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なんでトヨタって水素自動車を本気で開発してるの? そのワケとは!?

MōTA / 2020年11月1日 9時20分

トヨタ MIRAI Concept[東京モーターショー2019 FUTURE EXPO 出展車(参考出品)]

トヨタが世界初の水素自動車MIRAIを発売したのは2014年のこと。初代モデルは正直にいえば「早く水素自動車を世に」という意識が強く、クルマとしての完成度は道半ばというイメージであった。が、そもそもなぜトヨタは水素自動車を積極的に開発を進めているのか? そのワケとは!? >>

トヨタ MIRAI Concept[東京モーターショー2019 FUTURE EXPO 出展車(参考出品)]

水素自動車ってそもそも何!?

2014年にデビューした世界初の量産型水素自動車のMIRAIは、累計1万台を売り上げたモデルだ。ビジネス的に決して成功とは言えないものの、水素自動車初の市販化という大きな貢献を果たした歴史的なクルマなのだ

水素自動車と聞けば、どんなイメージか。水素爆発するんじゃ? なんて考える人や、一体どんなクルマなのかと想像すらつかない人も多いハズ。

ざっくり言ってしまえば、水素自動車は水素を充填(ガソリン車でいうところの給油)をし、水素と酸素が化学反応をすることで発電。発生した電気を動力源とするクルマで、雑に表現すると乗り味はEVと一緒と考えてほしい。

世界のメーカーが開発する理由って!?

水素自動車の歴史(量産モデル)を振り返ると、トヨタが2014年に世界初量産モデルMIRAIを発売し、その後メルセデス・ベンツやヒュンダイなど世界各国のメーカーが挑戦している分野だ。

そうそうたるブランドがなぜ水素自動車に手を出しているのか。簡単に言えば、将来内燃機関なのか、あるいはEV、それともハイブリッド? とどんなエネルギーが主力になるか全く想像もつかないからで、選択肢のひとつとして“水素”が入っているというイメージだ。

EVのネガを払拭! 充電時間はたった3分

これまたトヨタが世界に先駆けて1997年に投入したハイブリッドカー、プリウス。その知見を生かしてバッテリーEVを開発すると思いきやトヨタは……

トヨタといえばプリウスに代表されるようにハイブリッドが得意中の得意であるため、その知見を生かしてバッテリーEVを開発すればイイのでは? との意見もあるが、トヨタの考えは違う。

というのも、EVに乗っている方なら痛感しているだろうが、電気自動車の最大のネガは充電時間。内燃機関車の給油は最大でも5分程度だが、EVとなれば急速充電器を使っても30分以上で、普通充電に至っては半日~1日かかってしまうこともあるほど、とにかく時間がかかってしまうのだ。

水素ステーションは設置数が少ないだけでなく、実際の運営にも少々問題がある。それは営業時間が圧倒的に短いコト、さらに移動式ステーションに至っては「10月31日の15時にいきます」と事前に連絡が必要な場合もあり、まだまだガソリンや経由と同じというワケにはいかないのだ

ところが水素は、内燃機関車以上に短い3分でフル充填が可能なのだ。加えて、電気とは異なり貯蔵できるうえに、移動ができるというのが大きなポイントである。事実、据え置きの水素ステーションのほかに移動式の水素ステーションも存在しているほど。

もっといえば、水素はさまざまな一次エネルギーから生成できるため供給量の問題もないのだ。以上の点から、トヨタは水素を長い目で見てもっとも有効なエネルギーと捉えているワケ。

もちろん課題もたくさんあり、1番のネガは水素ステーションの少なさだ。2020年10月現在でも全国に112箇所程度で未だに設置している高速道路のパーキングエリアはないなどの問題もある。

すでに都内は水素バスが運行している。このバスはMIRAIの水素スタックを使用し、航続距離を伸ばしたモノ

まだ水素自動車が少ないから設置しても……という側面はあるにせよ、少々不便なのも事実だ。だが、そこはトヨタ。MIRAIからはじまる水素社会を見据えて、大型トラックやバスといった商用車の開発も行っており、そこから乗用車のラインアップも増やしていくという構えなのだ。

新型MIRAIが昨年の東京モーターショーに出展されていただけに、登場は間も無くか!?

まだまだ水素自動車はインフラ整備が整っていないが、今後の商品展開に期待したいところだ。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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