今さら聞けない! ハイブリッドは大きく分けて3種類で構成されている
MōTA / 2021年1月18日 6時0分
専門用語が多く分かりづらい自動車用語。ここでは少しでも皆さんのストレスを軽減すべく、毎回テーマを決めて解説していきます。「分かっているようで、きちんと説明できない!」「今さら聞けない!」と言う方もおすすめのコーナー。今回は、今や定番化したと言っても過言ではないハイブリッドについて解説していきます。
今や定番となったハイブリッド
クルマにそんなに詳しくない方でも、最近ニュースなどで脱ガソリンに向けた「電動化」なんてことを耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか? 電動化とは、簡単に言うと自動車の動力源をエンジンから電気モーターに変えていくことを指します。それらのモデルにはHV(ハイブリッド)、PHV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)などが含まれています。今回はその中から、今や多くの車種が存在するハイブリッドについて簡単に解説していきます。HV(ハイブリッド)とは
近年ではもはや定番となり、多くの車種が登場しているハイブリッド。低燃費性能などで高い人気を誇る電動車の1つです。Hybrid Vehicle(ハイブリッドビークル)を略し「HV」と表記したり、「HEV」(Hybrid Electric Vehicle)と呼ばれることもあります。一般的にはハイブリッドカーやハイブリッド自動車と呼ばれています。ハイブリッドとは、簡単に説明するとエンジンに電気モーターを組み合わせたクルマのことを指します。2つの動力を搭載し、それぞれの動力を効率よく使い分けることで総合的にクルマの燃費性能が高まります。通常のガソリンエンジンモデルはエンジンという1つの動力でクルマを動かしているのに対し、ハイブリッドはエンジンと電気モーターといった2つの動力でクルマを動かしているため低燃費を実現しているのです。
ハイブリッドは大きく分けて3つの種類がある
一口にハイブリッドと言っても、その仕組は「パラレル方式」「シリーズ方式」「シリーズパラレル方式」と、大きく3つに分けられます。それぞれ特徴があり、搭載するクルマの走りの性格もそれぞれ違います。パラレル方式
パラレル方式とは、動力のメインとなるエンジンをモーターがサポートする方式のこと。エンジンによる走行が主体となり、エンジンが燃料を多く消費する発進・加速時などでは、逆に最大の力を発揮するモーターがサポートします。特に搭載するバッテリー容量が小さくモーターの稼働も限定的で、エンジン駆動がメインとなる場合「マイルドハイブリッド」と呼ばれることもあります。
他の方式に比べると構造も単純で重量増加も抑えられ、既存のエンジン・トランスミッションと組み合わせることができることから、軽自動車などの小型車から、比較的大きなサイズのセダン・SUVまで幅広く採用されています。
シリーズ方式
エンジンを発電用として使用し、その電力でモーターを駆動させて走行するのがシリーズ方式。走行時に使用される動力はモーターのみなので、エンジン音も小さく電気自動車に近い走行感覚となっています。イメージとしては「自家発電式の電気自動車」といった感じです。代表的なモデルは、優れた燃費性能に電気自動車特有の静寂な走りと力強い加速が特徴のハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載した日産 ノート。また、その直接のライバルとなるホンダ フィットが挙げられます。
フィットが搭載するハイブリッドシステム「e:HEV」は、低中速時はモーターで走行するのは日産のe-POWERと同じですが、モーターが苦手な高速走行時はエンジンを使って走行する高効率なシステム。シリーズパラレル方式に近い仕様となっています。
シリーズパラレル方式
エンジンとモーターの両方を動力源として上手く使い分けるのがシリーズパラレル方式。その名の通りパラレル方式とシリーズ方式の良いところをかけ合わせた方式です。発進や低速時にはモーターを使用し、速度が上がるとエンジンも併用。両方を効率よく使いながら走行します。
代表的なモデルは、先程のノート、フィットのライバルで、「THSII」と呼ばれるハイパワーの新エンジンと組み合わせたハイブリッドシステムを採用しているトヨタ ヤリスが挙げられます。
[筆者:MOTA編集部]
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