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マツダ独自技術のスカイアクティブXがアップデート! それでも新型マツダ3にはディーゼルを推奨する理由とは

MōTA / 2021年2月6日 11時0分

マツダ MAZDA3ファストバック スカイアクティブX AWD

マツダ3は話題のスカイアクティブXとディーゼルモデルに出力アップするなどの改良を実施し2020年11月に発売した。走りにさらなる磨きをかけたのだが、一体どの程度変わったのか? 今回は今までとの違いとおすすめグレードをご紹介する。果たしてスカイアクティブXは買いなのか!?

マツダ MAZDA3ファストバックXD  バーガンディセレクション

ディーゼルとスカイアクティブXをレベルアップ

最近のマツダは頻繁に改良を行っている。「いつ買えば良いのか分からない」という話も聞くが、商品力を常に向上させることは大切だ。ライバル車に対する競争力も保たれ、売れ行きを下げない効果も生じるのである。

エクステリア、インテリアともに大きな変更はない。スカイアクティブXにのみ両サイドフェンダーに専用エンブレムを装着

2020年11月に、ミドルサイズハッチバック&セダンのマツダ3が改良を実施した。エンジンについては、スカイアクティブXとクリーンディーゼルターボに手を加えている。サスペンションでは、スプリングとショックアブソーバーのセッティングを見直して、走行安定性と乗り心地を向上。さらに運転支援機能も進化させている。その効果を試乗しながら探ってみたい。

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粘り強さがスカイアクティブXの魅力

まず火花点火制御圧縮着火方式を採用した直列4気筒2リッタースカイアクティブXを搭載するマツダ3ファストバックX Lパッケージ 4WDに試乗した。

アクセルレスポンスの向上、さらには高速域での伸びが心地よいと渡辺氏

もっとも注目される変更は、エンジンとトランスミッションを制御するソフトウェアだ。従来型と乗り比べると、4000回転を超える高回転域の吹き上がりが活発になった。従来型でも不満はなかったが、改良後はさらに回転の伸びが良いという印象だ。

スカイアクティブXにはスポーツモードが備わる。シフト横のスイッチで操作する

実用回転域の駆動力も増して運転しやすくなった。従来型の動力性能は、最高出力が180馬力(6000回転)/最大トルク22.8kg-m(3000回転)であったが、改良後は190馬力(6000回転)/24.5kg-m(4500回転)だ。

改良後の最大トルクを見ると、高回転指向になったと受け取られるが、従来の最大トルク:22.8kg-mが発揮された3000回転でも、新型では23.9kg-m前後が発生している。

つまり改良を受けて2000回転以上では全域にわたりトルクが向上したから、粘り強くなって運転しやすくなったのだ。

素早いレスポンスが見事!

6速ATを含めて、アクセル操作に対する反応の仕方が機敏になったことも特徴だ。とくに高速道路を時速80キロ前後で巡航中、アクセルペダルを素早く踏み増した時など、改良後は素早く加速を開始する。

エンジンノイズも少し改善された。従来は低回転域でディーゼルに似た粗いノイズが少し響いたが、改良を受けて音質がマイルドになっている。なお、これらの改善はソフトウェアの変更に基づくため、既に購入したユーザーもバージョンアップできるように準備を進めているという(サービスの開始時期など詳細は未定)。

ディーゼルの制御は超自然に! ガソリン車からの乗り換えでも不自然さなし

よりパワフルになったうえに、低速域での扱いやすさが向上

一方直列4気筒1.8リッタークリーンディーゼルターボは、マツダ3 ファストバック XD バーガンディセレクション(2WD)

で試した。スカイアクティブXと同様にソフトウェアの変更によって運転感覚を向上させている。

とく変化したのは3000回転以上の領域だ。回転上昇の仕方が活発になり、巡航中にアクセルペダルを踏み増した時の反応も機敏に。幅広い回転域で速度を調節しやすくなったのだ。

ディーゼルらしい実用回転域の余裕を保ちながら、回転が高まっても速度の上昇が鈍りにくいため、ガソリンエンジン車のユーザーが乗り替えてもあまり違和感は生じないだろう。

動力性能は、従来型の最高出力が116馬力(4000回転)だったのに対して、改良後は130馬力(4000回転)に向上した。最大トルクは27.5kg-m(1600〜2600回転)で変更はない。

マツダ MAZDA3ファストバック スカイアクティブX AWD

乗り心地&先進装備進化も価格変化なしでお買い得に!

すべてのグレードにわたってサスペンションのセッティングも変更され、乗り心地の質を高めた。時速40km以下では改良後も少し硬いが、路上の細かなデコボコによって上下に揺すられる動きは抑えている。以前の乗り心地には若干の粗さが伴ったが、改良後は洗練された印象だ。

走行安定性は以前とほぼ同じだ。峠道などでも旋回軌跡を拡大させにくい。とくに4WD仕様は、舗装路のカーブを曲がる時でも、出口に向かってアクセルペダルを踏み込んでいくと後輪に駆動力がしっかりと伝わり、安定した走りを楽しめる。

強調制御で

アクティブエアシャッターは改良前モデルにも備わっていたが、改良後はGベクタリングコントロールと強調制御をすることで操安性を向上さsるなど、きめ細やかな進化を遂げている

このほかアクティブエアシャッター(ラジエターグリルを電動開閉することで温度管理を綿密に行う機能)の作動と、操舵感と走行安定性を高めるGベクタリングコントロールを協調制御させた。

クルージング&トラフィックサポート(運転支援機能)の操舵制御も、作動速度の上限を高速域まで拡大させて、ドライバーの疲労をさらに抑えている。疲労の低減は安全運転に結び付く。

以上のようにマツダ3は、動力性能、静粛性、乗り心地、運転支援機能などを幅広く進化させた。それでも価格は従来と同じだから、改良後は割安感を強めている。

進化するもオススメはやっぱりディーゼル

ガソリン、ディーゼル、スカイアクティブXとどのパワートレインを選択してもデザイン上の差はほとんどない。デザインに惚れ込んで購入する方の多くは1.5リッターモデルを選んでいるという

推奨グレードは、価格を抑えたいユーザーには1.5リッターガソリンエンジンを搭載する15Sツーリング(価格はファストバック/セダンともに231万5989円)が最適だ。オプションでは360度ビューモニターとドライバーモニタリング(8万6880円)を加えたい。

機敏な運転感覚が好みなら、2リッターガソリンエンジンの20Sプロアクティブツーリングセレクション(263万6741円)を選ぶ。1.5リッターに比べると、エンジン排気量の拡大に加えて、前側方接近車両検知機能、クルージング&トラフィックサポート、運転席の電動調節機能、アダプティブLEDヘッドライトなどが加わる。価格は約32万円高いが、装備の価格換算額が20万円を超えるから、排気量の拡大による正味価格は約10万円だ。オプションでは360度ビューモニターとドライバーモニタリング(8万6880円)を装着したい。

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ディーゼルの税金に注目! ガソリンとの差額は19万円程度

そして推奨度が最も高いベストグレードは、クリーンディーゼルターボを搭載するXDプロアクティブツーリングセレクション(291万1741円)だ。実用回転域の駆動力を高めて、なおかつ燃費効率も優れる。

装備内容は20Sプロアクティブツーリングセレクションとほぼ同じで、価格は27万5000円高いが、クリーンディーゼルターボは購入時に納める環境性能割と自動車重量税が非課税になる。税額が8万円安いため、実質差額は19万5000円だ。機能や装備と価格のバランスでは、XDプロアクティブツーリングセレクションが最もお買い得なのだ。

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スカイアクティブXは値下げを待て!

今回の改良モデルからリアエンブレムはeスカイアクティブXとなる

スカイアクティブXは、改良の効果もあって運転すると魅力的なエンジンだが、割高感が生じる。Xプロアクティブツーリングセレクション(331万9148円)の価格は、2リッターガソリンに比べて68万2407円、ディーゼルと比較しても40万7407円高いためだ。

火花点火制御圧縮着火方式を採用して、過給器(スーパーチャージャー)、マイルドハイブリッドシステム、粒子状物質を除去するパティキュレートフィルターなど数々のメカニズムを採用しているために価格が上昇している。今後搭載車種が増えるなど、コスト低減が進んで価格が求めやすくなると選ぶ価値も高まるだろう。

マツダ3はエンジンの種類が多いので、販売店でさまざまな試乗車を乗り比べると良いだろう。グレードを選ぶ時から、マツダ3を大いに楽しんで頂きたい。

【筆者:渡辺 陽一郎】

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