トヨタ、新型ヴォクシー/ノアの発表を正式予告! 2022年1月に8年ぶりのフルモデルチェンジ実施へ
MōTA / 2021年12月9日 11時30分
2021年12月8日(水)、トヨタが人気Mクラスミニバン「ヴォクシー」「ノア」を2022年1月にフルモデルチェンジすることを公式サイト上で明らかにした。2014年1月のデビューから8年目を迎え今も好調な売れ行きを示すヴォクシー/ノアは、どのように変わるのか。新TNGAプラットフォームの採用で、走りやパッケージング、そして先進運転支援機能も大幅に進化する模様だ。販売チャンネル統合により兄弟車が消滅しつつあるトヨタでは異例の新型「ヴォクシー/ノア」兄弟、その最新予想についてお届けする。
デビュー8年目、いよいよ待望のフルモデルチェンジ実施へ
トヨタは2021年12月8日(水)、人気ミニバン「ノア/ヴォクシー」を2022年1月にフルモデルチェンジすることを公式ホームページ上で予告した。サイト上では「NOAH VOXY NEW 2022.1 DEBUT」の文字と、ノア・ヴォクシーの画像が2枚並び、あとは「COMING SOON」とあるのみ。今回公開された画像は、新型ノアと新型ヴォクシーのフロント一部分のみだが、現行型のイメージを継承しつつも、さらに迫力あるフロントマスクへと進化していることが伝わってくる。
トヨタのサブスクサービス「KINTO」でも取り扱い決定
またサイト上では、トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO(キント)」でも新型ノア/ヴォクシーを取り扱うとの記載が見られる。KINTOの詳細ページをのぞくとこちらも詳細は「COMING SOON」。「新しくなったノア、ヴォクシーで、心躍るクルマライフを!」「新年はKINTO ONEで、新しいノア、ヴォクシーに!」のコピーで期待を高めていた。
また新型ノアは「生まれ変わったデザインが、あなたをもっとワクワクさせる」、新型ヴォクシーには「個性を増したスタイルが、あなたをきっと釘付けにする。」とのコメントがあり、それぞれのモデルの個性や特色を密かに表現している点に注目したい。このほか12月8日時点で、新型ノア/ヴォクシーに関するグレードや価格、スペックといった仕様の詳細情報の記載は一切ない。
現行型ヴォクシーの誕生は2014年1月、その前の2代目はおよそ7年でフルモデルチェンジを実施
トヨタ ヴォクシーは現行型で3代目。フルモデルチェンジしたのは2014年1月だから、デビュー8年目のベテランモデルであるが、2021年4月~9月の自販連※調べによる販売ランキングでは10位(6か月で3万1065台/月平均5177台販売)に位置する。さらに兄弟車のノア(17位/2万578台)、エスクァイア(42位/5226台)と合算すると5万6869台だ。同期間のトヨタ カローラ(3位/4万8909台)を上回る売れ行きを示すなど、モデル末期ながら旺盛な需要を示している。
とはいえ、初代(2001~2007年)、2代目(2007~2014年)ともに、およそ6~7年でフルモデルチェンジを実施していることから、順当にいけば現行型もいつ新しくなってもおかしくはない。
※自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)発表「乗用車ブランド通称名別順位」より。軽自動車を除く。
ヴォクシー3兄弟で年14万台販売の実力! 統合すればミニバンNo.1の巨大銘柄が誕生する
トヨタは、一部地域を除き全部で4つの販売チャンネルがあった。ネッツ店向けにヴィッツ(現:ヤリス)、カローラ店にはカローラシリーズ、トヨペット店にはハリアーといったように、それぞれに専売車種も設け独自性を保つとともに、各店にちらばる兄弟車を競合させることで自社内での販売競争も発生。それが他社銘柄への流出を抑制する巧みな構造にもなっていた。2020年5月、トヨタの4つの販売店チャンネルが統合、ヴォクシー3兄弟はどうなる!?
しかしトヨタは2020年5月に、それまで販売チャンネル毎に専用モデルを用意する体制に大変更を実施した。全店舗で全車種が扱えるようにしたのだ。プリウスやアクア、シエンタなど全店併売のモデルは存在していたが、例えばネッツ店でも、他店専売だったカローラやハリアーが買えるような仕組みとなった。いっぽうで「タンク」が廃止され兄弟車の「ルーミー」に1本化されたり、「アルファード」の兄弟車「ヴェルファイア」が大幅なモデル整理の対象となるなど、他社に比べ数の多いトヨタ車ラインナップも、徐々に統廃合が進んでいる。
ミニバン3兄弟の販売人気はヴォクシー、ノア、エスクァイアの順
ネッツ店専売だったヴォクシー、カローラ店専売だったノアと、トヨタ店・トヨペット店向けだったエスクァイアには、それぞれのモデルに特徴が設けられていた。しかし次期モデルで3つが残ることは考えにくい。果たして次期ヴォクシー兄弟はどうなっていくのだろうか。
2020年度(2020年4月~2021年3月)の新車販売では、ヴォクシーが7万1903台、ノアが4万6755台、エスクァイアが1万9800台を売っている。単一銘柄ではこれまでライバルの日産 セレナ(6万5302台)がカテゴリーNo.1を維持していたが、2020年度はヴォクシーが抜いた。そればかりか、トヨタミニバンの3兄弟を合算すれば約14万台規模になり、ダントツの1位となる。
もし車種統合が実現すれば、2020年度2位のトヨタ ライズ(12万988台)や3位のカローラ(11万2777台)を超え、1位のヤリス(20万2652台)に迫るミニバン界の巨人が誕生することになる。
2022年1月ついにフルモデルチェンジへ! 新型ヴォクシー/ノアは統合されず2台体制に
既に販売店では2021年10月時点で新規の受注を停止し、メーカーオプションなどの個別オーダー対応は終了した。現在は各販売会社の在庫車販売に移行している。2021年12月8日にトヨタが正式にティザーサイトをオープンしたことで、いよいよ全国の販売店でも事前の予約商談が始まる。
ここからは編集部独自に入手した情報を交え、4代目となる新型ヴォクシー及びノアについて探ってみる。
まずは現行型3兄弟体制、ヴォクシー、ノア、エスクァイアそれぞれの役割分担について、おさらいしてみよう。
現行型は3兄弟の特徴を生かした3タイプ体制
現行型のヴォクシーは、兄弟車中で最もやんちゃな印象。押し出し感のあるスポーティなデザインが特徴だ。2020年4月末にグレード体系を整理。エアロパーツを備えたZSグレード系のみに絞られたことで、そのキャラクターが明確にされた。それに対しノアは、もともとファミリー層を意識した穏健なデザインや内外装の色使いが特徴だった。しかし2017年7月のマイナーチェンジでメッキ加飾を増やし、高級感ある派手めなデザインとなった。これは日産 セレナやホンダ ステップワゴンも同様の傾向であることから、ライバル車の動向も強く意識した対策とみられる。
2014年に遅れて登場したエスクァイアは、ミニアルファード風の高級感を押し出した内外装が特徴。しかし2021年9月時点で、トヨタのエスクァイア公式ホームページ上では、他の兄弟に先駆け「2021年12月上旬をもって生産終了」と公式に宣言されている。
エスクァイアは廃止、ヴォクシーはノア統合で動いていたが…ヴォクシーの好調な売れ行きを受け変更か!?
残るヴォクシーとノアも、一時は完全統合する方向で動いていたようだが、ヴォクシーの好調な売れ行きを受け、土壇場で変更がかかったようだ。エアロカスタム系のヴォクシーと、エスクァイアの路線も吸収しファミリー&高級系に寄せたノアで、明確にキャラクターを分けて売り出される。セレナのプロパイロットに対抗するにはTNGA化が必須
新型ヴォクシーに、トヨタが水平展開を進める「TNGA」(Toyota New Global Architecture:トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のGA-Cプラットフォームが採用されるかどうかは不透明な状況だ。現在人気のミニバンとはいえ、需要も一巡したうえSUVブームも拡がりをみせており、先行きが読みづらいところがある。
背が高く車体が四角く大きいことから、燃費や走行安定性の面で不利なミニバンだが、低重心で操縦性に優れるGA-Cプラットフォーム採用でネガの改善を図ることが出来るのは確かだ。またライバルの日産 セレナの“プロパイロット”で先行されるADAS(先進運転支援システム)や安全機能の新規採用も、TNGA化したほうが導入しやすい。
しかし旧モデルのキャリーオーバーでモデルチェンジが行われる可能性も現段階では否定出来ない。今後の動向に注目したい。
2022年1月発売予定だが、部品供給の遅れが気になるところ
パワートレインは、現行型同様の2リッターガソリンエンジンと1.8リッターハイブリッドのラインナップとなる見込み。現行型の燃費がガソリン13.2km/L、ハイブリッド19.0km/L(WLTCモード燃費)だが、そちらの改善にも期待がかかる。なお新型ヴォクシーの価格帯については、新プラットフォーム採用や安全装備の機能向上があれば、据え置きとはいかないだろう。しかし激戦区ゆえ、現行型ヴォクシー・ノアの10~15万円高程度、およそ360万円から250万円クラスに抑えてくるものと思われる。
気になる新型ヴォクシー/ノアの発売時期だが、12月8日に2022年1月に正式発表されることがトヨタから明らかにされた。ただし昨今の部品供給の遅れは深刻で、正式発売の予定はずれ込む可能性もあるという。2021年12月より販売店での先行予約を実施し、2022年春に正式発売という流れになる可能性はある。このあたりの情報は、わかり次第随時更新していく。
[まとめ:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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