2021年は“自動運転”元年! 実用化を支える最新センサー技術から見えてきたクルマの近未来とは
MōTA / 2021年1月3日 10時30分
2021年春、ホンダが世界初となる自動運転技術を搭載した市販車を遂に発売する。こうした自動運転の実現に欠かせないのが、センサーによる制御技術だ。しかしひと言でセンサーといっても、その用途や種類は様々。自動車の先端技術に精通するジャーナリストの会田 肇氏が、2021年の最新センサー事情から見えてきたクルマの近未来について、詳しくレポートする。
自動運転技術に必要なセンサーは大きく分けて5種類
クルマはもともと多くのセンサーによって制御されてきたが、ここへ来て自動運転システムの実現へ向けたADAS(先進運転支援システム)系のセンサーも加わり、さらに多くのセンサーが搭載されるようになった。ここではそのADAS系センサーでどんなことができるのか、さらにはそのセンサーが今後どんなことをもたらしてくれるのかをレポートしたい。
ADAS(先進運転支援システム)で使われるセンサーとして代表的なものは、「カメラ」「ミリ波レーダー」「準ミリ波レーダー」「超音波センサー」「LiDAR(ライダー)」の5つだ。ADAS普及初期に使われた「赤外線レーザー」は低コストで搭載できる身近なADASとして一時期普及したが、認識できる距離が短いことから作動速度域が低く、今後ADASでは使われなくなる方向にある。
対象物を映像で認識する“カメラ”
また、カメラシステムには単眼カメラとステレオカメラがあり、一部でソフトウェアによって単眼でも距離を測れるものもあるが、距離を高精度に測れるのはステレオカメラの方となる。ただ、ステレオカメラでも2つのカメラの幅は車種によって様々で、一概に言えないのかもしれないが、遠方までの測距では幅が広い方が優位となるようだ。
遠くの対象物や悪天候にも強い“ミリ波レーダー/準ミリ波レーダー”
ただ、周波数帯を高くしたことで解像度はそれなりに高くはなったものの、それでも対象物の種類を判別できるまでには至らず、特に路上のペイントを判別するのは不可能。そこでカメラと組み合わせ、それぞれの特徴を補完し合いながら使うのが一般的となっている。また、24GHz帯の周波数帯を使うのが「準ミリ波レーダー」だ。車両周辺の物体検知に使われ、たとえば左右のリアバンパー付近に取り付けてドライバーの死角となる斜め後方の検知に役立っている。
すぐ近くの死角の対象物を検知する“超音波センサー”
低コスト&小型が進む自動運転の“カナメ”LiDAR(ライダー)
普及が期待されるMEMS型LiDARとは
現状でこそMEMS型は、機械式に比べて解像度で見劣りすると言われるが、その弱点も着実に解決される方向にあるようだ。すでにBMWが2021年に発売を予定しているiNEXTには、イスラエルのInnoviz Technologies(イノヴィズテクノロジーズ)社製が開発したMEMS型を搭載する予定。LiDARの老舗である米Velodyne Lidar(ベロダインライダー)社も、MEMS型の特徴を活かしたコンパクトかつ価格を100ドルに抑えたデバイスを用意する。日本勢ではパイオニアやソニーなどこのMEMS型の量産を目指しており、この普及が進むことでLiDARのコストは大幅に下がると期待されている。
自動運転レベル3を実現した新型レジェンドにもLiDARを搭載
自動運転の実現にはドライバーの監視も重要
プロパイロット2.0やアイサイトXはドライバーの視線を監視
無くならない幼児置き去りもセンサーで監視
もう一つセンサーが活躍する新たな機能とされているのが「幼児置き去り検知」機能。これは2022年よりユーロNCAPでが試験項目に追加されることに対応するものだ。当初、このセンサーとして考えられていたのがカメラや超音波センサーだった。しかし、就寝中などで動きがないと検出しにくいという問題が生じることがわかり、目下、白羽の矢が立っているのが60GHz帯のミリ波レーダーだという。ただ、現状ではコストが高く付いてしまうため、複数の機能をまとめて持たせられるよう開発が進められている段階にある。
ますますその進化が期待されるADAS! だが過信は禁物
[筆者:会田 肇]
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