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日産の“プロパイロット”って実は3種類あった!?

MōTA / 2021年1月25日 14時40分

日産 スカイライン GT Type SPハイブリッド

日産といえば電動化や自動運転といった未来を思わせるようなキーワードを使ってクルマをアピールしている。とくに自動運転技術を用いた「プロパイロット」なる機能を全面に押し出している。実はこのプロパイロットの中でもいくつか種類があるのだが、短いTVCMではちょっとわかりづらいところがある。今回は、日産のプロパイロットにフォーカスし、機能の違いなどをご紹介する。

日産 スカイライン GT Type SPハイブリッド

低価格帯で実現! 自動運転が現実のモノに!?

そもそもプロパイロットとは、高速道路やバイパスなどを指す自動車専用道路において同一車線に限って加減速、さらにはステアリングアシストまでも行う運転支援システムだ。

はじめてプロパイロットが搭載されたのは2016年に登場した現行セレナから

フロントガラスに装着されている単眼カメラのみでセンシングをしているため、前方に割り込み車両、あるいは悪天候といった状況では作動しない場合もあり、あくまで補助機能という側面が強い。

初めて搭載されたのは2016年にデビューした5代目セレナ。そしてリーフ、さらにはエクストレイルやデイズシリーズといった日産を代表する人気車種を中心に展開されている。

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自動運転社会が近づいた!? プロパイロット2.0のキモはナビ連動

2013年にデビューした現行スカイライン。2019年に実施したビッグマイナーチェンジの目玉機能としてプロパイロット2.0を搭載し、話題を呼んだのだ

単眼カメラのみでセンシングしていたプロパイロットに対して、大幅に改良されたのが20xx年x月に追加された、スカイライン ハイブリッドの「プロパイロット2.0」だ。既存の機能に加えてハンズオフ、さらにはナビ連動による自然な制御を可能にしており、いってみれば全く別次元の機能である。

カメラに加え、センサーを搭載することにより、正確に周囲の状態をセンシングできるのだ

機能だけでなく、センシングする布陣も大幅に進化しており、フロントカメラはiPhoneの上位機種と同じく3眼カメラに(広角、標準、望遠)、さらに5個のミリ派レーダー、超音波ソナーを12個を備えている。

先読み制御で超自然に!

もっとも注目なのは、ナビゲーションと連動した3D高精度地図データを活用している点だ。他社含め、これまで先進安全装備とナビは別物と考えられていたが、プロパイロット2.0に関してはナビと連動させているのだ。

どういうことか? 日産は自動運転社会の実現には高精度な地図が不可欠と考えており、既存のナビに必要な地図データとは異なる、車線の数や道路の勾配といった細かな情報を落とし込んだ高精度マップを地図メーカーと共同開発している。プロパイロット2.0を搭載するスカイラインにも、この高精度マップをインストールした。

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これにより、今後起こりうるコトをクルマ自身が先読みし、自然な制御が可能となるのだ。筆者が高速道路において、この機能をテストした際にプロパイロットではコーナーに差し掛かってからステアリングが動き出すために、カクカクとした動きであった。だが、プロパイロット2.0に関しては、まるで人間が運転しているかの如く制御が自然であったことを覚えている。自動運転が現実のモノになりそうと思わずにはいられないほどであった。

ただ、先のプロパイロットはさまざまな車種に搭載されているが、現状プロパイロット2.0はスカイライン ハイブリッドのみ。しかも557万5900円〜と決して安くない金額なのだ。

プロパイロット1.5もあった!? その違いとは

上記のようにプロパイロットとプロパイロット2.0のように大きく2種類が存在するのだが、じつはこの中間に位置するモノも存在する。それは昨年2020年12月に発売祭れた新型ノートに搭載されたプロパイロットである。

名称こそ既存のモノと同じながら、その機能はプロパイロット2.0にかなり近く、ナビ連動機能を有しているなど、いわばプロパイロット1.5と呼べるほどの内容なのだ。

最大の違いは高精度マップを使用しているか、しないかの違いだ。スカイラインハイブリッドほど正確な制御とまではいかないながらも、ナビと連動することで道路の先読み機能も搭載するなど、セレナなどのプロパイロットの進化版というイメージである。

また、新型ノートにはプロパイロット緊急停止支援システムなる機能をプロパイロットとセットで展開している。走行中に、予期せぬ事象が発生し、ハンドル操作が一定時間検知されず、かつメーター表示や音による警告にもドライバーの意識反応が得られなかった時には、ハザードを点灯して徐々に減速し停止。

NissanConnect サービスに加入している場合は、その後に緊急通報センターに音声接続し、必要に応じて警察・救急に連絡して緊急車両がかけつけるといいった、もしもの時でも安心して使用できるのだ。

機能の違いをアピールすべし! 

通常プロパイロットのような先進機能は、まず高価格帯のクルマに搭載し、のちに手頃なコンパクトカーなどにも! という流れが基本のなか、あえてより多くの人が購入するミニバンやコンパクトカー、さらには軽自動車といったクルマたちに積極的に採用し、より多くの人に、いち早く訴求するという側面においては見事である。

だが、昨今のテレビCMにおいてプロパイロット装着車は、まるで全て同じ機能を搭載しているようにアピールしている節がある。機能を正確に調べれば分けることではあるのだが、せっかくの技術なのだから、もう少し噛み砕いて説明してほしいところ……。

今年2021年には、プロパイロット2.0の進化版を搭載するアリアが発売される予定で、ますます自動運転への加速が進むと思われる。それだけに次は一体どんな機能を販売するのか!? など日産の動向に注目だ!

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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