トヨタより7年も先行! 小型SUVジャンルを切り開いたホンダの開拓者“ヴェゼル”を振り返る
MōTA / 2021年1月26日 18時30分
ホンダは、コンパクトSUVの人気モデル「ヴェゼル」を2021年春にフルモデルチェンジすると発表した。近年トヨタ ヤリスクロスなどの後発モデルが各社から登場しているが、7年前の2013年には早くも需要の開拓を先行していた初代ヴェゼル。その歴史を改めて振り返り、今も人気を維持し続ける秘密について探ってみよう。
SUVとクーペとミニバン、多面的な価値を反映
「ホンダ ヴェゼル」は、2013年10月開催の東京モーターショー2013会場で初公開。大きな反響の中、2013年12月には正式デビューを果たした。ボディサイズは、全長4295mm×全幅1770mm×全高1605mm、ホイールベース2610mm(2013年デビュー時)。
コンパクトカーのベストセラーモデル、3代目「フィット」のパワートレインやプラットフォームなどをベースにしながらも、ボディサイズはグンと拡大。クーペSUV風の流麗なスタイルながら、十分な室内空間を備えた。
2013年のデビュー当時、ホンダのプレスリリースには『SUVの力強さ、クーペのあでやかさ、ミニバンの使いやすさ、さらには燃費性能まで、ジャンルの枠を超えた多面的な価値を高次元で融合させた全く新しいクルマ』(Honda Press Information:2013年12月19日付)だと定義付けている。
絶えず進化を続けベストセラーとなった初代ヴェセル
システム最高出力152psのスポーツハイブリッドを採用
ヴェゼルはまず、1.5リッターガソリンモデルと、1モーター式ハイブリッドモデルの2つのパワートレインでスタートした。ハイブリッド車に搭載されたのは、3代目フィットに新採用された「SPORT HYBRID i-DCD」。27.0km/L(JC08モード)の低燃費性能を誇りながら、2リッター車並みのパワー(システム最高出力152ps)と、デュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)による小気味良い加速感によって、エコカーのイメージを覆すスポーティな走りが自慢だった。
またヴェゼルは、同社のハイブリッド車では初めて、4WDシステム「リアルタイムAWD」と組み合わせたモデルもラインナップした。
年間で最も売れているSUVのランキング1位に4年も君臨
2013年12月のデビューからおよそ1ヶ月、翌年の2014年1月末時点で約3万3000台の受注を獲得し好調な立ち上がりとなったホンダ ヴェゼル。その後も着実に販売台数を伸ばし、2014年、2015年、2016年、そして2019年と、国内SUVジャンルにおける新車販売台数ランキング1位を獲得するほど、定番人気のモデルへと成長を遂げた。
デビュー以来、絶え間ない改良を重ね進化を続けた
2016年2月の一部改良時には、先進運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を採用。またスポーティグレード「RS」を追加するいっぽう、デビュー当初スポーティと評された一方で、やや固めだった足回りを、やや柔軟な仕様に変更している。
この後もこまめな改善を繰り返し進化を続けた初代ヴェゼル。2018年にデザインの小変更を伴うマイナーチェンジを実施。その後2019年1月には1.5リッター VTEC ガソリン直噴ターボエンジン搭載の「ヴェゼル TOURING(ツーリング)」を追加した。さらに2019年11月には、専用チューニングされたカスタマイズパーツを装着するコンプリートカー(カスタムカー)「ModuloX(モデューロ エックス)」を登場させるなど、ホンダでは常にラインナップを拡充させ、ヴェゼルの進化を続けていることがわかる。
2020年にトヨタと日産から相次いでライバル車が新規参戦
しかしそんなヴェゼルも、2013年12月のデビューから、早くも丸7年が経過した。2020年にはトヨタから「ヤリスクロス」、日産からも「キックス e-POWER」と多数のライバルモデルも登場。再びコンパクトSUV市場が盛り上がりをみせている状況だ。
老舗ブランドとなったホンダも、そんな絶好のタイミングで、2021年春に新型ヴェゼルをフルモデルチェンジすると発表した。
2021年春、ヴェゼルが満を持してフルモデルチェンジ
ホンダは2021年1月18日(月)、2代目の新型ヴェゼルを2021年春に発表することを明らかにし、ティザー画像(事前告知の写真)を数点公開した。また、先行して2月18日(木)にはワールドプレミア(世界初公開)を行い、新型ヴェゼルのデザインなどがここで初めて正式に披露される予定だ。
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