電気自動車が日本全国の課題を解決!? 日産が推進する「ブルースイッチ活動」が全国100カ所に拡大
MōTA / 2020年11月24日 7時50分
日産は2020年11月13日、電気自動車(EV)を活用して自治体や企業が抱える課題の解決を図る“日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」”の取り組みが100件に到達したと発表した。日産のEVと言えばリーフだが、リーフで課題を解決とはどういうことなのだろう? 何だかすごそうな「ブルー・スイッチ」とは一体何なのか、調べてみるとそれは意外と身近でありがたい取り組みだった!
日産が推進する「ブルー・スイッチ」とは何ぞや?
「ブルー・スイッチ」とは、日産がリーフの販売10万台を記念して2018年5月から始めた活動で、EVの普及を通じて社会の変革ならびに地域課題の解決に取り組む“日本電動化アクション”である。平たく言うと、日産が自治体や企業などとパートナーシップを結び、リーフやその電動化の技術などを使って、環境、災害対策、観光、過疎化など様々な課題を一緒に解決していこうという取り組みだ。
これまでの取り組みで、災害時も大活躍!
日産 リーフには大容量バッテリーが搭載されており、それはいわば“走る蓄電池”としての価値を持つ。日産はこの蓄電機能を活用し、「ブルー・スイッチ」の取り組みの一つとして、災害などによる停電時の非常用電源としてリーフを使う災害連携協定を全国の自治体や企業と締結している。2019年の台風15号と19号でリーフを派遣!
2019年9月、千葉県で台風15号による停電被害があった際、実際にリーフ14台が該当地域の自治体や施設に提供され、電力供給が実施された。まだ暑かった時期、福祉施設や保育園などで熱中症対策のために扇風機を回したり、情報取得のためにスマホ・携帯の充電を行ったり、また夜間には灯光器で給水先を照らしたりと様々な場面でその利便性をいかんなく発揮した。リーフは可搬型給電器と組み合わせることで、最大4500Wの出力が可能となる。これにより、ポータブル電源などでは難しい、エアコンや電子レンジ、電気ポットなど出力の大きいものを動かすことができるのだ。
またEVはエンジン音がないので夜間の音や排気ガスも気にならないというメリットもある。発電機の音が夜中じゅう響いて眠れないということもなく、緊急事態において周辺住民が少しでも快適に過ごせる頼もしいツールといえよう。
e-シェアモビステーションの設置
また、リーフは災害時利用のほかにも、観光地での環境に配慮したカーシェアサービスや、過疎地における交通弱者対策としてのオンデマンドタクシーなどとして活用されている。たとえば2018年1月にスタートした「e-シェアモビ」は日産のEVとe-POWERのみを使ったカーシェアリングサービスで、東北から沖縄まで日本全国の自治体や企業に設置されている。免許証がそのままIDカードとなり15分単位から利用できること、利用時の距離料金が追加発生しないこと、清掃を毎日実施することなどが高く評価されており、これもEV普及のブルー・スイッチ活動の一環となっている。
走る蓄電池! 家庭4日分の電気を賄えるリーフ
ガソリンを使わず電気で走るだけでなく、電気を取り出して使えるリーフ。そのバッテリー容量は40kWh、リーフeプラスであれば62kWhだが、これは専用の機器を介することで外部に供給することができ、大きく分けて「定置型」と「移動式」という2つのタイプがある。定置型はEVから家(建物)への給電で、一般家庭での1日辺りの使用電力を12kWhとした場合、リーフeプラスのバッテリーで約4日分の電力を賄えるという。
移動式は千葉の停電時支援でも使われたもので、可搬型給電器(可搬型EVパワーコンディショナー)を介して100Vコンセントから電気出力が可能。屋外や出先でもさまざまな電気製品の電源として活用できる。
日本をもっと美しいブルーに
EVというと環境性能のみに着目しがちだが、災害をはじめさまざまな場面で、クルマ以上の価値を発揮してくれるリーフ。単なる移動手段としての利便性を超え、社会のインフラに「電動化」のさまざまなメリットを取り込んでいくツールとして今後も活躍が期待される。
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