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絶妙なサイズがキモだった! 日産 キックスが好調なワケとは!?【2020年話題のクルマを振り返る】

MōTA / 2020年12月8日 14時30分

日産 新型キックス

まだまだ続きそうなSUVブーム。そう、2020年の国産車だけでもヤリスクロスにハリアー、さらにRAV4 PHV、はたまたキックスなどなど5車種もデビューしているほどアツい市場なのだ。今回は日産が送り出したキックスにフォーカスし、売れている理由を考えてみたい。 >>

日産 新型キックス

日本市場を重視する証拠? 海外のキックスとはかなり違うゾ

ブラジルで発表された2016年当時のデザインはコチラ。その後改良はしているものの、日本仕様ほどオラオラ顔ではない

そもそもキックスは2016年にブラジルでデビュー、その後北米やカナダ、さらには東南アジアを中心に販売されていたコンパクトSUVだ。日本導入には4年弱遅れての登場となったのだが、すでに販売していた各国の仕様と異なり、ノートやセレナで爆発的人気を誇るe-POWERを搭載するなど、かなり力の入ったモデルである。

ちなみに生産はタイで行われている。

キックスという名は2008〜12年まで発売していた三菱 パジェロミニのOEMモデルとの血縁はないと考えて欲しい。

キックス投入まで、国内市場のSUVはエクストレイルだけであった

日産の国内ラインナップを見てみると、世界的に流行中のSUVはミドルサイズのエクストレイルだけと、少々寂しい布陣であった。

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現在ライバルメーカー、とくにトヨタは5ナンバーサイズのライズ、その上にはC-HRやRAV4、さらにはハリアーやランドクルーザーなど、かなりのラインアップを取り揃えている。それだけに販売現場やユーザーからは、エクストレイルより小さなモデルが欲しいとの声も根強かったために、晴れて国内市場に投入となったのだ。

ポジションが絶妙! 日産ファン待望のモデルだった!?

2010年に登場した原稿マーチもタイで生産されており、このモデルをキッカケにしたわけではないが2010年代前半からホンダやスズキなども逆輸入モデルを投入している

これまでタイなどの東南アジアで製造され、国内に輸入されるモデルのなかでビジネス的に成功と言えるクルマはほとんどなかった。そんな経緯もあってか、キックスって本当に売れるのだろうか? と懸念されていたのも事実である。

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東南アジアだから……という理由ではなく、往々にしてそのようなモデルはコストカットが目立ち、品質という面においては、国内製造のモデルと比べると見劣りしてしまうクルマがほとんであったのも理由である。

だが、キックスは国内で発売されるや否や好調なセールスを記録しているのだ。価格の割に車内の質感が……との意見もあるようだが、必要にして十分といったイメージ。だが、キックスの最大のウリはe-POWERであり、それにこそ付加価値があるのだ。

6月のデータは展示車など日産の販売店が買ったことも考えられるため例外としても、その後も上級グレードが半数を占めているのだ

昨今の日産は月販目標台数を公にしないものの’、月平均で2466台を販売しており、276万円〜というサイズ的の割に高価格帯にも関わらずかなりの成績を収めている。

上級グレードが全体の半数! よく考えると納得かも

加えて興味深いのが、ツートーンルーフにソフトパッドを多用した上級仕様のXツートーンインテリアディションが全体の半数に迫る47%を占めているという点だ。

もちろん販売開始から半年足らずであるため、上級モデルの販売が大半を占めるというのは他のモデルと同様だが、約半数というのはかなり珍しい傾向だ。

Xツートーンインテリアエディションは挿し色にオレンジを採用し、いい意味で国産車らしくない仕上がりである

もっともベースグレードであるXの車内が簡素とというのも要因だとは思うが。

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販売現場に聞いてみると「扱いやすいサイズが決め手」あるいは「ノートe-POWERからの乗り換えが多い」という。たしかにノートユーザーすると、次に乗り換えるクルマは、大型モデルしかなかったために、キックスは絶妙なパッケージングだったのだ。このことからも、キックスは待ちに待った"ちょうどいいサイズ”のクルマであったというワケだ。

先日発表された新型ノート、さらに2021年にも投入予定のアリアなど電動化をさらに推し進める日産。今後のキックスの動向に注目だ!

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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