スゴいぞ新型レヴォーグ! 注目のアイサイトXを公道でテストしてみた
MōTA / 2020年11月29日 11時30分
新型レヴォーグの発売がいよいよスタートしたが、今回の注目は一段と進化した高度運転支援システムのアイサイトXだ。その機能たるや高級車も顔負けの内容で、衝突被害軽減ブレーキはもちろんのことACCや手放し運転、さらにETCレーンを認識し減速……など、進化っぷりがスゴいのだ。今回公道でテストしたのでじっくりリポートする。正直、このアイサイトXだけでもレヴォーグ買う価値ありです。 >>
恐怖感は一切なし!
いよいよ注目の新型レヴォーグの公道試乗が叶ったので早速レポートをしたい。その堅牢なボディーから生まれる、特にSTI スポーツの電制サスのなめらかさ……とかいうドライブインプレッションは他に筆を譲って、今回は新世代に生まれ変わった「アイサイトX」の使用レポートをお届けする。いやこれ、ほんとスゴいから!
レヴォーグは、たとえばアダプティブ・クルーズ・コントロール(以下ACC)を作動させている際に、カーブの手前でちゃんと減速してくれる。以前のモノは(そして多くの自動車メーカーのそれは)コーナーにさしかかっても前車に追従しこそすれ、前車がいなければ設定した最高速度で高速コーナリングしようとするし(だからめちゃくちゃ怖かった)、ついドライバーがブレーキを踏んでしまい、せっかくのACCを途中でキャンセルせざるを得なかった。さらに新型レヴォーグは料金所の前でも認識し、こちらも安全な速度に減速。また通過後は速度回復をしてくれる。70〜120km/hでは前車と後続車を認識した上でウインカーを点灯させれば安全にレーンチェンジを助けてくれるし、渋滞時には一定条件下でのハンズオフも可能になった。
人間より運転ウマいかも……制御がとにかく超自然
事実、これら一般道で試したが、驚くほど精度は高い。
高速道路に乗った瞬間、アシスト可能を表すアイサイトのマークがメーター内でスタンバイになり(白いハンドルマークが点灯する)、スタンバイを確認したドライバーがSETボタンを押せば、その場でアイサイトのアシストが即時でスタートする。同じく、高速道路を降りたらすぐにスタンバイ灯が消え、完全追従可能なアシストが終了する(従来の一般道で使えていたようなACC機能は一般道でも継続して使用できる)というイメージ。
走行中は常に斜め後方からの後続車を検知し、車線の中でもどちらかに寄り過ぎることはない。料金所もしっかりと認識して、20km/h程度まで減速し、“じわっ”とちゃんと加速していく。割り込んでくる車両の認知も早く、また前車が退いたときの速度回復も滑らかだった。まるで人が操作しているみたい……そう思えるほど、いろんな操作が自然なのだ。 ちなみにハンズオフが不可能になった際、いつまでもドライバーがハンドル保持を再開しない際はちゃんと警告がなされ、それでもハンドル保持がなされない場合はクルマが勝手に徐々に減速して車両を安全に停止する機能も付いている。そもそもアイサイトってどんな意味!?
さて、言わずと知れたスバルの先進運転支援システム「アイサイト」は、レヴォーグの刷新に合わせ、2014年以降となる6年ぶりの全面一新がなされた。ちなみになぜ「アイサイト」という名前なのか? というと、開発初期から二眼のカメラを人間の目のように使う、つまり『アイ=目、サイト=視覚』というド直球のネーミングによるものなのを今一度思い出しておいて欲しい。
人間の目は左右それぞれの目の網膜に映ったふたつの映像を、脳が上手に処理をして立体感、遠近感、距離感を計算している。それをカメラで再現しようとしているのがアイサイトなのだ。
ふたつのナビを搭載!? その正体とは?
システム一新! カメラに加えて初のレーダーも
新世代アイサイトは、2014年のVer.3に比べ、このふたつのカメラの視野角が大幅に広角化されたこととともに、さらに高速処理が可能な画像認識マイコンを採用することにより、画像認識の精度とパフォーマンスを飛躍的に高めている。これにより、プリクラッシュブレーキ性能の向上だけでなく、衝突回避のサポート領域を向上した。
このカメラに加え、新設された左右の前側方レーダと、既存の後側方レーダを組み合わせ、さらに支援の精度を上げていると同時に、今回の進化の最大のキモとなるのが、イノッチこと井ノ原快彦氏もCMで体感している準天頂衛星やGPSを使用した「3D高精度地図ユニット」の採用だ。こちらはさらに上位のアイサイトXに備わっている。つまり、新型レヴォーグのアイサイトX装着車にはナビゲーションシステムがふたつ、搭載されている。ひとつは我々ドライバーが行き先や現在地を把握するために目で見て使用しているナビ、そしてもうひとつはアイサイトだけが使用する、表に出てこないナビだ。
>>
ナビがふたつも!? 役割分担がアイサイトXのキモ
なぜふたつも搭載する必要があるのか? それは得意分野が大きく違うから、である。カーナビゲーションに用いられている地図データは、コンビニエンスストアやガソリンスタンド、また建物の名称などは詳細に表示させるものの、たとえば車線ごとの地形や勾配、傾斜などは把握していない。つまり、従来のカーナビゲーションの地図データを先進安全技術に応用するには適していなかったのだ。
これを補完するのが「3D高精度地図ユニット」で、GPSや準天頂衛星は驚くほど正確かつ高精度に自車位置を検出するそうだ。
たとえば、2車線あれば走行車線にいるのか、それとも追い越し車線にいるのか、それすらもわかってしまうのだという。じゃあそれをカーナビにも使えばいいじゃないか! というとそうではなく、いわゆる情報の取捨選択の結果がこのダブルでの地図データ搭載という結論なのだという。
>>
フル液晶メーターの使い勝手も良好! しかも親切
これらの技術の出口として、一番強く感じたユーザーメリットは、フルデジタルになったメータークラスター内に表示される、様々なインフォメーションの表示がとてもわかりやすくなっていた、ということだとも感じた。たとえば先述のアイサイトのスタンバイOKを示すランプや、料金所認識のイラスト、それから急カーブを認知した際のジグザグの矢印など、見た目にすぐにわかりやすい情報の整備ともいえる表示の数々だ。
ただ一方、前車が別の車線に移ったなど、前車を見失った際にいちいちピッ、と鳴るのが最初、なんのアラートなのかわからず、ちょっとドキドキした。
頻繁に鳴るため、これでドライバーがアラートに対して緩慢にならないかだけが少し心配ではあるが、それ以外は非常に信頼度が高い。
アイサイト開発から30年の歴史の中で培った技術が、きちんと改善されユーザーの安全を真摯に守ろうとしている。アイサイトXはその気合を感じる仕上がりになっていた。
【筆者:今井 優杏】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
買い換えるなら今!? ここまで来ている最新個性派「ドラレコ」5機種の、実力を解析!
レスポンス / 2024年9月15日 19時0分
-
EVルーシッド、最新ソフト「UX 2.4」発表、無線更新で運転支援システムなど性能向上
レスポンス / 2024年9月11日 17時30分
-
スバル新型「4人乗りスポーツカー」登場! 走行性能アップ&高揚感ある“音”がスゴい! 「BRZ」MT比率がまさかの「7割超え」なワケ
くるまのニュース / 2024年9月9日 16時10分
-
スバルが作った「究極のBRZ」って何? 「速いだけじゃない…」 アイサイトも搭載されるの凄くない? S耐マシンに試乗!
くるまのニュース / 2024年9月3日 20時30分
-
三菱ふそうの大型トラック『スーパーグレート』を新旧比較試乗、「なぜ、ここまで違う?」新型最大の魅力とは
レスポンス / 2024年8月27日 12時0分
ランキング
-
1「SHOGUN」エミー賞受賞を喜ぶ人と抵抗ある人 日本人がアメリカで最多受賞した本当の理由
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 13時0分
-
2朝食前に歯を磨かない人は「糞便の10倍の細菌」を飲み込んでいる…免疫細胞をヨボヨボにする歯周病菌の怖さ
プレジデントオンライン / 2024年9月20日 14時15分
-
3特殊清掃人が語る“自殺した部屋”に共通している特徴。オカルト的な出来事に遭遇することも
日刊SPA! / 2024年9月20日 8時52分
-
44000種を知るお米のプロが伝授「注目の品種12選」 オススメなのは山形県「つや姫」だけじゃない!
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 10時0分
-
5空母化した護衛艦「かが」前艦長が明言した“デメリット”とは それでも米国へ行く意義
乗りものニュース / 2024年9月20日 6時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください