狼の皮を被った羊!? 速いだけが全てじゃない! 走って楽しいスポーツカー3選
MōTA / 2020年12月15日 5時50分
「スポーツカー」と言うと、ハイパワーなエンジンを搭載した“速い車”をイメージする方も多いと思いますが、中にはその見た目とは裏腹に、エンジンがそれほどパワフルじゃないスポーツカーも存在します。いわば「狼の皮を被った羊」と言われることもあるそんなスポーツカーの中には、速さ以上の魅力を持った車が存在。今回はあまり速くないけど、走ると楽しいスポーツカーを3車種ご紹介します。
見た目はほぼ“ハチロク”!? トヨタ AE85 カローラレビン/スプリンタートレノ
1983年に登場したトヨタ カローラレビン/スプリンタートレノは、AE86とAE85の2種類をラインナップしています。車検証などに記載された型式こそ違うものの、外観上の違いは極わずか。また、チューニングベースとしても人気のため、生産終了から30年以上が経った現在はさまざまなパーツが交換されている可能性があり、見た目だけで見分けることは非常に困難です。大人気漫画「頭文字D(イニシャルディー)」では、主人公の藤原拓海の同級生である武内樹が、AE86とAE85を間違って購入したというエピソードが描かれ、AE86とAE85の見分けが困難なことと、AE86の陰に隠れていたAE85の存在が多くの人に知られるきっかけになりました。
パワーはないけど軽くて楽しい
AE85に搭載される1.5リッターSOHCエンジン(3A-U型)は、最高出力83ps/5600rpm、最大トルク12.0kg・m/3600rpmを発生。最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kg・m/5200rpmを発生していたAE86が搭載する1.6リッターDOHC(4A-G型)と比べると非力であることは否めません。
しかし、AE86と瓜二つのデザインに加え、コンパクトFRならではの回頭性と1トンそこそこの軽量なボディは、誰でも気軽にスポーツドライビングを楽しめる1台です。
トヨタ AE85(カローラレビン/スプリンタートレノ)の中古車相場
■中古車掲載台数:1台■中古車相場:388万円
※中古車掲載台数および相場は、2020年12月14日時点のデータ
そのハンドリングはまさしく“人馬一体”! マツダ 初代ロードスター
1989年に登場したマツダ 初代ロードスター(NA型)は、低い全高と丸みを帯びたスタイリングにリトラクタブルヘッドライトを装着。1トンを下回る車両重量、1.6リッター直列4気筒エンジンを縦置きに搭載するFRレイアウト(後輪駆動)が大きな特徴です。発売開始当初に搭載されていた直列4気筒1.6リッターDOHCエンジンは、最高出力120PS/6500rpm、最大トルク:14.0kg・m/5500rpmを発生。また、1993年のマイナーチェンジで登場する1.8リッターエンジンは、最高出力130PS/6500rpm、最大トルク:16.0kg・m/4500rpmを発生していますが、絶対的な速さやパワーはありません。
しかし、車を自分の手足のように操る感覚は、まさしく人馬一体。高い回転まで引っ張ってからシフトチェンジする抑揚のある走りは、多くの車好きから賞賛されました。
世界中の自動車メーカーに影響を与えた
初代ロードスターが登場した当時、ライトウェイトスポーツカー市場は下火になりつつあったものの、1990年には世界で9万台以上を販売し大ヒット。そんな初代ロードスターの快挙は世界中の自動車メーカーの目に止まり、ポルシェ ボクスター、メルセデス・ベンツ SLKクラス、トヨタ MR-S、ホンダ S2000など、数多くのライトウェイトオープンスポーツカーを誕生させるきっかけとなりました。
マツダ 初代ロードスター(NA型)の中古車相場
■中古車掲載台数:185台■中古車相場:49.8万円~315万円(応相談含む)
※中古車掲載台数および相場は、2020年12月14日時点のデータ
世界初フルオープンミッドシップスポーツカー!ホンダ ビート
1991年に発売を開始したホンダ ビートは、軽自動車という日本独自の規格の中で作られたミッドシップオープンスポーツカーです。シートのすぐ後ろに搭載された656cc直列3気筒エンジンは、NA(自然吸気)であるものの自主規制いっぱいの最高出力64psを発生。また、レッドゾーンは8500rpmからとなり、ホンダらしい高回転型エンジンであることも特徴のひとつです。
ただし、そこはやはり軽自動車。ビートも先に紹介したロードスター同様、絶対的な速さやパワーを楽しむスポーツカーというよりも、そのハンドリング性能を楽しむモデルと言えるでしょう。
ファンの思いに応える純正パーツの再販
車体中央付近にキャビンが設置されたミッドシップスポーツカーらしいスタイリングや、軽自動車、オープンカー、NAで64馬力といったパッケージは世界中探してもビートのみ。そんな特異なキャラクターには熱狂的なファンが多く、生産終了から20年以上経った現在もその人気は衰えることがありません。
そんなファンの声に応える形で、ホンダでは2017年6月からビートの純正パーツの再販を開始。「ビートをより長く楽しんでいただきたい」というホンダの想いから始まったパーツの再販は、2020年12月時点で100部品以上がラインナップされ、再販パーツの数は今後も随時追加される予定となっています。
ホンダ ビートの中古車相場
■中古車掲載台数:153台■中古車相場:39万円~310.9万円(応相談含む)
※中古車掲載台数および相場は、2020年12月14日時点のデータ
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