5分の充電で100キロ走行可能!? 韓国・現代自動車(ヒュンダイ)が2021年2月発表の次世代EV“IONIQ5”を事前公開
MōTA / 2021年1月25日 8時30分
現代自動車(ヒュンダイ)は、2021年2月発表予定の新世代EV(電気自動車)「IONIQ5(アイオニック ファイブ)」のティザー画像を公開した。かつてプリウスハンターとして名を馳せたIONIQブランドの次なる一手とは。驚異の急速充電技術や多車種展開の戦略など、ヒュンダイの次世代EV戦略についてご紹介する。
新世代EV“IONIQ(アイオニック)”シリーズの第一弾
わずか5分で100km走行可能な超高速充電機能を備える
韓国・現代自動車(ヒュンダイ)は2021年1月12日(火)、2021年2月発表予定のEV(電気自動車)「IONIQ5(アイオニック ファイブ)」のティザー画像を発表した。ヒュンダイ アイオニック ファイブは、中型CUV(クロスオーバーSUV)EVのニューモデルで、現代自動車グループのEV専用プラットフォーム「E-GMP(Electric-Global Modular Platform)」を搭載した新世代IONIQシリーズ最初のモデルとなる。
ヒュンダイのIONIQ5ティザーサイトによると、アイオニック ファイブは超高速充電機能を備え、5分の急速充電で100km以上を走行することが可能だと紹介している。
多車種展開可能な新設計のEV専用プラットフォーム“E-GMP”
800Vの高電力充電システムに対応
アイオニック ファイブのティザー発表に先駆け、2020年12月1日(水)には、現代自動車グループのEV専用プラットフォーム「E-GMP(Electric-Global Modular Platform)」の概要も公開されている。世界初の400V/800Vマルチ充電システムや、V2L(Vehicle-to-Load:双方向電力変換機能)を搭載。フル充電で航続可能距離500km以上(WLTPモード)を可能とする。
E-GMPプラットフォームの高性能モデルでは、最高速度260km/h・0-100km/h加速3.5秒とマークするという。
また800V(最大350kWh)に対応した高電力化対応の急速充電システムを用いれば、18分以内に最大80%まで充電可能とした。先に記した、5分の急速充電で100km以上が走行可能というのも、800Vの急速充電での性能を指している。
後輪駆動をベースに4輪駆動化や多車種展開も可能なモジュール化を実現したE-GMP
後輪駆動ベースのE-GMPはモジュール化(組み合わせにより複数のモデル・サイズで使用できるようユニット化したもの)され、前後2モーターによる四輪駆動化も可能な設計となっている。さらにセダンやSUV、CUV(クロスオーバーSUV)など、ユーザーの需要に応じたさまざまなモデルに展開出来る柔軟な仕様となっている点にも注目したい。
“プリウスハンター”で名を馳せた初代IONIQ(アイオニック)ブランドで展開を図るヒュンダイ
ヒュンダイのアイオニック(IONIQ)と聞くと、数年前に「プリウスハンター」と呼ばれていたモデルのことを思い浮かべる方もいるだろう。2016年3月、スイス・ジュネーブショーで発表されたヒュンダイ アイオニックは、全長4470mm×全幅1820mm×全高1450mmの5ドアハッチバックモデル。ハイブリッドモデルが米国での燃費性能でプリウスを超えたことや、プリウスを強く意識したフォルムなどと相まって、当時話題を集めていた。
初代IONIQブランドの先進イメージをEVシリーズとして新たに展開
初代アイオニックは、1.6リッターガソリンエンジンとデュアルクラッチトランスミッションを介したモーター駆動システムを組み合わせるハイブリッドモデルを基本に、PHEV(プラグインハイブリッド)、BEV(バッテリーEV:電気自動車)をラインナップする。ヒュンダイのIONIQブランドはこのアイオニックが切り開いた先進イメージをベースに展開。CUVのIONIQ5に続き、セダンモデルのIONIQ6、SUVモデルのIONIQ7と続く予定となっている。
2025年に100万台の販売を目指す現代自動車
現代自動車では、今回のアイオニック ファイブを皮切りに、今後2025年までに新プラットフォームを用いたEVのニューモデルを、起亜自動車を含めたグループ全体で23モデル投入すると発表。全世界で100万台の電気自動車を販売する目標を掲げている。日産は、2010年に市場投入した電気自動車リーフをグローバルで50万台販売するまで、およそ10年かけて達成している。
EV需要は急速に拡大しているとはいえ、4年で100万台というヒュンダイの目標は相当に意欲的だといえる。
成功のカギを握る新世代EV第一弾のアイオニック ファイブ。2021年2月の正式発表が楽しみだ。
[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:現代自動車(HYUNDAI)]
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