まさかの欧州専売!? 日産の新型SUV キャシュカイは日本に導入しない理由が見当たらない!
MōTA / 2021年2月20日 17時0分
日産は2021年2月18日(木)、欧州で最も売れている日産車であるSUV「キャシュカイ」をフルモデルチェンジし、2021年夏に欧州で発売すると発表した。 新型で3代目となる新型キャシュカイは、欧州初のe-POWER搭載車で、日本にはない新機構も盛り込む。新型ノートにも似た先進的でスタイリッシュなデザインは、日本でも人気を集めそうだ。 日本では売っていない日本車、新型キャシュカイを徹底解説する!
日本ではマイナーな日産 キャシュカイ、欧州では稼ぎ頭だった
2007年にデビューした初代キャシュカイは「デュアリス」の名で日本にも導入されていた(英国製の輸入車だった)が、1代限りでモデル消滅。ここ日本ではマイナーな存在に留まっている。
しかし欧州でキャシュカイは、日産の稼ぎ頭となる重要な1台だった。
発売後10年間に欧州だけで230万台を販売したヒット作
2016年、トヨタがプリウスをベースにした「C-HR」を欧州でいち早く初披露したのも、キャシュカイを強く意識してのこと。その後各社から多くの対抗車が誕生するなど、日産 キャシュカイは世界に対し大きな影響を与えた重要なモデルなのだ。
e-POWERと初組み合わせの1.5リッターVCターボは新型エクストレイルにも搭載か
現行型に比べ60kgの軽量化を図ると共に、車体剛性を41%向上させるなど、新型キャシュカイの基本性能底上げに大きく貢献する。なお先行発表されている4代目新型エクストレイル(北米名:ローグ)も、同様にCMF-Cプラットフォームを用いており、兄弟関係は新型でも続いている。
兄弟関係にあるエクストレイルと上手く差別化を図った外観デザイン
ボディサイズは全長4425mm×全幅1635mm×全高1838mm、ホイールベース2666mm。現行型に対し全長で+35mm、全幅で+32mm拡大し、ホイールベースも+20mm延びている。
他方、SUVらしい力強さを強調しアグレッシブなフロントマスクやスクエアなフォルムとした新型エクストレイル(新型ローグ)とは、キャラクターを明確に変えることにも成功している。
ボディカラーは11色の単色と5種類の2トーンカラーの計16パターンから選択可能だ。
インテリアも先進的なイメージに生まれ変わった
さらにメーターパネルを全面フルカラー液晶画面の12.3インチのマルチインフォメーションスクリーンとしたり、車載Wi-Fiを搭載するなど、エクステリア同様に先進装備を多数用意した。
高効率・高出力な1.5リッターVCターボとe-POWERを初めて組み合わせた
新型キャシュカイに搭載されるパワートレインは大きく分けて2種類。
1つは、現行型のモデル途中に追加された排気量1300ccガソリン直噴ターボ「1.3DiG-T」を12Vマイルドハイブリッド化したもの。138馬力/240Nm版と156馬力/270Nm(6速MT版は260Nm)版があり、FF(前輪駆動)を基本に、156馬力版のCVTモデルにのみ4WDが用意される。
日本のノートやセレナ、キックスなどに搭載されるe-POWERは、直列3気筒1200ccのエンジンを発電機としモーターを駆動させる。走行感覚は電気自動車(EV)に限りなく近い。
新型キャシュカイでは、高効率・高出力な1500ccVCターボ(187馬力/330Nm)の新開発エンジンと初めて組み合わされる。エンジン動力を駆動に直接用いないため、エンジン回転の最も燃焼効率の良い領域で動作させることが可能なe-POWERだが、エンジン自体の大幅な高効率化も実現させた。
燃費効率の向上と共に、よりパワフルになった走りのフィーリングも気になるところだ。
この革新的なエンジンの説明だけで1記事になってしまうほど、可変圧縮比機構には新しい技術が満載される。詳細は今後また別項でお届けする予定なので、楽しみにしていて欲しい。
SUVブーム真っ只中! 新型キャシュカイを国内導入しない理由が見当たらない!
新型キャシュカイに導入された新技術は全て新型エクストレイルにも採用か
欧州では2021年夏より発売を開始する予定となっている。
なお新型キャシュカイに導入される新機能は、おそらく同時期に日本でも発表されるであろう兄貴分の新型エクストレイルにも当然採用されることだろう。特に1.5VCターボエンジンと組み合わせた、新型e-POWERのパワフルな走りは楽しみなところだ。
ノートとエクストレイルの間を埋めるのは新型キャシュカイしかない!
例えば「トヨタ カローラスポーツ」や「スバル インプレッサスポーツ」などのCセグメントハッチバック車に対抗するモデルは、日産にはここ最近用意されていない。
かつて初代キャシュカイで欧州Cセグ市場を席巻したように、新型キャシュカイを大胆に国内導入してみるのも十分にアリなのではないだろうか。しかもSUVブームの折、国内ではキックスとエクストレイルしかラインナップがないなんて、実に勿体無い!
欧州専用車などと寂しいことを言わず、前向きに検討して欲しいところだ。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:NISSAN]
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