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三菱復活の鍵はハイブリッドにアリ!? 三菱の逆襲から目が離せない

MōTA / 2020年12月7日 11時30分

三菱 新型エクリプスクロスPHEV

三菱はリコール隠しや燃費不正など負のイメージが未だ続いており、ASEAN地域などの国外市場は絶好調ながら、お膝元の国内市場においては未だ厳しい状況である。ところが、エクリプスクロスPHEVの投入を期に新生三菱に舵を切るという。今回、加藤 隆雄CEOと長岡 宏CO-COO兼開発担当のトップふたりに今後の三菱のあり方を直撃! 果たして、元気な三菱は復活するのか!? >>

三菱 新型エクリプスクロスPHEV

電動化は大賛成! だが元気な三菱もほしいゾ

アイミーブが投入された2009年当時は、ハイブリッドすら今ほどの市民権を得ていない時代。そんな時にピュアEVを投入したのだ

電動化、この言葉こそ今後の自動車産業を牽引するもっとも重要なキーワードだ。ご存知の方の多いだろうが、三菱は世界初の量産型電気自動車アイミーブを2009年に発売した電動車のパイオニア的存在で、その後も電気自動車をベースに開発したプラグインハイブリッドを搭載するアウトランダーPHEVを発売するなど、電動化を着実に推し進めている。

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だがその一方で、元気なイメージは姿を消しつつある。そう、かつてダカール・ラリーやWRCといったレースシーンで大活躍したランサーエボリューションやパジェロなどの名車をリストラ。古くからの三菱ファンにとってもあまり面白くない状況が続いているのも紛れもない事実である。

キーワードは元気な三菱! 目指すはスポーツSUV

エクリプスクロスPHEVはランエボの再来か? と言われるほどの走りの持ち主

だが、ここに来て三菱はかつての輝きを取り戻すべく、加藤CEOを中心に改革に乗り出しているのだ。キーワードは“元気になるクルマ”。じつは今回発表されたエクリプスクロスPHEVは、これまでのモデル以上に、より三菱らしさ。つまり走る楽しさも追求した“元気な”仕上がりになっているのである。

電動化しながら、これまでのノウハウを落とし込んだ”ならでは”のクルマ期待したい

今後投入するモデルは「環境対応はもちろんのこと三菱にしか作ることのできないモデル。さらに元気が出るようなクルマを送り出す予定」と加藤CEOは語る。先頃発表した中期経営計画から考えるにランエボのようなハイパワースポーツセダンが復活することはなさそうだが、電動化した次世代スポーツSUVなど三菱の強みを前面に押し出した"元気な”モデルに期待したいところだ。

小型ハイブリッドカー投入で勝負

 右から加藤 隆雄CEOと長岡 宏CO-COO兼開発担当

加えて一部報道でもある通り、2030年台半ばまでに新型車をすべて電動車にしようという動きすらある。じつはコレ、すべてがピュアEVというワケではなく、内燃機関と組み合わせるハイブリッドカーやPHEVといったモノも含まれるのだが、予定通りに施行となれば、もちろん三菱も例外ではない。となると、今後投入するモデルはどうなるのだろうか?

長岡CO-COO兼開発担当は「2030年代以降は環境対応車が必須。PHEVとBEV、さらにはハイブリッドモデルの投入も行なっていく」と語る。じつはこのプランこそ、三菱復活の鍵を握っていると言っても過言ではないと筆者は考える。

次期アウトランダーとの呼び声も高いエンゲルベルグツアラーだが、現行モデルのネガを払拭し、フラッグシップを名乗るのにふさわしい内容になっているそうだ

というのは来年度にも投入予定の次期アウトランダーPHEVから、電動ユニットを刷新するとしている。このユニットをベースに先のハイブリッドカーを開発し、小型車を中心に投入する予定なんだとか。そのうえで小型車にもPHEV、さらにピュアEV化する流れとするようだ。

小型ってほどでもないが、どうせなら東南アジアでバカ売れ中のエクスパンダーのような魅力的なクルマにハイブリッドを載せて、しかも低価格で販売して欲しい

これまでアウトランダーPHEVや今回のエクリプスクロスPHEVはどちらも約400万円と、お世辞にも安いとはいえず、筆者含め「もう少しやすけりゃな……」と思っている人も少なくないはず。そこで、さっきの復活の鍵の話に戻る。三菱らしさ全開の小型ハイブリッドモデルで、しかも250万円以下であれば、爆発的ヒットも夢ではなく、三菱が復活する起爆剤になるのではないだろうか。

ともあれ、今後の三菱はエントリカーから上級車種に至るまですべてのモデルを電動化するという構えってワケだ。

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三菱自動車 新型『パジェロスポーツ』を世界初披露

ディーゼル乗りたいなら急げ! あのデリカもPHEVに

2019年に追加されたディーゼルモデルはわずか1年足らずで姿をけすことに……

となると気になるのがディーゼルモデルの行方だ。じつはエクリプスクロスにPHEVが追加されたのを期に、ひっそりとディーゼルモデルが廃止されている。これまでエクリプスクロスにはガソリンターボとディーゼルをラインアップしており、それに加えてPHEVも! となると1台で3種類のパワートレインを有することになってしまう。加えて、ディーゼルは野太いトルクがキモであったが、PHEVでも力強い走りを実現できたことなどの理由から断腸の思いで廃止を決断したという。

ディーゼルの新車はデリカD:5のみ! ディーゼル乗りたいなら急げ

現状ラインアップで、ディーゼルが選べるのはデリカD:5のみだが、「このモデルもいずれは電動化を考えなければならない」と先述のふたりは語る。おそらくは次期型デリカD:5は、新型アウトランダーPHEVのユニットを積んだモデルとなることだろう。

プックアップトラックのトライトン, パジェロスポーツのこの2台はラダーフレームを持つ本格派。日本導入はなさそうだが、ぜひ検討して欲しいところ

プックアップトラックのトライトン, パジェロスポーツのこの2台はラダーフレームを持つ本格派。日本導入はなさそうだが、ぜひ検討して欲しいところ

これは国内市場に限っての話であり、ASEANやオセアニアで好調のトライトンやパジェロスポーツなどの「ラダーフレームを有するクルマには引き続きディーゼルエンジンの開発を進め、反応を見ての判断だが、ディーゼルの電動化も含めて考えている」と長岡CO-COO兼開発担当は語っていた。となれば、ディーゼル電動モデルを国内にも! と思ったが、残念ながら当面その予定はないそうだ。

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かなり長くなってしまったが、まとめるとこうだ。むこう10年程度の国内市場には引き続きPHEVを強化し、その技術を生かしたハイブリッドカーを投入。ゆくゆくはピュアEVへ舵を切っていく。だが、単に電動化を進めるのではなく、三菱らしい元気なクルマを送り出していくということである。

ランエボやパジェロとまではいかないが、らしさ全開のクルマに期待したいところ。始まったばかりの新生三菱の動向に注目だ!

※読者の皆様へお詫び

記事初出時、本文の前書き部分に完成検査不正と記述してしまっておりましたが、三菱自動車工業にそのような不正事実はなく、読者の皆様はじめ三菱自動車工業様には多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りてお詫びいたします。

今後はこのようなミスが起こらないよう、徹底した取材、事実確認を徹底して参りたいと存じます。

MOTA編集部

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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