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約3年で5度目の地道な改良! マツダ 新型CX-5、今回の変更ポイントはエンジンとコネクティッド

MōTA / 2021年1月7日 10時30分

マツダ 新型CX-5 XD 特別仕様車 (エクスクルーシブモード)[2020年12月3日一部改良モデル]

2017年2月にフルモデルチェンジした2代目マツダ CX-5が、2020年12月3日(木)に一部改良を実施した。デビュー後も常に商品改良を重ねてきたCX-5だが、今回の主な変更は、ディーゼルエンジンの出力向上とディスプレイ画面10.25インチ化の2点。その詳細について解説しよう。

マツダ 新型CX-5 特別仕様車 (エクスクルーシブモード)[2020年12月3日一部改良モデル]

変更点その1:ディーゼルエンジンのパワーアップ

併せて6速ATの制御プログラムも変更

マツダの基幹モデル「CX-5」が2020年12月3日に一部改良を実施した。その変更点について解説していこう。主な改良は2つ。まずはディーゼルエンジンの出力向上だ。

直列4気筒 2.2リッターディーゼルターボエンジン「SKYACTIV-D 2.2」は、最高出力を従来型の190ps(140kW)/4500rpmから、200ps(147kW)/4000rpmと10馬力アップ。主に高速域での伸びがさらに良くなった。

併せて6速オートマチック(AT)「SKYACTIV-DRIVE」の制御プログラムにも手が入り、アクセルを速く踏み込んだ際の応答性が向上している。つまり「速く踏む」=「速く進みたい」というドライバーの意図をさらに汲むようになったということだ。このATの改良については、ガソリンエンジン(2.5リッター/2.0リッター)搭載モデルにも反映されている。

従来モデルでも十分にパワフルなので問題はなかったように思えたが、新旧で乗り比べしてみたところ、確かに新型のほうが追い越しや合流の際に加速性能が改善されていた。それは物凄く劇的に分かりやすい変化ではなく「あえて比べてみれば」という差ではある。しかし、混みあう都市高速で頻繁に加減速を繰り返すシーンに有効な、実用的な改良となっていた。

2012年の初代CX-5から変えてなかった「アクセルペダルの重さ」を初めて改良

新旧のアクセルペダルを比べても、見た目の上では全く変化はない

さらに加速性能の面ではもうひとつ改良が加わっていた。それは「アクセルペダルの踏力の変化」だ。どういうことか。

数値でいうと3ニュートン、約20%ほどアクセルを重くしたのだという。ペダルの踏み込みを調整するバネを変更した。先代のCX-5が登場した2012年以来使い続けてきた部品だったが、今回初めて改良したという。ちょっとマニアックな変更点にも思えるが、これが有効だった。

例えば交差点からの発進でアクセルペダルを踏み込んだ時、思った以上に加速してしまいアクセルを緩める、というシーン。ペダル踏力を改善することで、ドライバーの意思(踏み込み)と加速の特性のズレを補正すると共に、無駄踏みを抑制することで実燃費の向上にも効く。もちろんこれは上記のAT制御の変更ともシンクロしている。

ちなみに筆者も新旧モデルで市街地を試し乗りしてみたが「ペダルが重くなったなあ」という違和感は特に覚えなかった。

エンジン出力同様に派手なアピールポイントではないが、実用的な改善となっている。

変更点その2:第2世代マツダコネクトと10.25インチディスプレイの新採用

新型CX-5の変更点その2は、コネクティッドサービスの採用とナビ画面の拡大だ。エンジンとアクセルペダルの改善はちょっとマニアックな話題だったが、こちらは見た目にも変化がわかりやすい。

CX-5初採用となるコネクティッドサービスは、標準装備される車載通信機と組み合わされる。緊急通報システム「マツダエマージェンシーコール」やスマホアプリとの連携強化など、最新の「つながるクルマ」になった。2019年にフルモデルチェンジした新型車「MAZDA3」から採用が始まった第2世代のマツダコネクトのシステムを、今回CX-5にも搭載することが出来た。

従来モデルの8インチディスプレイも2019年12月に新採用されたもので、2017年のデビュー当初は7インチ画面だった, 写真は新型CX-5の上位モデルに新たに搭載された10.25インチディスプレイ。下位グレードも8.8インチに拡大された

従来モデルの8インチディスプレイも2019年12月に新採用されたもので、2017年のデビュー当初は7インチ画面だった, 写真は新型CX-5の上位モデルに新たに搭載された10.25インチディスプレイ。下位グレードも8.8インチに拡大された

システムの刷新とともにディスプレイも一新した。もともと現行型CX-5では、2017年の発売当初には7インチだった画面を2019年12月の一部改良で8インチに変更していたが、今回はさらに8.8インチディスプレイに拡大された。また上位モデル用には、さらに大きくワイドな10.25インチの大型ディスプレイも搭載。画面の大型化で先行を許していた他社ライバル車にようやく追いついた格好だ。

マツダが継続的商品改良にこだわる理由

ドアミラーカバーとホイールを黒にし、ブラックインテリアに赤のステッチを加えた特別仕様車「Black Tone Edition(ブラックトーンエディション)」も新設定された

2017年2月に発売を開始した現行型(2代目)CX-5は、これまでも主に2017年8月、2018年2月、同10月、2019年12月と、矢継ぎ早に商品改良を繰り返し今回で5度目。外観上の大きな変更を加えることはあまりないが、他のマツダ車に新採用された先進機能や快適装備などを素早く水平展開する。見た目にもわかりやすい派手な変更よりも、今回のように実用的な改善が多いのがマツダ車の特徴でもある。

マツダではこの継続的な改良の理由は、各モデルとも常に最新の状態に保つためだと説明している。結果としてリセールバリュー(中古車価格の価値)は従来より大幅に向上し、しかもモデル末期まで安定した販売を維持し続けているという。

現行型保有のユーザーに向けたアップグレード制度の推進を!

質感の高いインテリアはデビュー時から一貫した現行型CX-5の魅力ポイントだ

一方で、今のマツダ車は買い時のタイミングが難しいとも言える。一部改良の度に、現行型ユーザーもうらやましく思う点は多いはずだ。今後は、従来モデルを購入したユーザーのケアももっと考慮する必要があるだろう。

マツダによると、現段階ではエンジンやトランスミッションのプログラム改良、マツダコネクトのアップグレードなどもそう簡単には対応出来ないとのこと。場合によっては有償でもいいから、愛車の機能も最新モデル同様にアップグレード出来るようにして欲しいと切に願う。現ユーザーの満足度も上がるうえにリセールバリューもさらに向上し、結果としてまた次もマツダユーザーになってくれる可能性も高まるなど、良いことずくめなのだから。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)]

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