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意外? ホンダ N-BOXユーザーは広さよりも経済性を重視!? 消費者行動データで分かった心理とは

MōTA / 2020年11月28日 9時50分

ホンダ N-BOX(2017年モデルチェンジ時)

軽自動車で長年に渡り人気No.1を誇るホンダ N-BOXが間もなくマイナーチェンジを実施する。N-BOXのオーナーたちはどのような比較検討を重ね、何に悩んで購入に至ったのだろう。ユーザーの調査データを基に、N-BOX購入者の心理や、意外な競合車種などを検証してみた。

ホンダ N-BOX

新車も中古車も大人気の「ホンダ N-BOX」

ホンダ N-BOX(写真は2017年フルモデルチェンジの2代目モデル)

ホンダの軽自動車「N-BOX」の人気が止まらない。初代モデルが登場した翌年の2012年度には、軽自動車販売ランキングの総合1位※1を獲得。以来、競合のタントが1位となった2014年(その年は2位)以外、2019年度まで常に1位をキープ。今年2020年も上半期(4月~9月)で1位を獲得している。マイナーチェンジを目前に控えた2020年10月も16052台を販売し1位だ。

※1:全軽自協(一般社団法人 全国軽自動車協会連合会)

ホンダ N-BOXがここまでダントツの売れ行きを示す人気の秘密はどこにあるのだろうか。ユーザーがどのような検討を重ね購入に至っているのか、自動車業界向けマーケティングサービス「IGNITION for Media」を提供するマイクロアドの消費者行動データをもとに、N-BOXを購入した際の決め手や比較検討車種について考えてみよう。

N-BOX購入層の女性比率は33%以上

写真はN-BOX/N-BOXカスタムのマイナーチェンジモデル(2020年12月実施予定)

2020年11月に調査したIGNITION for Mediaのデータによると、N-BOXを購入したのは男性58.5%、女性41.5%(調査データ平均:男性69.5%/女性30.5%)。年齢別では45~49歳が46.9%、次いで50~54歳が20.9%で多く、次いで40~44歳が12.7&と、40代から50代が主な購入層。次いで30代も8.6%(35~39歳:4.8%/30~34歳:3.8%)などとなっており、ファミリー層を中心に幅広いユーザーから支持されていることがわかる。

購入価格帯は100~200万円が61.6%で、次いで200~300万円が13.2%、100万円未満は7.7%だ。ちなみにN-BOX/N-BOXカスタムの新車販売価格は約140万円から約213万円である。

N-BOX購入層は同じホンダのコンパクトカーも気になっていた!?

余裕たっぷり! ホンダ N-BOXのインテリア,リアシートは左右独立で前後スライドも可能

余裕たっぷり! ホンダ N-BOXのインテリア,リアシートは左右独立で前後スライドも可能

N-BOXを購入したユーザーは、どんなクルマを比較しているのだろう。上位5台はホンダ フィット(検討率5.9%)、トヨタ ヤリス(5.4%)、トヨタ タンク(5.1%)、スズキ スペーシア(2.6%)、ダイハツ ウェイク(2.6%)などとなっている。

この中で軽自動車はスペーシアとウェイク。特にスペーシアは、2020年上期の軽自動車販売ランキングでN-BOXに次いで2位の人気モデルだ。しかしほかはコンパクトカーなどの小型車カテゴリーが揃っている点を注目したい。

ホンダの量販モデルが競合!?

トヨタ タンクは2020年9月に兄弟車の「ルーミー」と統合された

軽自動車のN-BOXと競合するモデルとして、ハイトワゴンのトヨタ タンク(2020年9月に兄弟車のルーミーと統合)の名が挙がっていた。通常のコンパクトカーよりも背を高くし、後席両側にスライドドアを配した実用的な小型車で、N-BOXの成り立ちともよく似たスタイルだ。実際、タンク/ルーミーも非常に人気があり、兄弟車統合後の2020年10月には11487台を売り販売ランキング※2(軽除く)3位を獲得している。N-BOXと比較検討されるのも納得だ。

※2:自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)調べ

興味深いのは、コンパクトカーの2大勢力、ホンダ フィットとトヨタ ヤリスの名が挙がっている点。軽の中でもトップクラスの広い室内空間を誇るN-BOXと、ボディサイズがグンと大きくなるとは言え、必ずしも広さ推しという訳ではないコンパクトカーを比較検討しているという事実だ。

N-BOXとフィット、競合する2モデルの購入ユーザーはここが気になっていた!?

ホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」,ホンダのコンパクトカー「フィット」

ホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」,ホンダのコンパクトカー「フィット」

IGNITION for Mediaの調査データでは、ユーザーがクルマを購入する際の興味・関心を知る「クルマ選びのポイント・価値観」の項目も設けられている。

用途別には通勤・通学・買い物・アウトドア・趣味の5項目。重視するポイントとしては走行性能・乗り心地・エクステリア・インテリア・価格・安全性能・室内空間・燃費・荷室の9項目が挙がっている。

意外!? N-BOXユーザーは広さよりも経済性を重視していた

写真はN-BOXカスタム

N-BOXの場合、燃費が57.1%とダントツのTOP。次いでインテリアが8.5%、居住空間が6.4%となっている。広さがウリのN-BOXからすると、これはちょっと意外な結果と思えるかもしれない。

ただ、N-BOX最大の売りである室内空間の広さは、四角くて背の高い外観上からでも容易に想像出来る。この分かりやすさもN-BOXが大ヒットした大きな理由だろう。そこはもう当たり前の価値観という前提条件のうえで、ユーザーの多くはまず経済性を重視した、という風に見ることも出来る。

フィットのユーザーはトータルバランスを重視

ホンダ フィットのインテリア,N-BOXほど広大ではないが、同クラスの中ではトップクラスのゆとりの空間を持つ

ホンダ フィットのインテリア,N-BOXほど広大ではないが、同クラスの中ではトップクラスのゆとりの空間を持つ

そこで同じホンダ車で競合するフィットのユーザーと比べてみることにする。

フィットの場合も、クルマ選びのポイント・価値観として重視されるのは燃費が38.0%と1位だ。次いでインテリア14.3%、エクステリア9.8%、走行性能8.8%などとなっている。

燃費がダントツのN-BOXと比べると、興味・関心のポイントが分散されているあたり、N-BOXユーザーとは価値観もちょっと異なるようだ。フィットユーザーは、よりトータルバランスを意識した選択がされているということだろう。

2台はホンダ内で競合しているようにみえて、実際のところはユーザーのすみ分けもしっかりなされていることが今回の調査結果からも浮き彫りになった。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]

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