シンプルなだけじゃない! 新型ヴェゼルのデザインは走りと機能にこだわるホンダらしさ満点の仕上がりだった
MōTA / 2021年2月27日 11時0分
大人びた雰囲気が増し、一気に高級になった新型ヴェゼルだが、そこはホンダ。ただシンプルに見えるデザインにも、ひねりを加えたディテールの数々が隠されていることにお気づきだろうか。特に注目はヘッドライトとフロントグリルで、実際のボディサイズ以上に大きく見せる工夫など、並々ならぬ苦労の末に完成したという。そこで新型ヴェゼルのデザイナーにその開発秘話を聞いてみた。これを読めばますます欲しくなる! ハズ。
高級感マシマシの新型ヴェゼル
新型ヴェゼルでもっとも注目を集めているのが、やはりその見た目だ。初代モデルはメッキ加飾をふんだんに使用し、派手な印象であったが、新型ヴェゼルはかなりクリーンなイメージにシフトしている。新型ヴェゼルは、昨年2020年に投入された現行フィットと基本的なプラットフォームやパワートレインなどを共有している。デザイン性についても同様に、シンプルなフィットの方向性にならった形だ。
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シンプルなのに押し出し感強し! そこにはヒミツが
ヴェゼルの簡単な紹介はこの辺にして、さっそく今回のメインであるライトについて見ていこう。
新旧ヴェゼルのヘッドライトを写真で見比べてみると、新型はライト自体がかなり薄くになり、奥まった位置に設置していることに気が付く。エクステリアデザインを担当した阿子島 大輔氏に聞くと「あえて奥行き感を表現するデザインにしている」という。その理由としては奥行き感を演出することで実際のサイズ以上に見えるデザインとしているのだ。欧州車超え! ウィンカーへのこだわりがスゴい
加えて「フロントで注目なのはターンランプとフォグランプ」だという。というのも昨今のクルマはデイライトが当たり前になりつつあり、レイアウトとしてターンランプとデイライトを一体とするクルマがほとんど。だが、新型ヴェゼルは別体で整形し、立体感を表現しているのだ。
例えばデイライト装着車を想像して欲しい。デイライトやポジンションライト点灯時に右ウィンカーを操作した場合、ウィンカーが優先され、左側がデイライト、右側がウィンカーと少々不恰好な見た目となるクルマがほとんど。そこで阿子島さんはその不恰好さを払拭すべく、ウィンカー点灯時でもデイライトが点灯しているように見える工夫を行っているのだ。見た目だけじゃない! フォグランプに空力性能向上のヒミツが
フォグランプはステップワゴンスパーダなどにも採用している5連LEDライトを採用している。一見フツーのフォグランプのように見えるが、実は空力を考えてデザインされているのだ。よく見るとスリッドが配置されており、ホイールハウスに空気が抜けるよう工夫されている。クリーンなデザインに機能を持たせているというワケだ。
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デカけりゃいいってもんじゃない!? シンプルなフロントグリルにはワケがあった
やはり目が行くのはボディ同色となったフロントグリルだ。基本コンポーネンツを共有してるコンパクトカーのフィットと同様にクリーンなイメージとなっているが、じつはこのグリルにこそホンダらしいこだわりが詰まっているのだ。
フロントグリルに注目! そのこだわりがスゴかった
昨今のクルマは軽自動車やミニバンに至るまで、やたらとデカいフロントグリルを持つクルマが多い。一見するとグリルが大きければボンネット内をいち早く冷却できるゆえ、走行性能という面においても有利だとされている。
だが先の阿子島氏いわく「フロントグリルを拡大すると空力が乱れ、走行性能に悪影響を与える場合もある」という。そこで新型ヴェゼルはデザインと機能を併せ持ったデザインに落ち着いたのだ。
さらに聞くと「フロントグリルにある9本のバーは全て太さやRが異なる」のだという。当初は全て同じデザインとしていたのだが、走ってみると風切り音などの騒音問題に直面。そこで一つ一つのサイズを見直すことで、このデザインに行き着いたのだ。実際に新型ヴェゼルのフロングリルをじっくり見てみると、わずかな差が確認でき、さすが走りのホンダ! と言える完成度なのだ。今回はかなりマニアックな視点で新型ヴェゼルをご紹介したが、いつになってもホンダはクルマ好きの心をくすぐり続けると実感。確かに初代ヴェゼルに比べると派手さは弱まったかもしれないが、走りとデザインに関してのこだわりはさすが! と言える。今回の少しマニアックな視点で今一度新型ヴェゼルをチェックしてみてほしい。
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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