新旧オデッセイ、見た目でこんなに変わった! 担当デザイナーが語る新型の狙いどころとは[新旧比較]
MōTA / 2020年11月14日 9時50分
ホンダのミニバン「オデッセイ」がマイナーチェンジを実施した。その変貌ぶりは、知らない人が見たらフルモデルチェンジ!? と思うほど。ではどこがどう変わったのか。改めて写真でじっくり見比べてみよう。
新旧モデルの違いを写真とともに見比べてみよう
ホンダの上級ミニバン「オデッセイ」が2020年11月5日、マイナーチェンジを実施した。その変更は多岐に渡るが、特にデザインについては多くの手が入っている。
2013年のデビューから丸7年。マイナーチェンジで大きく変わった新型オデッセイの内外装デザインについて、旧モデルとの画像と共に見比べてみよう。
丸みを帯びたフォルムが一転、力強い形状に
まず驚かされるのは、新型オデッセイのフロントのデザインだろう。従来型の丸みを帯びたスポーティなワンモーションフォルムから一転、どっしりとした高級感のある形状に改められた。外観デザインのコンセプトは「スタイリッシュプレミアム」。新型を担当した本田技術研究所 デザインセンター オートモービルデザイン開発室 プロダクトデザインスタジオ アシスタントチーフエンジニア デザイナーの森岡 圭介さんに伺うと、ボンネット先端部で比較すると約70mm高さを上げることで、フロント部の厚みと強さを表現したと教えてくれた。
“ドヤ顔”ではなく、品よくシャープに
とはいえ、例えばアルファードなどのいわゆる“ドヤ顔”に比べると幾分控えめにも感じるが、と伝えると「グリルの高さ方向の幅はむしろ従来型よりも抑えた。強さや車格は全体の塊感で表現してグリルはむやみに大きくせずトーンも抑え、大人なスタイルを目指した」という。「えばった顔ではなく、品よくシャープにまとめるのに苦心しました」とその狙いについて語る。 実は2017年のマイナーチェンジも担当していた森岡さん。当時もバンパーやグリル形状などを変更したものの、営業部門からは「あまり代り映えがしない」との厳しい声をもらったという。今回はグリルやボンネットを変えただけではなく、フェンダー形状のニュアンスなども細かくチューニング。それでいて、車体側面(前後ドア形状)は従来型から継承されているので、ボディ全体に違和感のない造形にするよう注力した。「オデッセイの車格感を表現するため、思い切って手を入れることが出来ました」と胸を張る。
テールゲートまで手を入れる大手術に
リヤまわりも、新型オデッセイでは従来型に比べ厚みと強さを増した形状となった。新旧を見比べると、テールゲートやリアピラー(柱)の形状にまで手を入れる大手術となっていることがわかる。しかし実はこれ、中国向けに存在するオデッセイの上級仕様車「エリシオン」の部品なども上手く流用しているのだという。リヤウィンドウの位置も後ろ側に動いており、結果としてサードシートの頭上まわりの余裕も増した。
リヤコンビランプはフルLED化。その利点を生かしシャープな横一文字の形状にするのも流行っているが「車格や上質さを表現するためあえて薄型化はせず、ワイドでシャープな形状にしました」と森岡さんは話す。また「左右セパレートにしたことで、より上質に見せる工夫もしている」とのこと。その効果を高めるように、リヤバンパー下部の形状もワイドさを強調している。ちなみに前後のターンランプは共に、シーケンシャルタイプ(内から外へ点灯)に変更されている。
マイナーチェンジではなかなかやらない「インパネ形状の変更」も実施
新型オデッセイでは、インパネも形状を大きく変えた。通常のマイナーチェンジでここまで手が入ることは稀なケースだ。10インチ化された大型のセンターモニターを際立たせるように、サイドの形状はシンプルに水平基調となった。木目調パネルの位置が上下逆転しているのは「明るく視界に入りやすい位置に質感の高いパネルを、手に触れる部分にソフトパッドを、とそれぞれ入れ替えたため」と森岡さん。
メーター形状も改められた。液晶表示を左右に分散していた従来型から、新型では中央部に移動し大型化。メーター自体もオーソドックスながら見慣れた印象のあるコンビタイプとなった。そんなところも上質さに配慮した結果だ。そのほか、FABTECT(撥水撥油シート)や、助手席収納、運転席カップホルダーの新設など、地味ながらも実用的な装備・機能の充実も図られている。[筆者:トクダトオル(MOTA編集部)/撮影:森山良雄・島村栄二・Honda]
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