観はサイドウインドウの下端を後ろに向けて大きく持ち上げており、斜め後方の視界はあまり良くない。購入時には縦列駐車や車庫入れを試したいが、視界に不満がなければ、ボディが小さくて小回りも利くから狭い裏道や駐車場でも運転しやすい。

対するポロのボディサイズは全長は4060mm、全幅は1750mm、全高は1450mm。現行モデルは先代型に比べると65mm長く、同じく65mmワイドで10mm低い。ホイールベースは2550mmだから80mm拡大。先代型まで5ナンバー車だったが、現行モデルでは3ナンバー車になった。

さらに最小回転半径も、先代型の4.9mから現行モデルは5.1mに拡大。輸入車では小回りが利く部類に入るが、先代型に比べれば大回りになる。ポロの運転感覚は、1997年に発売された4代目ゴルフに近い。

新型ヤリスでは、後席は大人の場合居住性を要確認

新型ヤリスのインテリアでは、インパネの周辺に囲まれ感があり、ドライバーが車両との一体感を得やすい。前席はサイズに余裕を持たせ、腰の近辺をしっかりと支える。コンパクトカーのシートとしては上質だ。

いっぽう、後席には注意したい。ヤリスのプラットフォームは前席優先に開発され、ペダル配置などを最適化したが、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の割に後席の足元空間は狭い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々だ。大人4名の乗車は可能だが、後席の使用頻度が高いユーザーは居住性を確認したい。

対するポロのインテリアは、インパネ周りではカーナビなどの画面が最上部にあって視認性が良い。エアコンのスイッチなどを含めてドライバー側に少し傾けられており操作しやすい。

インパネの中央には、インフォテイメントシステムのコンポジションメディアが標準装着され、CDやMP3などの再生、ハンズフリーフォンの機能が備わる。

後席は身長170cmの大人4名が乗車して、乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半くらいだ。4名乗車にそこまで支障はない。座面は前側が持ち上がり、膝から先が前方に投げ出されないから、狭い空間に体が収まる。後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすいことも空間効率を高めた。座り心地は前席よりも硬く、拘束感を伴うが、ボリュームも相応に確保した。

新型ヤリス1番の特徴は上質になった運転感覚

新型ヤリスの一番のセールスポイントは、プラットフォームの刷新に基づく優れた操舵感と走行安定性だ。コンパクトカーとしては、操舵に対する反応を正確に仕上げた。ステアリングシステムの支持剛性が高く、小さな操舵角から、車両が正確に向きを変える。従来型のヴィッツを含めて、コンパクトカーはコストを重視して開発されるから操舵感が曖昧になりやすいが、ヤリスはそこを改めた。

新型ヤリスでは運転感覚が上質になり、高速域における進路の微調節もしやすいので、運転の楽しさと安全性をバランス良く向上させている。峠道を走る時の安心感が高い。カーブに進入した時に旋回軌跡を拡大させにくく、適度にスポーティな走りを味わえる。下り坂のカーブでは、後輪がしっかりと接地しているから不安定な挙動に陥りにくい。

いっぽう、ポロの走行安定性も良好で、ハンドルを切り始める時の正確性が高い。微小舵角の曖昧さを払拭したから操作しやすく、上質な印象も伴う。車両との一体感も得やすい。4輪のグリップ性能を巧みに引き出して、カーブを曲がる時の接地性も高めた。

乗り心地は低速域で硬めに感じるが、粗さが抑えられて重厚感が高い。Uターンした後など、前輪をフルに操舵した状態から少し強めの加速をすると、直進状態に戻ろうとするハンドルの反力が唐突に高まる。粗削りな面も少し残るが、安定性と乗り心地は、プラットフォームの一新もあって進歩している。

[筆者:MOTA編集部]

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