歴代フェアレディZが勢揃い! 新型フェアレディZのデザインは懐かしさの塊だった!?
MōTA / 2020年10月18日 12時55分
2020年9月16日、世界初公開された7代目フェアレディZのデザインは、新しいのにどこか懐かしいデザインだ。それもそのはず、1969年デビューの初代S30型を始めとする歴代Zのイメージを強く継承したものだという。ここで改めて歴代フェアレディZと新型を写真でじっくり比較してみよう。
新旧フェアレディZのデザインを改めて見比べてみた!
2020年9月16日、横浜で世界初公開され話題を呼んだ日産 新型フェアレディZ プロトタイプ。7代目となる黄色いNEW Zのプロトは現時点で世界に1台のみの貴重なもので、まず日本で公開されたあとは全世界で順次公開される予定となっている。先日10月11日、歴代フェアレディZオーナーに向け、日本では当面の間ラストとなるサプライズ公開が東京・代官山T-SITEのイベント「モーニングクルーズ」で行われた。
当日会場に集まった初代から現行型まで6世代のフェアレディZの姿を見比べながら、歴代Zのイメージを継承したという新型Zのデザインについて改めてチェックしてみよう。
テールゲートのカッコいいエンブレム、角度は直前に貼り換えて直した!?
代官山のイベントでは、特別ゲストとして日産自動車でフェアレディZのプロジェクトをまとめる田村 宏志 チーフプロダクトスペシャリストと、Z32型フェアレディZ(4代目:1989年~2000年)のデザインにも携わった田井 悟 エグゼクティブデザインダイレクターが登場しトークセッションを開催した。田井氏は、新型フェアレディZのデザインテーマについて、初代のS30型Z(1969年~1978年)から続く“Zらしさ”の伝統を、新たに解釈したものだと説明する。
そこで田村氏がポロっと話していたのが「当初、リアのエンブレムは横向きだった。でもこれは斜めでしょと主張して今の角度に貼り換えてもらった」という仰天エピソード。なるほど初代S30型フェアレディZのテールゲートにあるエンブレムは、筆記体のグラフィックが映える角度に入っていて印象的だ。
ちなみにリアスポイラー付きのモデルだと、スペースの都合でエンブレムも横向き。実際にスケッチを描いたデザイナーは、スポイラー付きのほうをイメージしていたのかもしれない!?
フロントデザインのイメージは240ZGの“Gノーズ”から
初代フェアレディZは、当初ノーズの先端にスクエアのフロントグリルが備わるデザインだった。これが1971年に追加された240ZGでは、空気抵抗を軽減させるエアロダイナノーズ、通称“Gノーズ”を鼻先に加え、ライトまわりも透明なカバーで覆った。よりスムーズなデザインとなった240ZGは、リベットで留められたオーバーフェンダーの迫力や、2.4リッターに拡大され性能を向上させたエンジンと相まって、初代S30型Zのイメージリーダーとなっている。新型はそうしたGノーズや、ヘッドライト回りのイメージを継承しているという。エンジンの鼓動を感じる! ボンネット上のパワーバルジにも注目
ちなみにS30Zのボンネット上の起伏は、縦置きエンジンの存在を感じさせるデザインだが、新型Zでもその意匠を継承している点にも注目したい。車幅や直6とV6の違いもあって、バルジの横幅は随分と違うが、エンブレムの位置も含めて揃えてある。新型のノーズにあるNISSANマークは、出来ればZのエンブレムに換えたいところだが。また残念ながら新型フェアレディZ プロトタイプの綺麗なパールイエローのカラーは、写真で撮るとベタっと写ってしまいがち。この部分を含め、ボディサイドのキャラクターラインなどのエッジ部が少々わかりづらい。機会があればぜひ、そうしたラインが明確にクッキリ出そうなダーク系やシルバーに塗った新型フェアレディZも早く見てみたいものだ。
テールランプはZ32型フェアレディZのデザインをモダンに昇華
日産の田井エグゼクティブデザインダイレクターは、新型フェアレディZのテールランプ形状について、綺麗なグラフィックを持つZ32型のデザインを現代風にアレンジしたものだと説明する。当時出来なかった表現も、LEDの採用により繊細な形状とすることが出来た。また田村チーフプロダクトスペシャリストも、リアのデザインにはこだわりをもっており、何度もやり直しを命じたという。結果として新型フェアレディZは、なるほどスタイリッシュなリアビューに仕上がった。しかも単なるレトロデザインではなく、モダンな印象も強い。これは写真よりも、実車を見たほうが実感出来るだろう。田井氏も「“映像と実車は違うね”と言われ嬉しい」と語っていた。
あとは1日も早く、市販版モデルを路上で見てみたい! 正式デビューの日は公式には発表されていないが、早くとも2021年の半ば以降になりそうだ。
[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]
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