今までのマツダのイメージを捨てよ! MX-30は走り&質感ともに全くの新しいクルマだった
MōTA / 2020年10月28日 14時30分
今までのマツダ車とは全然違うデザインに、なにより注目の観音開きドアなどツッコミたくなる要素が盛りだくさんのMX-30。だが、見た目以上に乗り味もCX-5やCX-30など既存モデルとは味付けがかなり違うというが果たして……。マツダが電動化戦略の第一弾モデルとしてデビューしたMX-30の実力やいかに。 >>
今までの常識を捨てよ! チャレンジングな内容だった
2020年10月8日発売されたマツダの新型SUV「MX-30」は、誤解を恐れずに言うなら「走るコトだけが目的ではないクルマ」である。
MX-30は、移動中だけでなく、停まっている時も車内で心地良く過ごせるクルマという意味では、主査の竹内都美子氏が語る「新たな価値を提供できる商品」というコンセプトの具現化に成功したように思える。
だがMX-30はカフェ空間でもデザインホテルでもなくクルマだ。静的な質感と、走りや快適性といった動的な部分のバランスは、このクルマにとってとても重要である。今回は神奈川県川崎市の多摩川沿いにあるホテルを起点に試乗する事ができた。
デザインが秀逸! キモの観音開きの使い勝手は……
筆者の目が慣れてきたのかもしれないが、他に似たものが無い個性的なデザインが、魅力的に見えてきたのだ。
MX-30のデザインは「クリーンで躍動感を抑えた」と言われているが、実際には「シンプル」とひと言では片付けられない、かなり凝った造形をしている。
とくにフロントマスクや前後フェンダーなどは、見る角度によって印象がかなり変化する。時間がたっても飽きが来ないデザインなのかもしれない。
リヤドアのデザインはイイが、使い勝手はイマイチ
メリットは、クーペフォルムながら4枚ドアを実現した点や、後席へアクセスするときに、ドアを回り込む必要がない点など。Bピラーが無いので、小さな子どもをチャイルドシートに乗せ降ろしするときなどは、確かに便利だろう。
一方デメリットは、後席の乗員が自力で乗降できない点だ。フロントドアが空いた状態でないとリアドアは開閉出来ないので、必ず誰かにドアを開け閉めしてもらわなければならない。
あと、フロントドアが90度近く開くのはとても良いのだが、途中にストッパーがないので、駐車場では隣のクルマに気を遣うだろう。
イイ意味でモーターを感じさせない超自然な走り
モーターの出力は小さいものの、発進時からクルマの動きがとても軽い。加速もとてもスムースで、プラットフォームを共用するCX-30のディーゼルモデルほどではないものの、十分以上の力強さだ。
またスカイアクティブXの必要性も特に感じない。ブレーキバイワイヤによる回生ブレーキの制御も巧みで、減速フィールにも全く違和感はない。
4WDモデルも基本的に2WDと同様だが、乗り心地は若干だがコシが強い印象で、ドライブシャフトがキャビンの下で回転しているためか、ほんの少しだがノイズが大きく感じた。
ハンドリングは、CX-30と比較すると、ステアリングの入力に対するゲインが若干緩やかだが、狙ったラインを外すようなことはなく、しなやかにコーナリングする印象だ。
また直進性は良く、高速道路でも高い安心感が感じられるので、とても落ち着いた気持ちで運転できる。これまでのマツダ車の走りのイメージとはかなり異なる、「癒やし系」の穏やかな走りと言える。
快適性はバツグン! 静粛性もお見事なデキ
フロントよりもリアをよりソフトにした足まわりりが奏功して、後席の乗り心地も良好。落ち着いたハンドリングを狙ったチューニングが、乗り心地にも寄与しているというわけである。
また、静粛性の高さも特筆ものだ。ロードノイズだけでなく、エンジンノイズもしっかり抑えられている。
もちろん全く聞こえないわけではないが、MX-30はパワートレインの存在を必要以上に意識させずに、心地良い空間に包まれて移動できるクルマに仕上がっていると言って良いだろう。
先進安全装備が大幅向上! プロドライバーなみのライン取りも
もうひとつ、今回のMX-30から変わったのがレーンキープ・アシスト・システム(LAS)だ。
これまでマツダ車のLASは、車速が60km/h以下で作動し、これを超えるとカットされてしまっていたのだが、MX-30では、60km/h以上で走行中に白線(黄線)を検知し、車線の中央をキープするようになったのだ。
またコーナーでは若干イン側を走行して、ドライバーの感覚に近い制御も実現している。これにより長距離ドライブの疲労が大きく軽減される事は確実だ。
完成度高し! だが販売は苦労する予感
だが出来上がったクルマ自体は、とても洗練されていて、気分がパッと明るくなる、自然体で付き合えるクルマに仕上がっていた。これから市場にどう受け入れられていくのか、とても興味深い一台である。
【筆者:竹花 寿実/撮影:大西 靖】
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