アルファード独占市場にホンダが再勝負! 新型オデッセイはどこが変わった!?
MōTA / 2020年11月7日 9時50分
2020年11月、ホンダのミニバン「オデッセイ」がマイナーチェンジを実施した。高級ミニバンクラスで「トヨタ アルファード」が人気を独占する中でオデッセイはどう変わったのか。内外装の違いなど写真を中心に徹底比較する!
アルファード独占市場に待ったをかけた新型オデッセイ
2020年上期販売ランキング4位を記録したアルファード
高級ミニバンクラスでは現在、トヨタ アルファードが大人気だ。2020年9月の新型車販売ランキング(自販連調べ・軽自動車除く)では4位に位置し、月販10436台を記録。コロナ禍の影響をもろに受けたはずの上期(2020年4月~9月)でも44311台(月平均7385台)と、400万円以上する高額車にも関わらず、まるで大衆コンパクトカー並みの台数を販売。圧倒的な強さを見せつけた。押しの強いデザインと、誰が見ても納得の明確な高級感が支持を集めた格好だ。対するホンダ オデッセイは、2020年1月から6月までの半年で4880台(月平均813台)と、比べ物にならないほどの大きな差をつけられている状況だ。
そんな中、2020年11月にホンダ オデッセイが、まるでフルモデルチェンジ並みの刷新を図った! アルファード独占状態に待ったをかけるホンダのリベンジについて、写真と共に紹介しよう。
オデッセイの改良はマイナーチェンジの規模を超えた
ほぼフルモデルチェンジ!? 内外装をごっそり変更
新しくなったホンダの新型オデッセイは、フェンダー周り(フロントタイヤまわりのボディパネル)からボンネット、ライトからグリルに至るまで全ての形状を一新。リヤ側もかなりの大改造を施している。全体に丸みを帯びていた従来型のフォルムから、クラスが上がったかのように立派になった印象だ。室内でもインパネ周りをごっそり変更するなど、通常のマイナーチェンジではなかなか実施しないほど手を加えた。
アルファードとオデッセイの2台を数値で徹底比較
ここで改めてアルファードとオデッセイの2台を比べてみよう。
トヨタ アルファードは、全長4945mm×全幅1850mm×全高1950mm、ホイールベース(前後車軸間の距離)3000mm。直4 2.5リッターとV6 3.5リッターのガソリンエンジン、そして2.5リッターハイブリッドと3つのパワートレインを用意する。車両重量は1920kgから2240kg。価格は352万円から775万2000円までとなっている。
一方のホンダ 新型オデッセイは、全長4855mm×全幅1820mm×全高1695mm、ホイールベース2900mm。直4 2.4リッターガソリンエンジンと、2.0リッターハイブリッド「e:HEV(イー・エッチイーブイ)」の2つのパワートレインを用意する。車両重量は1820kgから1930kg。価格は358万3000円から458万円だ。
比べてみると、両車は随分とサイズが違うことがわかる。特に背の高さで比べるとオデッセイは255mmも低い。数値上で比べると、この2台をライバルとするのは実はかなり無理があるようにも思える。実際に乗り込んでみてわかる2台の違いとは
ところが、いざ車内に乗り込んでみると面白いことがわかる。アルファードの室内高は1400mm。それに対しオデッセイの室内高は1325mm(ガソリン車)と、その差は75mmにまで縮まるのだ。床が1段高く上げ底になっていて、特に運転席などはよじ登るような感覚のあるアルファード。それに対しホンダは段差もほぼなく、乗り降りは非常にスムーズと、まるで違う。
上げ底にした分、アルファードは車内からの見晴らしが非常に良いのが利点。ただし物理的に重心がかなり高くなるから、カーブなどに差し掛かった際のぐらつき感は強い。丁寧に運転しないと、後席の乗客を酔わせてしまいそうだ。いっぽう、これはマイナーチェンジ前の印象だが、オデッセイは重心の低さと安定感の点でアルファードとは比べ物にならないほど。背の高さを強く意識させず運転することが出来る。この差は大きい。
車格にふさわしい高級感を手に入れた新型オデッセイ
実はアルファード並みの室内空間を持ち、それでいてセダン感覚で走ることが出来るオデッセイ。そのユニークなウリをアピールするには、従来型のデザインではちょっと押しが足らなかったことが、販売実績からも見て取れる。今回のオデッセイのマイナーチェンジはそうしたイメージの補正を図り、ユーザーが求める高級感を手に入れたのだ。この大幅刷新でアルファードの独占に待ったをかけることが出来るのか、ホンダの攻勢に注目したい!
[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:森山良雄・島村栄二・木村博道・Honda・TOYOTA・MOTA編集部]
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